楽天コンサルとは何かを楽天ECCとの違いから整理し、契約前に検証できる選び方7軸を元Amazon出身者が解説。
「楽天のECCさんに提案はもらえるけれど、結局それを実行する人が社内にいない……」
「有料の楽天コンサルを入れるべきか、無料の担当者で足りるのか判断がつかない……」
EC支援会社を経営する私、南雲が、楽天コンサルを入れるべき店舗と、楽天ECC(楽天市場が無料でつける担当者)で足りる店舗の分岐点を解説します。楽天コンサルを調べ始めた方の多くは、比較サイトの「おすすめ○○社」を見る前に、そもそも有料で外部に頼む必要があるのかで止まっています。
本記事は、「楽天ECCで足りるのか、外部の楽天コンサルが要るのか」を先に判定してから会社を選ぶという順序で組み立てた実践ガイドです。費用相場、主要各社の比較、契約前に確認できる選び方7軸、楽天特有の論点までを一本にまとめました。読み終えるころには、自社が今どちらを選ぶべきかと、次に何を聞けばよいかが決まっているはずです。
「広告費を増やしても利益が残らない」「コンサルを比較しきれない」という段階なら、元楽天ECC在籍メンバーが所属するLINKにご相談ください。
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楽天ECCの提案はあるのに、実行が回らないまま数字が動いていませんか。
LINK株式会社では、楽天の売上構造・RPP広告・商品ページ・イベント設計を横断して確認し、外部に任せるべき範囲を整理します。
- 楽天ECCの提案を受けてはいるが、実行リソースが足りず売上が頭打ちのEC担当者
- 有料の楽天コンサルを入れるべきか、費用に見合うかを判断したい経営者
- 楽天コンサル各社の違いと費用相場を、発注前に一度で把握したい方
結論:楽天コンサルが必要な店舗と、楽天ECCで足りる店舗の分岐点【診断表】
結論から言えば、楽天コンサルが必要かどうかは「実行リソース」「利益設計」「伸ばし方の再現性」の3条件で決まります。売上規模や出店年数では決まりません。
楽天市場に出店すると、楽天側の担当者であるECC(ECコンサルタント)が付きます。データに基づく分析と改善提案、キャンペーンや新機能の案内を受けられる仕組みで、出店費用の中に含まれています(出典:楽天市場 出店案内 公式)。つまり「助言を受け取る」だけなら、追加費用をかけなくてもすでに手段はある状態です。それでも有料の外部コンサルに需要があるのは、助言だけでは埋まらない部分があるからです。ここを条件に分解して判定します。
分岐を決めるのは「実行リソース・利益設計・再現性」の3条件
3条件のうち2つ以上が欠けているなら、外部の楽天コンサルを検討する段階です。
1つ目は実行リソースです。提案を受け取っても、ページを直す人、RPP広告の入札を毎週触る人、イベントのエントリーと在庫を段取りする人がいなければ、数字は動きません。2つ目は利益設計です。楽天は広告費に加えてポイント原資やクーポン原資が乗るため、売上だけを追うと利益が薄くなりやすい構造があります。売上と利益の両方を同じ表で管理できているかが分かれ目です。3つ目は再現性で、伸びた月と伸びなかった月の差を「セッション・転換率・客単価のどれが動いたか」で説明できるかどうかを指します。
この3条件は独立していません。実行リソースが足りないと施策の数が減り、施策の数が減ると再現性の検証もできず、結果として利益設計の精度も上がらない、という連鎖になります。だからこそ「まず1つ埋める」ではなく、どこが起点で詰まっているかを特定する必要があります。
診断表|楽天ECCで足りるケースと楽天コンサルが要るケース
次の表で、自社がどちらに寄っているかを確認してください。左に3つ以上当てはまるなら、いま有料コンサルを入れる必要性は高くありません。
| 判断項目 | 楽天ECC(無料)で足りる | 楽天コンサル(外部・有料)が要る |
|---|---|---|
| 実行する人手 | ページ更新・広告調整を回せる担当がいる | 提案は届くが着手できず滞留している |
| 楽天の運用知見 | 社内に蓄積があり、属人化していない | 担当1名に依存し、退職で止まるリスクがある |
| 利益の管理 | 広告費・ポイント原資を含めて利益を見ている | 売上は追えているが利益の実数を出せていない |
| 変動の説明 | 増減の理由を指標に分解して説明できる | 「セールがあったから」で止まっている |
| 相談したい内容 | 楽天の施策情報・イベント枠の取り方 | ページ制作・広告運用・体制づくりの実務 |
| コスト方針 | 追加コストをかけずに改善したい | 月額を払ってでも実行力を確保したい |
注意したいのは、この表が「楽天ECCか、楽天コンサルか」の二者択一ではない点です。外部コンサルを入れてもECCは付き続けます。実務上は、楽天側の情報経路としてECCを使い、実行と利益設計を外部が担う、という併用が最も多い形になります。

図は、両者の役割の重心がどこにあるかを1枚にしたものです。商談前に社内で「うちは今どちらの列にいるか」を合わせておくと、提案を受けたときの評価軸がぶれません。
分岐ごとの次の一手|判定結果に応じてやることが変わる
診断して終わりにせず、判定ごとに次の行動まで決めておきます。
「楽天ECCで足りる」と出た場合は、ECCとの定例の質を上げることが最短距離です。次回の面談までに、直近3か月のアクセス人数・転換率・客単価を月別に並べ、どの指標が落ちたかを持ち込んでください。指標を持って行くと、一般的なキャンペーン案内ではなく、自店の数字に紐づいた提案を引き出しやすくなります。
「楽天コンサルが要る」と出た場合は、いきなり全部を任せる前に、詰まっている工程を1つ特定してから発注範囲を決めます。ページ制作が止まっているのか、RPP広告の運用が手つかずなのか、イベント設計が場当たりなのかで、選ぶべき会社の型が変わるためです。この後の章で、その工程別に会社の型と費用を対応させていきます。
「どちらとも言えない」場合は、スポット相談や単月契約が可能な会社に、現状分析だけを依頼するのが現実的です。分析結果を見てから、継続するか自社に巻き取るかを判断すれば、固定費を先に抱えずに済みます。
楽天ECC(無料の担当者)とは?やってくれること・やってくれないことの範囲
分岐を正しく判定するには、楽天ECCの守備範囲を正確に知っておく必要があります。ここを誤解したまま「ECCは使えない」と結論づけている店舗は少なくありません。
楽天ECCの役割|データ分析・企画提案・イベント情報の提供
楽天ECC(ECコンサルタント)とは、楽天市場が出店店舗に付ける楽天側の担当者で、データに基づく分析と改善提案、キャンペーンや新機能の情報提供を行う役割です。
出店費用の中に含まれるため、店舗側が追加で費用を払う必要はありません(出典:楽天市場 出店案内 公式)。楽天市場には2024年11月時点で約5万店舗以上が出店しており(出典:楽天グループ プレスリリース/2026年1月30日)、ECCはその中で複数の店舗を担当します。楽天市場全体のトレンド、ジャンル内での自店の位置づけ、これから始まるイベントの設計思想といった「楽天の内側にしかない情報」を受け取れるのが最大の価値です。
楽天ECCに任せられない4領域と、その埋め方
一方で、ECCは楽天市場の社員であり、店舗の外注先ではありません。次の4領域は構造上、依頼の対象になりません。領域ごとに埋め方が異なるため、対応まで対にして整理します。
| 任せられない領域 | なぜ対象外か | 埋め方(対応) |
|---|---|---|
| ①ページ・バナーの制作実務 | 制作代行は役割の範囲外 | 制作会社か、制作を含む楽天コンサルに委託する |
| ②RPP広告の日々の入札調整 | 店舗のRMS内での運用作業になる | 広告運用まで担う会社に任せるか、社内で週次運用を組む |
| ③自社の原価・利益を前提にした設計 | 原価は店舗の非公開情報 | 秘密保持を結び、原価から広告費上限を逆算できる相手に相談する |
| ④他モール・自社ECを含む全体戦略 | 楽天市場の担当という立場上、範囲が楽天に限られる | 複数チャネルを横断して見られる外部パートナーを置く |
この4つのうち、③の利益設計を外に出せるかどうかが、有料コンサルを入れる価値の中心になります。売上を伸ばす提案は無料でも受け取れますが、「その売上をつくるためにいくらまで使ってよいか」は自社の原価を開示しないと決まらないからです。
「楽天ECCは使えない」と言われる理由と、評価が分かれる背景
評価が割れる主因は、ECCの能力差そのものよりも期待している役割のズレにあります。
「実務を代行してくれる人」を期待していると、提案中心の関わり方は物足りなく映ります。逆に「楽天側の情報経路」と位置づけていれば、イベントの設計意図や露出枠の考え方といった、外部からは見えにくい情報を引き出せます。私たちが楽天店舗の支援に入るときも、ECCとの関係は切らずに維持し、情報の取得はECC、実行と利益設計は当社、と役割を明示的に分けるようにしています。どちらか一方を選ぶ発想をやめると、無料の資源を捨てずに済みます。
楽天コンサル・楽天運用代行・広告代理店の違い|対応範囲と費用の比較表
外部に頼むと決めた次の分岐は、「どの型の会社に頼むか」です。楽天コンサル、楽天運用代行、広告代理店は、名前は近くても巻き取る範囲が違います。
3つの型の違いを一覧で比較|どこまで実務を巻き取るか
| 比較項目 | 楽天コンサル | 楽天運用代行 | 広告代理店 |
|---|---|---|---|
| 支援の重心 | 戦略設計・KPI管理・改善方針の決定 | 商品登録・ページ更新・受注などの実務代行 | RPP広告など広告メニューの運用 |
| 実務の巻き取り | 会社により幅がある(助言のみ〜実行まで) | 広い(日次業務まで含むことが多い) | 広告に限定されることが多い |
| 費用の目安 | 月額15万円前後〜(範囲により変動) | 月額20万円以上〜 | 広告費の20%程度、または固定費+売上の3〜5% |
| 向いている状況 | 方針と優先順位が決まらない | 方針はあるが手が足りない | 広告以外は社内で回せている |
| 注意点 | 実行が自社負担になる契約もある | 戦略が薄いと作業の消化になりやすい | ページ改善が伴わないと効率が頭打ちになる |
費用の目安は、支援会社の一般的な水準として当社が現場で把握しているレンジです(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。実際にはコンサルと運用代行を明確に分けず、一体で提供する会社が多数派です。そのため会社名やサービス名の分類にこだわるより、提案書の中で「誰が・どの作業を・どの頻度で行うのか」を確認するほうが確実です。

3つの型を並べた図です。提案を受けた会社がどの列の動き方をしているかを当てはめると、見積もりの金額差がどこから来ているかを説明できるようになります。
広告運用だけを切り出して依頼するときの注意点
広告だけを外に出す設計は、短期的には分かりやすい一方で、効率が頭打ちになりやすい点に注意が必要です。
広告の効率は、広告アカウントの中の操作だけでは上がり切りません。商品ページの転換率が2倍になれば、入札を1円も触らずに広告効率も2倍になります。逆に転換率が低いままだと、入札調整でどれだけ削っても改善幅は限られます。だから私たちは、広告運用を任せる相手を選ぶときに「対応範囲に商品ページの改善が含まれるか」を必ず確認することをおすすめしています。良し悪しの判定ではなく、成果が出る条件が揃っているかの確認です。
あわせて確認したいのが、ページを編集できる権限が支援側に渡るかどうかです。改善提案が出ても、RMSの編集権限の設計上、実際に触れないという状態になれば、提案は止まったままになります。契約前に権限の所在を明確にしておいてください。
楽天コンサルの費用相場|料金体系3種と価格帯別にできること
型が決まったら、次は費用です。楽天コンサルの費用は「支援範囲 × 体制の人数」でほぼ決まります。
料金体系3種(月額固定型・成果報酬型・複合型)の違いと向くケース
| 楽天コンサルの料金体系 | 費用の形 | 向くケース | 確認すべき点 |
|---|---|---|---|
| 月額固定型 | 毎月一定額 | 予算を読みたい・作業量が安定している | 固定額の中に含まれる作業の範囲と回数 |
| 成果報酬型 | 売上の数%など | 初期の固定費を抑えたい | 成果の定義(売上か利益か)と料率の上限 |
| 複合型(固定+成果) | 固定額+成果連動 | 双方でリスクを分け合いたい | 固定部分で何が担保されるか |
実際のLINK社での契約は、固定+成果報酬を掛け合わせた複合型がほとんどです。純粋な固定額だけ、成果報酬だけという契約もありますが、少数派です。成果報酬が売上にかかる形でも、それ自体は問題になりません。「売上ベースの成果報酬は広告費が膨らんで利益を圧迫する」という一般的な注意喚起をよく見かけますが、これは広告費比率の上限を契約時にきっちり握ることで解消できます。上限を決めずに料率だけ合意することが、問題の実体です。
価格帯別にできること|月15万円台・30〜50万円台・80万円以上の目安
金額の差は、そのまま体制の人数と巻き取る作業量の差です。

下限の目安として、コンサルティングのみであれば月15万円程度から、運用まで入ると月20万円以上からになります。そしてコンサルティングと運用代行がセットになった支援の月額は、おおむね30〜50万円が中心です。さらに上の帯として、品質管理・プロジェクトマネジメント・ディレクター・広告運用者・アシスタントの4〜5名体制でフルに伴走する形になると、月80〜100万円程度が市場の相場観になります(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。
ここで見誤りやすいのが、コンサルと運用代行を合わせた30〜50万円というレンジを「運用代行だけの月額」と読んでしまうケースです。この水準はあくまでコンサルティングと運用代行がセットになった支援の額であり、作業代行だけを切り出せばもっと下がりますし、戦略設計まで含めれば上がります。見積もりを比較するときは、金額の前に含まれる範囲を揃えてから並べてください。
※ 費用の内訳をさらに細かく確認したい方は楽天の運用代行費用はいくら?相場と料金体系3種・利益が残る選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】もどうぞ。
成果報酬型で失敗しないための握り方|広告費比率の上限を先に決める
費用対効果を守る鍵は、広告予算を「月○万円」という金額ではなく、売上に対する比率で握ることです。
金額固定には二方向の失敗があります。売上が伸びている月に上限で止まると、順位が上がっている好機に追加投下できず機会を失います。逆に売上が落ちている月に予算を消化しきると、売上に対する広告費比率が跳ね上がり、赤字で売上をつくることになります。比率で握っておけば、どちらの局面でも自動的に適正な水準に寄ります。安定期の広告費比率は、当社の支援ではおおむね10〜15%が適正のイメージです(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。楽天の場合はここにポイント原資やクーポン原資も乗るため、広告費だけではなく販促費の総額で上限を決めるほうが、実態に合います。
契約書に落とすときは、「販促費の上限比率」「上限を超えそうなときの報告タイミング」「超過した翌月の戻し方」の3点をセットで書いておくと、運用中の揉め事がほぼ起きません。
「見積もりを並べても、どれが自社に合うのか判断できない」という方へ。
LINK株式会社では、貴社の原価と目標利益から逆算して、任せるべき範囲と妥当な費用水準を数値でご説明します。支援企業100社以上、売上平均上昇率420%以上の実績をもとに、無理のない体制をご提案します。
【比較】楽天コンサル会社7社の特徴と料金|公式情報ベースの一覧
費用の物差しができたところで、実在する会社を並べて見ておきます。以下はいずれも各社の公式サイトで公表されている情報のみをまとめたもので、優劣をつける趣旨ではありません。
楽天コンサル会社7社の比較表|支援範囲・特徴・料金の公開状況
| 会社(サービス) | 主な支援範囲 | 特徴(公式サイト記載) | 料金の公開状況 |
|---|---|---|---|
| LINK株式会社(楽天コンサル・運用代行) | 戦略設計・楽天SEO・RPP広告・ページ制作・新製品開発 | 元楽天ECC在籍メンバーが所属。Amazonを中心にEC支援を行い、楽天は専門担当を立てる体制。支援企業100社以上 | 非公開(無料相談で提示) |
| 株式会社いつも | ECコンサル、楽天・Amazon・Yahoo!運用、制作、物流代行、海外販売 | EC支援を総合的にカバー。契約案件数14,000件以上と公表(2026年5月時点) | 非公開(要問い合わせ) |
| コマースデザイン株式会社 | EC経営コンサルティング、EC研修、スポットコンサル | 楽天店の売上・効率の向上を中心に据えたコンサルティング。著書26,000部突破と公表 | 非公開(要問い合わせ) |
| トゥルーコンサルティング株式会社 | 撮影・商品登録・サイト制作・検索対策・広告運用・受注発注・商品開発など | 中小メーカー特化。元楽天ECC、元SOY受賞店の店長が在籍。制作実績1,000社以上と公表 | 初期費用0円・支援費用15万円〜(商材や月商規模で変動) |
| ジャグー株式会社 | 楽天・Amazon・Yahoo!・Qoo10・TikTok Shop、広告運用、制作、物流 | 戦略から物流まで一気通貫の支援体制を掲げる | 非公開(要問い合わせ) |
| 株式会社ピュアフラット | 楽天・Amazon・Yahoo!・Qoo10のコンサル/運営代行、集客・広告運用 | 元楽天市場出身の担当者が中心。契約後の売上アップ率は平均372%と公表 | 非公開(要問い合わせ) |
| Finner株式会社 | 楽天・Amazon・Qoo10・Yahoo!の運営サポート、CRM支援 | 元楽天社員の代表が創業。12指標の定量分析を軸にした支援を掲げる | STARTER 15万円〜/STANDARD 35万円〜/PREMIUM 50万円〜(初期費用なし) |
掲載内容は2026年7月時点で各社の公式サイトに掲載されている情報に基づきます。料金を公開している会社でも、金額は支援範囲・商材・月商規模で変動します。たとえばFinner社はプラン別の月額と「初期費用はいただいておりません」を公表したうえで、契約期間について「最低契約期間はトライアルでの単月〜」としつつ、成果が見えてくるのが3ヶ月程度であることから基本は3ヶ月契約、推奨は6〜12ヶ月と案内しています。料金や支援範囲は改定されるため、実際の検討時は必ず各社の最新の公式案内と見積もりで確認してください。
比較表の見方|「元楽天出身」の中身を確認する
表を見ると分かるとおり、楽天支援の会社の多くが「元楽天出身」を打ち出しています。ここで一段掘り下げるのが、比較の精度を上げる近道です。
同じ会社の出身でも、在籍していた部署によって身についている能力は大きく変わります。私自身はAmazon Japan出身ですが、Amazon社内でも、卸売機能を担う部署にいた人と、出品者向けの有料コンサルティングを担当していた人とでは、販売ノウハウや検索ロジックへの理解に差が出ます。楽天も同じで、「元楽天」の中には、店舗を担当していたECC、広告営業、ジャンル担当、コーポレート職まで幅があります。肩書きだけで判断せず、「担当していたのはどのジャンルで、何店舗を、どの規模帯で見ていたのか」まで聞いてください。
もう一点、私が重視しているのは事業者としての目線があるかです。売上だけでなく、PL上の利益がどれだけ残るのか、セールを打ちすぎてブランドイメージが毀損しないか、在庫リスクをどう見るか。こうした論点を一緒に考えられる相手かどうかは、経歴の肩書きよりも成果に効きます。これは自社の立場からの見方でもあるので、あくまで発注者が確認すべき観点の一つとして受け取ってください。
楽天コンサル会社の選び方7軸|契約前に確認できる質問リスト
各社の情報が並んだら、最後は自社に合うかどうかの見極めです。ポイントは、契約後にしか分からない要素ではなく、契約前に検証できる項目だけで判断することです。
選び方7軸の一覧|何を、どう確認するか
| 軸 | 確認する内容 | そのまま使える質問 |
|---|---|---|
| ①担当者 | 営業担当と実務担当が同一人物か | 「実際に運用を担当する方の経歴と、担当社数を教えてください」 |
| ②体制 | 何名体制で、品質管理者が入るか | 「何名体制ですか。品質を確認する立場の方は関与しますか」 |
| ③支援範囲 | ページ改善まで含むか、助言のみか | 「ページ制作と広告運用は、どちらが手を動かしますか」 |
| ④楽天の実績 | 同ジャンル・同規模の支援経験 | 「当社と近いジャンル・月商帯の支援事例を教えてください」 |
| ⑤利益視点 | 売上だけでなく利益まで設計するか | 「販促費の上限比率は、どう決めて運用しますか」 |
| ⑥権限と運用 | RMSの権限設計と作業の頻度 | 「RMSの権限はどこまで必要ですか。更新頻度はどの程度ですか」 |
| ⑦契約条件 | 期間・解約予告・データの引き継ぎ | 「解約時、制作物とデータの扱いはどうなりますか」 |
7軸すべてが満点の会社はまず存在しません。自社が第1章の診断で「欠けている」と判定した条件に直結する軸から順に重み付けするのが、現実的な使い方です。実行リソースが課題なら③と②、利益が課題なら⑤と①、というように優先順を変えてください。

7軸を1枚にまとめた図です。商談の前に印刷して手元に置き、回答が曖昧だった軸に印をつけていくと、複数社を並べたときの差が可視化されます。
特に外せない3軸|担当者・体制・利益視点の確かめ方
7軸のうち、聞かずに発注すると後戻りが大きいのが①②⑤の3つです。順に補足します。
①担当者について。営業担当と実務担当が全く別人というのは、非常によくあるパターンです。営業には社内でも優秀な人材が配置されることが多く、その人の説明に納得して発注したのに、運用が始まったら経験の浅い担当がつく、という食い違いが起きます。ここを質問して濁されたら要注意です。発注者にとって最大の損失は、大きなトラブルよりも「思ったように売上が上がらないまま3〜4か月を無駄にする」ことだからです。楽天を任せるなら、楽天を専門に見る担当がつくかどうかも合わせて確認してください。
②体制について。個人1名の体制か、チームかで、対応スピードとリスクが変わります。フリーランスは複数社を掛け持ちしていることが多く、能力の高い人ほど案件を抱えて対応が遅くなりがちです。私が理想と考えるのは3名体制で、品質管理者、フロントに立つディレクター、実務を担うアシスタントが揃う形です。当社でも、パートナー・PM・実行担当の最低3名体制で支援に入り、案件規模が大きい場合はディレクターや広告運用者、アシスタントを加えた体制に広げています。もちろん体制が厚くなるほど費用も上がるので、費用とのバランスで判断してください。
⑤利益視点について。確認方法はシンプルで、「販促費の上限をどう決めるか」を聞くだけで十分です。金額で答える相手より、売上に対する比率と、その根拠となる原価の考え方まで踏み込んでくる相手のほうが、利益設計を前提に運用してくれます。
言葉だけでは伝わりにくい支援の中身は、短い動画でも紹介しています。運用代行やコンサルに何をどこまで任せられるのか、距離感をつかむ参考にしてください。
※ 貴社の状況に合わせた進め方は、後述の無料相談にて個別にお答えします。
楽天特有の5論点|RPP広告・楽天SEO・イベント設計・RMS運用・SOYで見るべきポイント
選び方の軸は他のモールと共通する部分もありますが、楽天には楽天固有の論点があります。提案を受けるときに、この5点にどう答えるかを見ると、楽天の実務経験の深さが分かります。
RPP広告|金額ではなく比率で運用する設計になっているか
RPP広告は、楽天市場の検索結果に表示されるクリック課金型の広告メニューです。上限のクリック単価を設定し、その範囲で配信されます。
提案を受けるときに見るのは、予算を金額で固定していないかです。前章で触れたとおり、金額固定は伸びている月に機会を逃し、落ちている月に比率を悪化させます。「売上に対して何%まで」という握り方をしたうえで、その中で入札とキーワードを調整する設計になっているかを確認してください。最低出稿金額や入札の下限といった条件は改定されることがあるため、実際の設定条件はRMSの管理画面と楽天の公式案内で最新の内容を確認しましょう。
楽天SEOとサムネイル|Amazonとの用語と評価の違いを押さえる
楽天の検索対策は、Amazonの検索対策と同じ言葉で語れません。用語からして違います。
たとえばAmazonで「メイン画像」と呼ぶ1枚目の画像は、楽天では「サムネイル」と呼び、設置場所も表示のされ方も異なります。テキストを載せられる範囲のルールも同じではありません。両モールを1社に任せる場合、この違いを書き分けられるかどうかは、実務経験を測る簡単なチェックになります。提案書の中でAmazonの用語がそのまま楽天の説明に使われていたら、一度確認したほうがよいでしょう。
イベント設計|楽天の売上変動はセール・ポイント施策が主因になりやすい
ここが、楽天とAmazonで運用の考え方が最も分かれる部分です。
支援現場での実感として、Amazonは検索起点のため、天候や季節など外部要因による顕在ニーズの総量に売上が連動しやすいのに対し、楽天はセールやポイント施策が起点になる比率が高く、モール側の施策カレンダーが売上変動の主因になりやすい傾向があります。したがって楽天の月次報告で「今月は外部要因で落ちました」と説明されたら、イベントへのエントリー状況、クーポンとポイントの設計、在庫の準備がどうだったかまで踏み込んで見る必要があります。
この違いは、複数モールを1社に任せるかどうかの判断にも効きます。当社の場合、Amazonをご支援している中で楽天も任せていただけるのは30%くらいで、基本的には1社が対応できるなら全モールを1社にまとめるほうが効率的だと考えています。ただしモールごとに変動要因が違うため、特定のモールだけ伸び悩む場合があります。だから楽天を含めるときは楽天専門の担当を立て、変動の説明もモール別に分けて行う体制にしています。
※ 複数モールをまとめて任せるかで迷っている方はECモール運用代行を比較|Amazon・楽天・Yahoo!のモール別の違いと費用・選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】もあわせてご覧ください。
RMS運用とSOY|権限の扱いと、受賞を目標に置くべきかの判断
最後の2点は、契約実務と目標設定に関わります。
RMSの権限は、支援会社に何を渡すかを契約前に決めておきます。ページ改善まで任せるなら編集権限が必要ですが、受注や顧客情報に関わる範囲まで広げる必要があるかは別問題です。作業に必要な最小限の権限を、担当者単位で付与するのが原則です。出店規約を守る責任は店舗側にあるため、権限を渡したあとも、施策の内容を把握できる報告の形にしておいてください。
SOY(楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー)は、楽天市場に出店する約5万店舗以上(2024年11月時点)の中から、年間のベストショップを選ぶ表彰制度です。選定は、お客様による投票数、当該年度の売上、売上の成長率、注文件数、お客様対応などから総合的に行われます(出典:楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー 公式サイト)。2025年の表彰では、総合賞10店舗、ジャンル賞124店舗(42ジャンル)、サービス賞19店舗、特別賞12店舗の計165店舗が選出されました。この165という数は、同一店舗が複数の賞を受賞した重複を含む延べ店舗数で、「ふるさと納税賞」を受賞した3自治体も店舗として数えられています(出典:楽天グループ プレスリリース/2026年1月30日)。
受賞は認知と信頼の面で効果がありますが、投票数や顧客対応まで含めた総合評価であるため、受賞そのものをKPIに据えると打ち手が広がりすぎます。狙うなら、まず売上と成長率という自力で動かせる指標を主目標に置き、受賞は結果として取りにいく順序が現実的です。支援会社の実績を見るときも、SOY受賞の有無だけでなく、どのジャンルで、どの規模帯の店舗を、何をして伸ばしたのかまで確認してください。
依頼から支援開始までの流れ|5ステップと事前に準備するもの
比較と確認が済んだら、実際の発注です。一般的には次の5ステップで進みます。
- 問い合わせ・初回ヒアリング:現状の月商、扱いジャンル、社内体制、困っている工程を共有します。
- 現状分析:アクセス人数・転換率・客単価の推移、広告の消化状況、ページの状態を確認します。秘密保持契約を結んだうえで原価を共有すると、利益前提の提案になります。
- 提案・見積もり:支援範囲、体制、月額、期間が提示されます。ここで選び方7軸の質問を当てます。
- 契約・権限設定:契約期間、解約予告、成果物とデータの扱い、RMSの権限範囲を確定します。
- 支援開始・定例:初月は現状把握と優先順位づけ、2か月目以降に改善施策が本格化するのが一般的な立ち上がり方です。
準備しておくと初動が速いのは、直近12か月の月別売上・アクセス人数・転換率、広告費の実績、主力商品の原価の3点です。これらが揃っていれば、初回の提案から具体的な数値目標に踏み込めます。逆に数字が出せない状態だと、最初の1か月がデータ整備で終わってしまい、成果の立ち上がりがそのぶん遅れます。
あわせて社内側の受け皿も決めておきます。誰が窓口になり、どの頻度で確認し、誰が最終判断をするか。外部に任せても、意思決定の速度は自社側で決まります。ここが曖昧なままだと、支援会社の稼働は上がっても施策が承認されず止まる、という状態になりがちです。
楽天コンサルに関するよくある質問
楽天コンサルの検討時によくいただく質問をまとめました。
- 楽天ECCがいるのに、有料の楽天コンサルを入れる意味はありますか?
実行リソースと利益設計を外に出せる点に意味があります。楽天ECCは出店費用に含まれる楽天側の担当者で、データ分析と改善提案、イベントや新機能の情報提供を行います。一方で、ページ制作や広告の日々の入札調整といった実務、自社の原価を前提にした利益設計は役割の範囲外です。
そのため「提案は届くが着手できていない」「売上は追えるが利益の実数が出せない」という状態であれば、外部コンサルを入れる価値があります。逆に社内で実務を回せていて利益も管理できているなら、ECCとの定例の質を上げるほうが費用対効果は高くなります。
- 楽天コンサルの費用相場はいくらですか?
コンサルティングのみなら月15万円程度から、運用まで入ると月20万円以上からが下限の目安です。コンサルティングと運用代行がセットになった支援では、おおむね月30〜50万円が中心になります。品質管理・PM・ディレクター・広告運用者・アシスタントの4〜5名体制でフルに伴走する形になると、月80〜100万円程度が相場観です。
金額の差は支援範囲と体制の人数の差です。見積もりを比較するときは、金額を並べる前に「含まれる作業の範囲と頻度」を揃えてください(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。
- 外部の楽天コンサルを使うと、楽天の規約違反になりませんか?
外部の支援会社を使うこと自体が一律に禁止されているわけではありません。ただしRMSのアクセス権限の管理や出店規約の遵守責任は店舗側にあります。支援会社が行った施策であっても、責任は店舗に及びます。
そのため、権限は必要な範囲に絞って付与し、実施した施策を店舗側が把握できる報告の形にしておくことが重要です。規約の最新の内容と、権限付与の可否については楽天の公式案内とRMSの管理画面で確認してください。
- 成果報酬型と月額固定型は、どちらを選ぶべきですか?
どちらが正解ということはなく、販促費の上限を握れているかで安全性が決まります。実際のLINK社での契約は、固定+成果報酬を掛け合わせた複合型がほとんどです。純粋な固定額だけ、成果報酬だけという契約もありますが少数派です。
成果報酬が売上にかかる形でも、広告費やポイント原資を含む販促費の上限比率を契約時に決めておけば、利益が圧迫される事態は避けられます。料率だけを合意して上限を決めないことが、失敗の実体です。
- 「元楽天出身」の会社を選べば間違いありませんか?
肩書きだけでは判断できないため、在籍していた部署と担当していた領域まで確認してください。同じ楽天出身でも、店舗を担当していたECC、広告営業、ジャンル担当、コーポレート職では、身についている知見が異なります。
「担当していたのはどのジャンルか」「何店舗を、どの月商規模帯で見ていたのか」「その経験を自社にどう当てはめるのか」まで質問すると、実務の深さが見えます。
- Amazonと楽天を同じ会社にまとめて任せてよいですか?
1社が両方に対応できるなら、まとめたほうが効率的です。在庫、原価、販促費の配分を横断して設計でき、報告も一本化できます。当社でもAmazonの支援先から楽天もお任せいただくケースがあります。
ただし、モールによって売上変動の主因が異なるため、特定のモールだけ伸び悩むこともあります。まとめる場合は「楽天を専門に見る担当がつくか」「報告をモール別に分けてもらえるか」を確認しておくと安心です。
- 最初から全部を任せるべきですか?段階的に広げられますか?
詰まっている工程を1つ特定し、そこから始めるのが安全です。まず現状分析や戦略立案だけを依頼し、提案の質と相性を確認してから、ページ制作や広告運用へ範囲を広げる進め方であれば、固定費を先に抱えずに済みます。
この進め方を取る場合は、契約時に「支援範囲を後から変更できるか」「その際の費用がどう変わるか」を確認しておいてください。
- 支援を始めてから成果が出るまで、どのくらいかかりますか?
初月は現状把握と優先順位づけに充て、2か月目以降に改善施策が本格化するのが一般的な立ち上がり方です。ページ改善や広告の調整は、実施してから数字に反映されるまでに時間差があります。
そのため、契約前に「3か月時点で何を確認するか」を合意しておくことをおすすめします。売上そのものだけでなく、アクセス人数・転換率・客単価のどれが動いたかで評価すると、施策の当たり外れを早く判断できます。
まとめ:楽天コンサルとECCの使い分けで、利益が残る楽天運用にする
楽天コンサルの検討は、「自社は楽天ECCで足りるのかを診断する → 足りないなら詰まっている工程を特定する → 費用と体制を揃えて比較する → 契約前に7軸で確認する」という順序で進めると、迷いが減ります。
楽天ECCは出店費用に含まれる資源であり、外部コンサルを入れても使い続けられます。二者択一で考えるのではなく、情報の取得はECC、実行と利益設計は外部という役割分担を先に決めることが、費用対効果を最大化する近道です。
この記事のまとめ
- 楽天コンサルの要否は「実行リソース・利益設計・再現性」の3条件で判定する。売上規模では決まらない。
- 楽天ECCは出店費用に含まれる楽天側の担当者。データ分析と提案は担うが、制作実務・広告の日々の運用・自社原価前提の利益設計は範囲外。
- 費用はコンサルのみ月15万円程度から、コンサル+運用代行セットは月30〜50万円が中心。金額の差は体制の人数と作業量の差。
- 広告予算は金額ではなく、売上に対する比率で握る。楽天はポイント・クーポン原資を含めた販促費の上限で管理する。
- 会社選びは契約前に検証できる7軸で行い、特に担当者・体制・利益視点の3つは必ず質問する。
楽天の売上を、利益が残る形で伸ばしたい方へ
LINK株式会社が、楽天の売上構造・RPP広告・商品ページ・イベント設計を確認し、任せるべき範囲と改善の優先順位を整理します。元楽天ECC在籍メンバーが所属し、楽天は専門担当と品質管理者が入る体制でご支援します。
- 参照した一次情報・公式情報
- 楽天市場 出店案内「ECコンサルタント」(ECCの役割・支援内容)
- 楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー 公式サイト(選定基準)
- 楽天グループ プレスリリース「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2025」を発表(2026年1月30日/出店店舗数・受賞店舗数)
- Finner株式会社 ECモール運営サポート(料金プラン・初期費用・契約期間)
- 株式会社ピュアフラット 公式サイト(支援対象モール・実績)
- トゥルーコンサルティング株式会社 楽天市場支援(料金・支援範囲)
- 各社公式サイト(株式会社いつも、コマースデザイン株式会社、ジャグー株式会社)/2026年7月時点
- LINK株式会社 支援実績データ(100社以上)
- 記事監修
- 公開日:2026年6月26日 / 最終更新日:2026年7月20日
- 監修者:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan・元リクルート)
- 楽天市場に関する記述は、当社に在籍する元楽天ECCの楽天専門担当が内容を確認しています。
- 本記事は楽天市場・楽天グループの公式情報、各社の公式サイト、およびLINK株式会社の支援実績(100社以上)データを基に作成しました。
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