Amazon転売通報の窓口4つと違反別の通報文テンプレート。公式が対応できない申告4類型も元Amazon出身者が解説。
「自社商品に相乗りされ、カートも商品ページも自分の手から離れた……」
「規約違反だと思って通報したのに、Amazonは何も動いてくれなかった……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazonで転売を通報する4つの窓口と、通らない申告の見分け方を解説します。自社商品に相乗りされ、高額転売や無在庫転売に悩むというご相談を、この数年で何度も受けてきました。多くの場合、詰まっているのは手順ではなく、どの違反としてどの窓口に出すかの判断です。本記事は、Amazon公式のポリシーと、公式が「対応できない」と明記した案件を突き合わせた実践ガイドです。読み終えるころには、目の前の出品を通報すべきか、別の手を打つべきかを判断できるはずです。
この記事のまとめ
- 通報の窓口は4つ。立場と違反の種類で使い分けます。
- 高額転売の基準は希望小売価格ではなく、Amazon内外での最近の販売価格です。
- 独占販売権の違反やJANコードの無断使用は、Amazonが「対応できない」と明記しています。
- 根拠の弱い申告は承認率を下げ、権利者が自分で削除できる制度への到達を遠ざけます。
- 通報は対症療法です。ブランド登録から保護制度へ進む順番を作ります。
まずは、通報の窓口が4つあることと、それぞれで何が扱えるのかから見ていきます。
Amazonで転売を通報する4つの窓口と、違反タイプ別の使い分け

Amazonの通報窓口は4つあり、使える立場と扱える違反が窓口ごとに違います。
窓口を間違えると、内容が正しくても処理されません。いま起きていることから、使う窓口を引いてください。
| 見つけた違反 | 通報する窓口 | 使える立場 |
|---|---|---|
| 最近の販売価格より著しく高い値段で売られている | 商品ページの報告フォーム | Amazonアカウントを持つ人 |
| 在庫を持たずに売っている疑いがある | セラーセントラル | 出品者 |
| 中古品が「新品」として売られている | セラーセントラル | 出品者 |
| 法令違反や安全性に問題がありそう | 法令違反・安全性の報告窓口(メール) | 誰でも |
| 商標権や著作権を侵害されている | 権利侵害の申告フォーム | 権利者と、その代理人 |
通報の根拠になるAmazonの3つのポリシー
転売そのものは禁止されていないため、通報は「どのポリシーに違反しているか」で組み立てます。
実務で使う根拠は、次の3つにほぼ集約されます。法律違反より立証しやすく、証拠も示しやすいためです。
- 適正な価格設定に関するポリシー:購入者の信頼を損なう価格設定を禁じるルールです。
- ドロップシッピングポリシー:在庫を持たない販売の条件を定めたルールです。
- コンディションガイドライン:新品や中古など、商品状態の表示基準です。
それぞれ、次の項から実際の使い方を見ていきます。
商品ページから報告する(高額転売はここが最短)
高額転売は、商品ページの報告フォームから通報するのが最短です。
PC版の商品ページを下へたどると、「この商品に関する問題を報告する」というリンクがあります。ここから報告画面が開きます。なお、レポートの送信にはAmazonアカウントへのログインが必要です。匿名のまま送れる窓口ではない点に注意してください。
ここで多くの記事が取り違えているのが、高額転売の判定基準です。基準は希望小売価格ではありません。判定の根拠はAmazonの適正な価格設定に関するポリシーです(出典:Amazonセラーセントラル公式)。同ポリシーが挙げる例のひとつが、「Amazonまたはamazon以外での最近の販売価格よりも著しく高い価格」です。つまり示すべきは、定価との差ではなく直近の実売価格との差です。
違反と判断された場合、Amazonはおすすめ出品の削除や出品の取り下げなどの措置を取るとしています。繰り返される場合は出品権限の停止や取り消しに及ぶこともあります。
法令違反や安全性の疑いはメールで報告する
法令違反や安全性に関わる商品には、Amazonが専用のメール窓口を用意しています。
「不安全、不快又は法令違反の恐れがある商品の報告」という公式ページに、送付先と必要な情報が明記されています。送るのは商品名、商品ページのURL、恐れがあると思われる内容の詳細の3点です(出典:Amazon公式ヘルプ)。知的財産権の侵害はこの窓口では扱われず、別のフォームへ回されます。
この窓口は公式ページとして公開されているにもかかわらず、解説記事ではほとんど触れられていません。無許可の中古転売や、安全基準を満たさない並行輸入品を見つけたときの選択肢として覚えておいてください。
セラーセントラルから報告する(出品者の立場)
自社が出品者であれば、セラーセントラルからポリシー違反を報告できます。
この窓口の要点は、感情ではなく構造で書くことです。どのポリシーの、どの条項に、どの事実が当たるのかを並べます。「悪質だ」「困っている」といった記述は判断材料になりません。違反したポリシー名を明示し、事実と証拠を添える形が基本です。
知的財産権の侵害を申告する(権利者と代理人だけ)
最も強い手段は権利侵害の申告ですが、使えるのは権利者本人と、その代理人だけです。
Amazonは知的財産権侵害の申告用に専用のオンラインフォームを公開しています。Amazonブランド登録(自社ブランドを保護するAmazonの公式制度)に登録していれば、管理画面からも申告できます。登録の条件は後述します。
ただし「転売されているから」という理由だけでは申告は通りません。権利者であることの証明と、侵害の具体的な根拠が前提になります。
無在庫転売はテスト購入1個で見分けられる
無在庫転売は、届いた荷物を見れば違反かどうかを判定できます。
Amazonのドロップシッピングポリシーは、第三者が出品者に代わって発送すること自体は禁じていません。禁じているのは「出品者が記録上の出品者であることが購入者に明確でない」状態です。納品書や請求書、外部パッケージに出品者以外の名前や連絡先があれば違反です(出典:Amazonセラーセントラル公式)。
ポリシーは、第三者の物流を使う場合の条件も定めています。第三者を特定する情報をすべて取り除くこと、購入者返品の受付と実施に責任を負うことなどです。つまり自社商品を1個テスト購入し、同梱物の差出人名を確認するだけで判定できます。
違反時の措置は「出品者出荷を使用した出品が制限される可能性」とされています。出品そのものが即座に消えるわけではない点は、期待値として押さえておきましょう。
「新品」として出品できない商品にあたらないかを確認する
転売品が「新品」で並んでいるなら、コンディションガイドラインが使える場合があります。
Amazonは「新品」として出品できない商品を明示しています(出典:Amazonセラーセントラル公式)。個人(個人事業主を除く)から仕入れられた商品は、そのひとつです。メーカー保証がある商品にも条件があります。購入者が正規販売代理店から買った場合と同等の保証を得られないなら、「新品」では出品できません。プロモーション品やプライズ品、おまけも同様です。
この規定は、正規のルート外で仕入れた在庫を「新品」として売る出品に直接効きます。同ガイドラインは、複製品や偽造品、レプリカ、模造品の出品そのものも禁じています。順守が確認できない場合は出品を削除することもある、と明記されています。
ただし仕入れ経路は外からは見えません。実務で確認できるのは、商品ページに書かれた保証の扱いと、テスト購入で届いた商品の状態です。ここに食い違いがあれば、報告の材料になります。
どの窓口に、どの根拠で出すかで迷っていませんか。
LINK株式会社では、相乗り出品の状況を確認し、通報の根拠になるポリシーと証拠の揃え方を整理します。無料相談では、いま通報すべきか別の手を打つべきかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームです(売上向上実績100社以上※お客様実績に基づく参考値)。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
Amazonが「対応できない」と明記している4つの申告

通報が空振りする原因の多くは、Amazonがそもそも扱わない案件を送っていることです。
Amazonは知的財産権侵害の申し立てに関する公式ページで、対応できない案件を明記しています。ここに当たるなら、通報を繰り返しても状況は変わりません。別の手に切り替える判断が必要です。
権利者本人か、その代理人でなければ受け付けられない
知的財産権の申告は、権利者かその代理人以外からは処理されません。
Amazonは公式ヘルプにこう記載しています。「知的財産権の所有者またはその代理人でない場合は、このフォームを介して申し立てを処理することはできません」。販売代理店や卸売業者の立場では、この窓口は使えません。権利者であるメーカー側から申告してもらう必要があります。
「正規代理店以外は売るな」はAmazonでは解決しない
流通のコントロールは、Amazonの通報では実現できません。
Amazonは同じ公式ヘルプで、流通規制についても線を引いています(出典:Amazon公式ヘルプ)。「これらの方針および規制は、製造業者と各々の出品者間に係る問題」だという記載です。そのうえで「当事者間で直接協議いただきますよう」と案内しています。出品者の仕入れ経路を確認できないため、Amazonは判断しないという立場です。
ここは相乗り対策で最も誤解が多い点です。販売ルートを縛りたいなら、通報ではなく卸契約の側で手当てします。再販条件や販売先の限定を契約条項として持つことが、実質的な打ち手になります。
JANやEANなどの商品コードは知的財産権を保護しない
「自社のJANコードを勝手に使われた」は、権利侵害の根拠になりません。
AmazonはJAN・UPC・ISBN・EAN・バーコードなどについて、こう明記しています。「これらコードは、知的財産権を保護しているものではないのでご留意ください」(出典:Amazon公式ヘルプ)。商品コードは価格や在庫の情報を格納する識別子であり、権利ではないという整理です。
商品ページは「作った側のもの」にはならない
自社で作った商品ページでも、所有権を主張して相乗りを止めることはできません。
Amazonは商品詳細ページを出品者間で共有する仕組みを採っています。公式ページの記載はこうです。「商品詳細ページは、ページ作成者の出品在庫が売り切れた場合でも、恒久的にAmazon.co.jpに残ります」。さらに、アップロードした自社の画像についても記載があります(出典:Amazon公式ヘルプ)。Amazonに非独占的かつ取り消し不可能な利用権を付与することになる、という内容です。
4つのうちどれかに当たるなら、通報は打ち手になりません。卸契約、商標の取得、後述するブランド保護制度のいずれかへ切り替えてください。
通報が通るかどうかを分ける証拠と、通報文の書き方
扱われる案件であれば、次に結果を分けるのは証拠の質です。
違反の種類ごとに、根拠になるポリシーと集めるべき証拠は決まっています。ここを揃えずに送ると、内容が正しくても差し戻されます。
| 違反の種類 | 根拠になるポリシー | 集める証拠 |
|---|---|---|
| 高額転売 | 適正な価格設定に関するポリシー | 出品価格の画面記録、同一商品の最近の販売価格 |
| 無在庫転売 | ドロップシッピングポリシー | テスト購入した商品の納品書、外部パッケージ、送り状 |
| 中古品を新品として販売 | コンディションガイドライン | 届いた商品の状態がわかる写真、出品時のコンディション表示 |
| 偽造品の販売 | 知的財産権に関する方針 | 正規品との比較写真、権利者である証明 |
| 商品ページの無断改変 | 知的財産権に関する方針 | 改変前後のページの記録、権利者である証明 |
テスト購入で確認するのは差出人と同梱物
テスト購入は、Amazon自身が推奨している確認方法です。
Amazonはブランド保護制度の説明ページで、模倣品の疑いがある出品への対応を案内しています。「テスト購入を実施して違反を確認することをお勧めします」という記載です(出典:Amazon出品サービス公式)。1個買うだけで、推測でしかなかった疑いが事実に変わります。
見るのは3点です。納品書や請求書の差出人、外部パッケージの表示、商品そのものの状態。前の2つはドロップシッピングポリシーの判定条件そのものなので、写真を撮っておけばそのまま証拠になります。
違反タイプ別の通報文テンプレート5つ
通報文に必要なのは、ポリシー名、事実、証拠の3点だけです。
背景説明や被害の訴えは足しません。判断に使える事実だけを並べます。【 】の中を、自社で確認した事実に置き換えればそのまま送れる形にしました。
そのまま貼り付けず、【 】は必ず自社で確認した事実に置き換えてください。埋まらない項目を残したまま送ると、承認率を下げるだけです。とくに⑤は、商標登録番号と具体的な侵害内容が揃ってから出します。
⑤で「転売されている」しか書けないなら、それは通報の段階ではありません。前章の4類型に当たらないかを先に確認してください。
申告してから、どのくらいで動くのか
対応までの日数は、Amazonが公表していません。
そのため「何日で消える」という目安を持たないほうが安全です。代わりに、一度で通らない前提で動線を用意しておきます。私たちが出品規制の解除申請を代行するときも同じで、要点はテクニカルサポートと根気よくやり取りを重ねることにあります。裏技的な手法はなく、書類の不備や却下に対して正規の申請を積み上げ直すのが正攻法です。
権利侵害の申告も同じ構えで臨みます。却下されたら、何が足りなかったのかを確認し、証拠を足して出し直します。やみくもに再送するのではなく、1件ずつ精度を上げてください。その理由は次の章で説明します。
証拠は集めたのに、申告が通らず止まっていませんか。
LINK株式会社では、商品ページ、広告、カタログを横断して状況を確認します。無料相談では、申告の精度を上げる進め方と、並行して打つべき対策の順番を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームです(売上向上実績100社以上※お客様実績に基づく参考値)。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
通報する側が負うリスクと、承認率という見えない資産

根拠の弱い通報を繰り返すと、次に使えるはずだった手段を自分で遠ざけます。
通報のリスクは、報復やトラブルだけではありません。Amazonの制度設計そのものに、申告の質を測る仕組みが組み込まれています。
根拠の弱い申告は、次の武器への資格を削る
権利侵害報告の承認率は、上位の保護制度に進むための条件になっています。
Project Zero(権利者が模倣品の出品を自分で削除できる制度)には、明示された資格要件があります。「過去6か月以内に権利侵害報告ツールを使用した際の承認率が90%以上であること」です。あわせて、Amazonのポリシーに従って報告ツールを使用した履歴も求められます(出典:Amazon出品サービス公式)。
Amazonは公式FAQでこうも書いています。「まだ利用資格がない場合でも、引き続き権利侵害の報告をご利用ください。すべての基準を満たした時点で、自動的に登録するよう招待されます」。つまり日々の通報は、単発の削除依頼ではありません。精度の高い申告を積み上げること自体が、削除権限を手に入れる過程になっています。
逆に言えば、当たるかどうかわからない申告を数打つと承認率が下がります。削除権限が遠のき、手作業の通報しか手段が残らない状態に自分を追い込むことになります。
正規の卸先や並行輸入品を巻き込むリスク
相乗り出品のすべてが、無関係の転売業者とは限りません。
自社の卸先から流れた在庫や、正規品の並行輸入が混じっていることがあります。これを一律に通報すると、根拠がないため空振りします。それだけでなく、取引先との関係を損ないます。出品者名を控え、自社の販売先リストと突き合わせてから動いてください。
通報したことは相手に伝わるのか
権利侵害の申告では、削除に関係する出品者へ通知が届きます。
AmazonはProject Zeroの説明で、削除時の通知に触れています(出典:Amazon出品サービス公式)。「Amazonストアから模倣品を削除すると、その削除に関係する各出品者に苦情の通知が送信されます」。匿名のまま黙って消せる仕組みではありません。相手が誰か、どう反応しうるかを想定したうえで判断してください。
報復として悪意のあるレビューや嫌がらせが起こる可能性もあります。事実に基づく申告に絞ること自体が、そのまま防御にもなります。
削除しても、また別の出品者に乗られる理由
相乗り出品は違反ではなく、Amazonの設計そのものだからです。
1つの商品ページ(ASIN。Amazonが商品ごとに割り当てる識別番号)に複数の出品者が並ぶことは、仕組みとして許容されています。実際、同じページに複数の出品を並べる運用は自社だけでも再現できます。私たちも、FBA在庫が切れる場面に備えて自社出荷の出品を併走させる設計を採ることがあります。相乗りは塞ぐ対象ではなく、前提として扱う対象です。
個別の出品を消しても、根拠がなければ次の出品者は止まりません。だからこそ通報と並行して、乗られても損をしにくい状態を作る必要があります。
※カートを失うと売上がどう動くかから確認したい方はAmazonカート取得率を上げる9つの条件と奪還ステップ【2026年最新版・元Amazon出身者監修】もどうぞ。
転売が違法になる3つのケースと、通報での使いどころ
Amazonでの転売は、原則として違法ではありません。
正規に仕入れた商品を再販する行為は、法律でも規約でも禁じられていません。違法になるのは、転売に別の違法要素が加わったときだけです。代表的なのは次の3つです。
| 転売の形 | 関わる法律 | 申告側が示す必要があるもの |
|---|---|---|
| 許可なく中古品を繰り返し売る | 古物営業法 | 繰り返し売っている事実と、許可がないこと |
| 個人使用と偽って輸入した商品を売る | 関税法 | 輸入の実態と、繰り返し売っている事実 |
| 偽ブランド品を売る | 商標法、刑法 | 権利者であること、正規品との違い |
たとえば古物営業法は、許可を受けずに営業した者への罰則を定めています。3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です(出典:古物営業法第31条 / e-Gov法令検索)。なお、刑法の改正により懲役と禁錮は拘禁刑へ一本化されています。古い表記のまま解説している記事が多いため、引用する際は注意してください。
ただし3つとも、立証の負担は申告する側にあります。反復して売っている事実や仕入れ経路を、外部から示すのは容易ではありません。実務では、まずポリシー違反として申告するほうが現実的です。
違法性が明確で、かつAmazonの手続きでは解決しない4類型に当たる場合は、弁護士への相談が選択肢になります。とくに流通のコントロールや契約違反の追及は、Amazonの窓口では扱われない領域です。
違法性の判断と、通報で扱える範囲の線引きに迷っていませんか。
LINK株式会社では、Amazonの手続きで解決する範囲と、契約や商標で手当てする範囲を切り分けてご説明します。無料相談では、貴社の状況に合う順番の考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームです(売上向上実績100社以上※お客様実績に基づく参考値)。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
通報の次に打つ手となるAmazon公式のブランド保護3制度

Amazonのブランド保護制度は並列ではなく、進む順番があります。
ブランド登録を土台に、申告の実績を積むと上位の制度に届きます。自社がどの段にいるかを先に確認してください。
第1段:ブランド登録で申告できる状態を作る
出発点はAmazonブランド登録です。
登録すると、ブランド所有者と関連づけられた出品者だけが商品詳細ページを作成、更新できるようになります。権利侵害の報告も管理画面から提出でき、報告のたびに自動の保護機能が強化されます(出典:Amazon出品サービス公式)。要件は保留中または登録済みの商標を持っていることで、出品の有無は問われません。
商標がまだない場合は、ここが最初の関門になります。なお、ブランド未登録でも商品ページに動画を設定すること自体はできますが、設定できるASIN数には制限があります。カタログの作り込みという意味でも、登録は早いほうが有利です。
※商標の要件や費用、期間から確認したい方はAmazonブランド登録の費用と期間は?申請3ステップまで解説【2026年最新版・元Amazon出身者監修】もどうぞ。
第2段:Transparencyで1点ごとに真贋を確認する
Transparency(商品1点ごとに固有コードを付けて真贋を確かめる制度)は、模倣品の流入を止める仕組みです。
参加要件は4つあり、いずれも満たす必要があります(出典:Amazon出品サービス公式)。
- ブランド登録で権利所有者の役割を持つこと
- 有効な登録商標を保有すること
- 各商品の商品コード(GTIN)を保有すること
- 製造するすべての商品にコードを追加できること
4つ目が実務上の分かれ目になります。製造工程にコード付与を組み込めるかどうかで、導入可否がほぼ決まります。
費用はコードに対して発生し、数量に応じた割引があるとされています。登録時の手数料や月額費用、注文ごとの最低数量はありません。ただしコード1枚あたりの単価は公表されていないため、実額はAmazonへ直接確認してください。
第3段:Project Zeroで自ら削除できるようにする
Project Zeroは、権利者自身が模倣品の出品を削除できる制度です。
セルフサービスのツールで模倣品の出品を検索し、直ちにAmazonストアから削除できます。削除するたびに、自動でブロックする保護機能が強化される設計です。登録時には10分程度のトレーニングが求められます(出典:Amazon出品サービス公式)。
かつては招待制として案内されていましたが、現在は資格要件を満たすことで案内が届く形に変わっています。その中心が、前章で触れた承認率90%以上という条件です。3つの制度は、こうして一本の線でつながっています。
相乗りを再発させない運用と、自社で回すか外部に任せるかの判断
通報は対症療法であり、続けるほど工数が積み上がります。
最後に、再発させないための運用と、それを誰が回すのかの判断を整理します。
まず、転売出品を見つける仕組みを作る
通報の前に必要なのは、気づく仕組みです。
主力ASINの出品者一覧を定期的に確認し、出品者名、価格、コンディション表示を記録に残しましょう。「いつから」「どの価格で」乗られたかが残っていれば、そのまま証拠になります。売上が落ちてから慌てて調べる状態だと、直近の販売価格との比較ができません。
乗られても損をしにくい状態を作る4つの手
次に、転売業者にとって旨味の薄い状態を作ります。打ち手は次の4つです。
- 商品ページへの正規販売ルートの明記(購入者が正規品を選べるようにする)
- 限定パッケージやセット構成による差別化(他社が仕入れられない品目を持つ)
- 卸先との契約への再販条件と販売先範囲の追加
- ロット番号の追跡による流出経路の特定
4つのうち、効き方が最も確実なのは3つ目の卸契約です。Amazonが「当事者間で協議を」と線を引いている領域そのものなので、ここは自社でしか塞げません。なお、購入者の連絡先を使う施策はモールでは実行できないため、対策は商品と契約の側に寄せることになります。
相乗りされていると、自社ではページを守れない
相乗りで失うのはカートだけではありません。商品ページを直す権限も一緒に失います。
相乗り出品の側からは、サブ画像やA+コンテンツといった商品ページの主要素を変更できません。カタログの編集権限は、ブランド登録と出品者の関係で決まるためです。私たちが運用を受託するときも、ページやクリエイティブの改善が支援範囲に入る場合は同じです。相乗りではなくアカウント本体を扱う構成かを、契約前に確認します。
売上を戻す手段の多くは商品ページの上にあります。編集できない状態が続くほど、打てる手が減っていきます。
自社で回すか、外部に任せるかの判断軸
判断を分けるのは、監視を続けられるかと、規約の解釈ができるかの2点です。
| 監視と通報を回す体制 | 監視を続ける負担 | 規約と法務の判断 | かかるお金 |
|---|---|---|---|
| 自社で回す | 担当者の工数に左右される | 知見の蓄積に時間がかかる | 人件費が中心 |
| 外部に任せる | 体制として継続しやすい | 既存の知見で判断が早い | 委託費が発生する |
外部に任せる場合でも、発注側に人を残してください。必要なのは実務を回す力ではありません。提案を批判的に受け止めて指示を出せること、自社商材の性質を正確に伝えられることの2つです。この2つを担える担当者が1名いれば、外注は機能します。
支援会社を選ぶときは、営業担当と実務担当が同じ人物かどうか、何名体制で入るのかを確認しましょう。LINKでは1案件につき最低3名体制で支援しています。あわせて、対応範囲に商品ページの改善が含まれるかも見ておきたいポイントです。
※費用感や選び方から確認したい方はAmazonコンサルの選び方・費用相場|失敗しない比較ポイント【2026年最新版・元Amazon出身者監修】もどうぞ。
監視と通報を続ける工数が、社内で確保できていませんか。
LINK株式会社では、戦略設計から商品ページ、広告運用、改善までEC運営を一気通貫でご支援します。無料相談では、内製と外部委託の分け方の考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームです(売上向上実績100社以上※お客様実績に基づく参考値)。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
Amazon転売通報に関するよくある質問
Amazon転売通報のやり方について、相談でよく受ける質問をまとめました。
- Amazonで転売は違法ですか?
原則として違法ではありません。正規に仕入れた商品の再販も、同じ商品ページに複数の出品者が並ぶことも、法律や規約で禁じられてはいません。
違法になるのは、別の違法要素が加わったときです。許可なく中古品を繰り返し売る、個人使用と偽って輸入した商品を売る、偽ブランド品を売る、などが該当します。ただし立証の負担は申告する側にあるため、実務ではポリシー違反として通報するほうが現実的です。
- Amazonで転売を通報するにはどこから報告すればいいですか?
立場と違反の種類によって、4つの窓口を使い分けます。高額転売なら商品ページの「この商品に関する問題を報告する」から報告します。法令違反や安全性の疑いは、公式のメール窓口です。
自社が出品者ならセラーセントラルから、商標権や著作権の侵害なら権利侵害の申告フォームから提出します。権利侵害の申告が使えるのは権利者本人と、その代理人だけです。
- 高額転売はどの価格を基準に通報できますか?
希望小売価格ではなく、Amazon内外での最近の販売価格が基準です。Amazonの適正な価格設定に関するポリシーが挙げているのは、「最近の販売価格よりも著しく高い価格」です。
そのため通報文には、定価との差ではなく直近の実売価格との差を書きます。出品価格の画面記録と、同一商品の最近の販売価格の記録を添えてください。
- 無在庫転売はどうやって見分けて通報しますか?
自社商品を1個テスト購入し、同梱物の差出人を確認するのが確実です。Amazonのドロップシッピングポリシーは、納品書や外部パッケージに出品者以外の名前や連絡先が出ることを禁じています。
該当する記載があれば、写真をそのまま証拠として提出できます。違反時の措置は、出品者出荷を使用した出品の制限とされており、出品が即座に消えるとは限りません。
- 通報したことは相手に伝わりますか?
権利侵害の申告では、削除に関係する出品者へ通知が届きます。AmazonはProject Zeroの説明で、模倣品を削除すると各出品者に苦情の通知が送信されると記載しています。
匿名のまま削除できる仕組みではないため、相手の反応まで想定して判断してください。事実に基づく申告に絞ることが、そのまま防御にもなります。
- 「正規代理店以外は売らないでほしい」はAmazonに通報できますか?
通報しても対応されません。Amazonは公式ヘルプで、流通の方針や規制は当事者間の問題であり、直接協議するよう案内しています。出品者の仕入れ経路を確認できないためです。
販売ルートを縛りたい場合は、卸先との契約に再販条件や販売先の範囲を書き込むのが実質的な打ち手になります。同様に、JANコードの無断使用も知的財産権の侵害としては扱われません。
まとめ:通報の精度を上げることが、そのまま次の打ち手になる
Amazonでの転売対策は、通報の回数ではなく精度で決まります。扱われる案件かどうかを先に判定し、ポリシー名と事実と証拠を揃えて出す。その積み重ねが承認率として残り、権利者自身が削除できる段階への入口になります。
一方で、流通のコントロールはAmazonの外側の仕事です。通報で片づく範囲と、契約や商標で手当てする範囲を切り分けることが、結果的にいちばん早い解決につながります。
相乗りと転売の対策を、通報の先まで設計したい方へ
LINK株式会社が、カタログの整備からブランド保護制度の活用までを横断して確認します。無料相談では、どこから手を付けるかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームです(売上向上実績100社以上※お客様実績に基づく参考値)。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
LINKのEC支援サービスは、動画でも紹介しています。
- 参照した一次情報・公式情報
- Amazon「知的財産権侵害についての申し立てとその手続き」(対応できない案件の記載)
- Amazon「不安全、不快又は法令違反の恐れがある商品の報告」(報告窓口と必要な情報)
- Amazonセラーセントラル「Amazonストアにおける適正な価格設定に関するポリシー」
- Amazonセラーセントラル「ドロップシッピングポリシー」
- Amazonセラーセントラル「コンディションガイドライン」
- Amazon出品サービス「Amazonブランド登録」「Transparency」「Project Zero」
- 古物営業法(e-Gov法令検索)
- 記事監修
- 公開日:2026年6月19日 / 最終更新日:2026年8月30日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- 本記事はAmazon公式ヘルプおよびe-Gov法令検索、ならびにLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
▶ Amazonブランド登録の費用と期間は?申請3ステップまで解説【2026年最新版・元Amazon出身者監修】
▶ Amazonカート取得率を上げる9つの条件と奪還ステップ【2026年最新版・元Amazon出身者監修】

