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  3. D2Cコンサルとは?支援内容・費用相場と運営代行との違い・失敗しない選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】

D2Cコンサルとは?支援内容・費用相場と運営代行との違い・失敗しない選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】

2026 7/19
2026年7月17日 2026年7月19日

D2Cコンサルの支援内容(ブランド設計・LTV/CRM・チャネル戦略・商品開発)、費用相場、運営代行との違い、失敗しない選び方を、元Amazon Japan出身者が支援現場の判断基準つきで解説します。

「D2Cを始めたけれど売上が頭打ちで、次に何を改善すればいいのか分からない……」
「コンサルと運営代行、広告代理店の違いも曖昧で、どこに相談すべきか迷っている……」

元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、D2Cコンサルの支援内容・費用相場・運営代行との違い・失敗しない選び方を解説します。D2Cは「作って売る」だけでは利益が残らず、ブランド設計・リピート・広告費・原価まで一気通貫で設計しないと途中で頭打ちになりやすい事業です。本記事は、会社の羅列ではなく、D2Cコンサルが実際に何を助言し、どこを握るのかを、支援現場の判断基準つきで整理した実践ガイドです。読み終えるころには、自社にいま必要な支援が「助言」なのか「実行」なのかを切り分け、費用感と選ぶ基準を持って相談に進めるはずです。

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この記事はこんな方におすすめ
  • D2Cの売上・利益が頭打ちで、次の打ち手を探している経営者・EC担当者
  • コンサル(助言)と運営代行(実行)のどちらを頼むべきか迷っている方
  • D2Cコンサルの費用相場と、失敗しない選び方の判断基準を知りたい方
目次

D2Cコンサルとは?運営代行・ECコンサルとの違いを整理する

D2Cコンサルの定義と役割(戦略・助言でブランドと利益を設計する)

D2Cコンサルとは、自社ブランドを消費者へ直接販売するD2C事業の戦略・ブランド・LTV・チャネル設計を助言し、利益が残る成長を設計する外部パートナーです。

D2C(Direct to Consumer)は、卸や小売を介さず、自社EC(Shopifyなどの自社サイト)やモールを通じて顧客と直接つながる事業モデルを指します。中間マージンがない分だけ利益を残しやすい一方、集客・ブランディング・在庫・顧客管理まで自社で背負うため、設計を誤ると広告費と原価に利益を食われて伸び悩みます。D2Cコンサルの役割は、この「どこにお金と時間をかけ、どこで利益を作るか」を事業者と一緒に設計し、意思決定を助けることにあります。

私たちが支援に入るとき、最初にやるのは施策を足すことではなく、売上を「セッション(流入)」「CVR(購入率)」「平均単価」の3つに分解して、どこに課題があるのかを切り分けることです。同じ「売上が伸びない」でも、流入が足りないのか、ページで買われていないのか、単価が低いのかで打ち手はまったく変わります。課題の在りかを特定せずに広告や制作へ走ると、効かない施策にお金を使ってしまう。この「施策先行ではなく課題先行」で入口を揃えるのが、D2Cコンサルの最初の仕事です。

D2Cコンサルと運営代行の違い(助言・戦略/実行の切り分け)

D2Cコンサルは「方針・戦略を出す(助言)」役割、D2C運営代行は「実務を巻き取る(実行)」役割です。両者は重なる領域もありますが、任せる範囲と手元に残る成果が違います。

D2Cコンサル(助言・戦略)とD2C運営代行(実行)の違いを対比した比較図
D2Cコンサル(助言・戦略)D2C運営代行(実行)
主な目的事業の方針・戦略を決める決まった運用を回す
支援範囲ブランド設計・LTV/CRM・チャネル戦略・利益設計出品・広告入稿・在庫・CS・レポートなどの実務
成果物戦略・設計図・意思決定の判断材料日々の運用結果(数値・作業)
費用感の傾向助言中心なら比較的抑えられる実務量に応じて上がりやすい
向くケース方向性・利益設計から見直したい方針はあるが手が足りない

整理すると、「D2Cコンサル」は戦略・方針を出す助言型で、実務まで巻き取っていく形は「D2C運営代行」に近づきます。実際にはコンサルが実行の一部まで伴走したり、運営代行が戦略提案を含んだりと境目は連続的で、支援会社によって呼び方も守備範囲もまちまちです。だからこそ、契約前に「どこまでが助言で、どこからが実行か」を言葉で確認しておくことが、後の「思っていた支援と違った」を防ぎます。

※実行部分をどこまで任せられるか、実務の詳細から確認したい方はD2C運営代行とは?委託できる業務・費用相場と失敗しない選び方もどうぞ。D2C支援全体の地図から見たい方はD2C支援とは?支援の種類と自社に合う頼み方の全体像を先にご覧ください。

ECコンサル・Shopifyコンサル・広告代理店との棲み分け

「D2Cコンサル」は、事業モデル全体(ブランド×多チャネル×利益)を見る点で、周辺の支援と守備範囲が異なります。

  • D2Cコンサル=自社ブランドの事業モデル全体(ブランド設計・LTV・チャネル配分・利益設計)を横断して助言する。
  • ECコンサル=EC全般(モール中心を含む)の売上改善を広く扱う。D2Cに限定しない。
  • Shopifyコンサル=Shopifyという特定プラットフォームの構築・実装・運用に軸足がある。
  • 広告代理店=集客(広告運用)という一部の機能に特化する。

どれが良い悪いではなく、いま必要なのが「事業全体の設計」なのか「特定プラットフォームの実装」なのか「集客の一部」なのかで選ぶ相手が変わります。プラットフォーム実装の勘所はShopify特化の記事、EC全般・Amazonチャネルの深掘りはそれぞれの専門記事に整理しているので、自社の入口に近いものを選んでください(※Shopifyコンサル7基準・費用相場とD2C成長戦略/ECコンサルとは?費用相場と選び方/Amazonコンサルティングとは?費用相場と選び方6軸)。

D2Cコンサルの支援内容|ブランド設計・LTV/CRM・チャネル戦略

D2Cコンサルの支援は、大きく「①ブランド設計」「②LTV/CRM・リピート設計」「③チャネル戦略」「④商品開発の伴走」「⑤利益・広告費の設計」の5領域に分かれます。会社によって強い領域は違うため、自社の課題がどこにあるかと照らして読んでください。

ブランド設計・コンセプト策定(誰に何をどう届けるか)

ブランド設計とは、「誰に・何を・どんな理由で選んでもらうか」を言語化し、商品・価格・見せ方・売り場までを一貫させる作業です。

D2Cは価格や機能だけで戦うとモール上の類似品や大手に価格競争で削られます。だからこそ、ターゲット顧客の解像度、競合との違い、価格帯の必然性、パッケージやページで伝える世界観までをそろえ、「安いから」ではなく「このブランドだから」で選ばれる状態を作ることがコンサルの入口になります。ここが曖昧なままLTVや広告の話に進むと、施策が場当たり的になり、後から作り直しになりがちです。

LTV最大化とCRM・リピート設計(新規獲得よりリピートで利益を作る)

D2Cで利益を残す鍵は、新規獲得の広告費より「一度買った顧客のリピート(LTV)」を伸ばす設計にあります。

新規顧客は広告費が高くつくため、初回購入だけで利益を出そうとすると採算が合いにくい。そこで、2回目・3回目の購入をどう作るかを先に設計します。たとえばリピートしやすい消耗品や食品では、初回だけ価格を下げて定期購入に引き込む設計が効きます。Amazonの「定期クーポン」のように初回オファーだけ割引して定期便への加入を促す機能は、リピート性の高い商材ほど噛み合いやすく、私たちも実際によく使う打ち手です。自社EC側でも、初回同梱物やメール・LINEでの再購入導線を組み合わせ、「1回売る」から「継続して買ってもらう」へ設計を切り替えます。判断基準はシンプルで、その商材が繰り返し使われるものかどうか。ここに当てはまるなら、新規獲得よりリピート設計に投資したほうが利益が残ります。

チャネル戦略(自社EC×モールの使い分けと役割分担)

チャネル戦略とは、自社EC(Shopify等)とモール(Amazon・楽天)をどう組み合わせ、それぞれに何の役割を持たせるかを決めることです。

自社ECは顧客データが残りリピート設計に強い一方、集客を自前で作る必要があります。モールは集客力が大きい代わりに顧客リストが残りにくく、手数料もかかる。だから「自社ECでブランドとLTVを育て、モールで新規接点を広げる」といった役割分担が基本の考え方になります。

運用の効率という点では、対応できるなら全チャネルを1社にまとめて任せたほうが、方針もデータも揃って効率的です。実感として、Amazonと合わせて楽天まで任せていただけるケースは全体のおおむね3割程度で、複数モールを一体で見ると打ち手の一貫性が出ます。ただし1社集約には注意点もあって、特定のモールだけ知見が薄く伸び悩むことがある。だから「そのモールを実際に触れる担当がいるか」を確認したうえで集約するかどうかを決めます。ここは効率と専門性のバランスで判断する論点です。

商品開発・新製品立ち上げの伴走(作るものを決める分析〜工場折衝)

D2Cコンサルの中には、「何を作るか」を決める段階から、工場折衝・ローンチまで一気通貫で伴走する支援もあります。これは競合の会社紹介記事ではあまり描かれない、D2Cならではの支援領域です。

D2Cの商品開発を市場・製品選定から工場折衝、ローンチまで一気通貫で伴走する流れの図

私たちが新製品の立ち上げに入るときは、まず「作るものを決める」ための市場・製品選定から始めます。ここでは3C分析・4P分析に加え、セラースプライトなどのツールで、①その市場が年間いくらの規模か、②上位商品が月にどれくらい売れているか、③上位の競合がクリエイティブ・広告・レビュー・ページの作り込みでどれだけ強いか、を定量と定性の両面で見ます。「市場の大きさ(定量)」と「競合のマーケ能力(定性)」の両軸で、勝てる可能性の高い製品を選ぶわけです。

そのうえで、参入するかどうかは最終的に原価計算で判断します。企画段階で「これはやめたほうがいい」と止めるのは、突き詰めると原価が合わないときです。想定クリック単価が高すぎて広告で戦えない、あるいはメーカーから原価見積もりを取ったら利益が残らない——上代・原価率・広告費・販売手数料・送料・在庫保管費まで積み上げて、広告の前後で利益が立たなければ参入しない。魅力的に見える市場でも、原価が合わなければ入らないという判断こそ、事業者目線のコンサルが提供できる価値です。

参入を決めたら、製品開発では商社・工場のパイプ活用に加えてゼロからの工場選定も行い、差別化のための成分・仕様を工場担当と直接詰めていきます。パッケージやLP、クリエイティブのデザインまで含めて伴走し、順調に進めばプロジェクト開始からおおむね最短8ヶ月程度でローンチに至ります。なお、食品・化粧品・健康食品などを扱う場合は、景表法・薬機法を当然の前提として、表現や成分の可否を確認しながら企画を進めます。ここを企画段階で押さえておかないと、作った後で訴求が使えないといった手戻りが起きます。

利益・広告費のフェーズ別設計(投資フェーズと回収フェーズを分ける)

D2Cで利益を残すには、広告費を「今は投資して伸ばすフェーズ」と「利益を回収するフェーズ」に分けて設計することが欠かせません。

利益が残らないD2C事業の典型が、フェーズ設計のないまま広告費をかけ続けてしまうパターンです。立ち上げ・ブランド構築の時期は、原価計算上トントン〜多少の赤字も覚悟して広告費を厚めに踏み、認知と販売実績を作ります。支援現場での目安としては、投資フェーズでは広告費比率をおおむね20%程度まで踏み込み、利益を残すフェーズに入ったらおおむね10%前後まで絞る、という切り替えをします。「いつまでが投資期か」をあらかじめ決めておくことが肝で、これがないと月商が数百万〜1,000万円規模まで来ているのに赤字を踏み続ける、といった状態に陥ります。

広告費を見るときは、広告経由売上に対する比率(ACOS)だけでなく、自然検索を含むアカウント全体売上に対する比率(TACOS)で全体最適を取るのがコンサルの関与点です。たとえば全体売上100万円・広告経由40万円・広告費20万円なら、ACOSは50%と厳しく見えても、全体で見たTACOSは20%で利益は成立している、というように見え方が変わります。広告を止めると自然検索の売上まで連鎖的に落ちるため、「効率が悪いから止める」ではなく、全体の利益率から逆算した比率のなかで慎重にコントロールします。許容できるTACOSは原価率で決まり、粗利の厚い商材ほど広告費を厚く踏め、原価率の高い商材ほど絞らないと利益が残りません。広告費は金額ではなく率(TACOS)で握り、残りの粗利は割引やポイントなどの販促費に配分する——この設計をコンサルが一緒に組むことで、利益の残る運用に変わります。

D2Cコンサルの費用相場と料金体系(3タイプで解説)

ここでは費用の全体像を「料金体系」と「関与度別の相場」で押さえます。なお、隠れコストを含めたROI試算や内製との金額比較といった費用の細かい深掘りは別記事に譲り、本章はD2Cコンサルを検討するうえでの相場観に絞ります。

料金体系3タイプ(月額固定・成果報酬・プロジェクト)

D2Cコンサルの料金体系は、大きく「月額固定型」「成果報酬型」「プロジェクト型」の3つに分かれます。

  • 月額固定型:毎月一定額で助言や運用を受ける。費用が読みやすく、継続的な伴走に向く。
  • 成果報酬型:売上などの成果に連動して費用が決まる。固定+成果報酬の掛け合わせが実務では一般的。
  • プロジェクト型:商品開発やブランド立ち上げなど、期間と成果物を区切って契約する。

成果報酬について、「売上ベースの成果報酬は広告費が膨らんで利益を圧迫する」という一般的な注意喚起を目にしますが、実務的にはこれは握り方の問題です。広告費比率(TACOS)の上限をきっちり握っておけば、売上連動の成果報酬でも利益圧迫は避けられます。逆に言えば、成果報酬を検討するときは「どの指標に、上限をどう設けて連動させるか」を契約前に具体化できるかどうかが、良し悪しの分かれ目になります。

費用相場の目安(関与度別)

費用は「D2Cコンサルがどこまで関与するか(助言だけか、実行まで含むか)」でおおよその相場が決まります。以下は市場の相場観を幅で示したもので、商材・チャネル数・体制によって変わります。

タイプ関与度月額費用の相場(目安)体制の目安
D2Cコンサル(助言中心)戦略・方針の助言が中心おおむね15万〜30万円程度1〜2名
運用まで踏み込む型助言+実務の一部おおむね30万〜50万円程度2〜3名
フル伴走型戦略〜実行を一体で伴走おおむね60万〜100万円程度3〜4名

表の「D2Cコンサル(助言中心)」が、いわゆる狭義のコンサルにあたります。ここから実務を巻き取るほど「運営代行」寄りになり、費用も上がっていく、という対応関係で読んでください。相場感の骨格としては、助言のみなら月15万円程度が下限、運用まで入ると月20万円以上が下限で30万〜50万円程度が多いゾーンです。体制と費用は連動していて、支援会社の費用は月40万円程度までのケースが多く、案件規模が大きくなると月60万〜80万円で担当を増やして4名体制、といった形になります。戦略から実行まで一体で任せるフル伴走型になると、月80万〜100万円程度が一つの相場と見ておくとよいでしょう。

※費用の内訳・隠れコスト・内製との金額比較まで踏み込んで試算したい方はEC運用代行の費用相場とROI試算・隠れコストの見抜き方で詳しく解説しています。

なぜ費用に差が出るのか(体制人数・関与度・チャネル数)

同じ「D2Cコンサル」でも費用に数倍の差が出るのは、主に「関与度」「体制の人数」「対応チャネル数」が違うからです。

助言だけなのか、実務まで巻き取るのかで工数がまったく変わります。さらに、フリーランス1名なのか、品質管理者・ディレクター・アシスタントといった複数名のチームなのかで人件費が変わり、それが費用に反映されます。実感として、4名体制で手厚く支援すると月100万円を超えることもある一方、助言中心なら15万円台から始められる。つまり見積もりの金額そのものより、その金額で誰が何名、どこまで動くのかを確認することが、価格の妥当性を判断する近道です。安いには安いなりの、高いには高いなりの理由が体制と関与度に表れます。

D2Cコンサルで失敗しない選び方(発注前に確認する5観点)

D2Cコンサル選びで最も大事なのは、実績数や知名度よりも「助言・戦略を実際にやるのは誰か」=助言者の質です。ここを確認せずに契約すると、思ったように売上が上がらないまま数ヶ月を失う、という発注者にとって最大の損失につながります。発注前に確認したい5つの観点を挙げます。

支援の中身は言葉だけでは伝わりにくいので、短い動画でもLINKの考え方を紹介しています。コンサルと運営代行の役割の違いや、何をどこまで一緒に設計するのかのイメージをつかむ参考にしてください。

Amazon・楽天の運用代行サービス紹介|LINK株式会社

※具体的な進め方は、後述の無料相談で個別にお答えします。

D2Cコンサルを発注する前に確認したい5つの観点をまとめたチェックリスト図

①実際に助言・運用するのは誰か(営業担当と実務担当が別人でないか)

契約前に「実際に担当につくのは誰か、その人の経歴は、品質管理者は入るのか」を必ず確認します。

営業担当と実務担当がまったくの別人、というのは支援会社では非常によくあるパターンです。商談に出てくる営業は社内でも優秀な人材が配置されることが多く、知識も印象も良い。その人に魅力を感じて発注したら、いざ運用が始まると経験の浅い担当がつき、コミュニケーションが噛み合わず前に進まない——ということが起こります。「実際に運用するのは誰ですか」と聞いて濁されたら要注意です。品質管理の行き届かない体制の可能性があります。トラブルというより、「思ったように売上が上がらないまま3〜4ヶ月を無駄にする」のが一番の損失なので、ここは事前に確認しておきます。

②何名体制で支援するのか(品質管理者を含む体制か)

「何名体制で支援してくれるのか」も必ず聞きます。個人フリーランス1名か、チーム体制かで、対応スピードとリスクが変わります。

フリーランス1名は費用を抑えやすい反面、複数社を掛け持ちしているのが普通で、能力の高い人ほど案件を多く抱えて対応が遅くなりがちです。支援会社でも、フロントのコンサル+アシスタントの2名というケースが多い。私が理想と考えるのは3名体制で、①品質を管理するトップ、②窓口となるディレクター/コンサルタント、③実務を担うアシスタントがそろう形です。案件規模が大きければ、ここにもう1名加えて4名体制で見ることもあります。組織体制のほうが安心だが、当然費用は上がるので、費用とのバランスで判断してください。少なくとも「1名で全部やるのか、複数名でカバーし合うのか」は確認する価値があります。

③担当者・代表に「事業者目線」があるか(売上だけでなく利益・在庫・ブランド)

中小規模の支援会社では、代表や担当者のケイパビリティが品質に直結します。ただし「Amazon出身」「大手出身」という肩書きだけでは判断できません。

同じ会社の出身でも、どの部署でどんな役割をしていたかで身につく能力はまったく違います。たとえば大手企業を相手にする卸機能の部署にいた人と、事業者に有料で運用アドバイスをしていた人とでは、現場の販売ノウハウの厚みが変わります。だから経歴は「どこにいたか」だけでなく「何をやっていたか」まで聞くのが有効です。

私が最も重視するのは「事業者としての目線があるか」です。売上だけでなく、PL上の利益がどれだけ残るのか、セールを打ちすぎてブランドを毀損しないか、在庫リスクをどう見るか——こうした論点を一緒に考えてくれる相手かどうか。自分で事業をやっている支援会社はレアですが、事業をしていなくても利益・在庫・ブランドに意識を向けてくれる担当かは会話で分かります。これは私自身のポジショントークになりうる点も自覚したうえで、発注者が確認すべき観点としてお伝えしています。

④得意な業界・商材・チャネルが自社と合っているか

支援会社ごとに得意な商材・チャネルは必ずあります。自社の商材・チャネルでの実績があるかを確認します。

たとえば食品・化粧品・健康食品などは、原価構造や法規制(景表法・薬機法)の勘所が独特で、経験の有無が支援の質に出ます。チャネルも同様で、自社EC(Shopify)が主戦場なのか、Amazon・楽天が主戦場なのかで必要な知見は変わります。「このモール・この商材なら、どんな支援実績がありますか」と具体的に聞き、自社に近い事例を示せるかを見てください。得意なモールが分かれているなら、チャネルごとに得意な会社へ分けて発注するのも有効な考え方です。

⑤料金体系と成果報酬の握り方が明確か(%で握れるか)

料金体系、特に広告予算や成果報酬を「金額」ではなく「率(%)」で握れるかを確認します。

広告予算を「月◯万円」という固定金額で握ると、売上が伸びている好機に予算上限で機会を逃したり、逆に売上が落ちた月に固定額を消化してしまいアカウント全体の広告費比率が跳ね上がったりします。そうではなく、売上に対する比率(TACOS)で握り、その範囲で柔軟に運用するのが基本です。だから支援会社にも「予算やレポートを%で握って運用してもらえますか」と確認します。報酬形態も、固定+成果報酬の掛け合わせであること自体は問題なく、成果報酬に広告費比率の上限がセットで設計されているかを見れば、利益圧迫のリスクを避けられます。ここを明確に説明できる会社は、利益から逆算して運用できる会社です。

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D2Cコンサルを活用して成果が出やすいケースと、依頼前の準備

成果が出やすいケース(利益が残らない3つの共通点に当てはまる事業)

売上は立っているのに利益が残らないD2C事業ほど、D2Cコンサルの価値が出やすいケースです。利益が残らない事業には、大きく3つの共通点があります。

1つ目は製品原価が高いこと。粗利が薄ければ、どれだけ運用を磨いても利益は残りません。この場合は原価構造そのものを見直します。OEMメーカーは最初の見積もりを高めに出してくることが多いので、新商品ならメーカーとの仕切り値の交渉に踏み込む。既存商品でも「メーカーと直接つないでいただけませんか」と依頼して原価交渉に入ったり、物流費を下げるために大手物流を紹介したりと、周辺のコスト構造まで見直すことがあります。ここまで踏み込むのは深く入り込んでいる支援先に限られますが、原価から利益を作るのはコンサルならではの処方です。

2つ目は広告費のかけすぎ。前述のとおり、フェーズ設計がないまま広告を踏み続けると利益が消えます。投資期と回収期を分け、TACOSの上限で管理し直すだけで利益が戻るケースは少なくありません。

3つ目は人件費。EC担当者の人件費は見えづらく、管理から漏れやすいコストです。社員がAmazon・楽天・自社ECを兼務している場合、社会保険料まで含めた人件費を各チャネルに按分し、「このチャネルにどれだけリソースを振るか」を管理側で決めておく。削るのではなく、売上に対する適切な比率で配分するという発想で、内製と業務委託の切り分けを設計します。この3つのどれかに心当たりがあるなら、コンサルを入れる価値は大きいと言えます。

依頼前に社内で準備すること(課題の明文化・丸投げの失敗を避ける)

コンサルは「丸投げ」では成果が出ません。依頼前に、自社の課題と、任せたい範囲を言葉にしておくことが成功の前提です。

準備として最低限そろえたいのは、①売上・利益の現状(できればチャネル別)、②いま困っていること(流入・CVR・単価・利益のどこか)、③コンサルに任せたいのは助言までか実行まで、の3点です。これが曖昧なまま「とりあえず全部お願いします」と丸投げすると、方向性が定まらず費用だけがかさみます。

そのうえで、実行部分を外注する判断も検討に値します。運用代行や外部チームを使う最大のメリットは、自社で人を採用・教育するコストをかけずに、安定した運用体制を持てることです。EC人材の採用と育成には時間もお金もかかり、担当者が辞めればノウハウごと失われます。外部の体制をうまく使えば、この採用・教育コストと属人化リスクを避けられる。内製すべき部分と外注すべき部分を切り分け、丸投げではなく協働する——この設計ができているかどうかが、コンサルやパートナー活用の成否を分けます。

D2Cコンサルに関するよくある質問

D2Cコンサルとは何ですか?

D2Cコンサルとは、自社ブランドを消費者へ直接販売するD2C事業の戦略・ブランド・LTV・チャネルを設計し、利益が残る成長を助言する外部パートナーです。手を動かして実務を回す運営代行とは異なり、「どこにお金と時間をかけ、どこで利益を作るか」という意思決定を助けるのが主な役割です。

D2Cコンサルと運営代行の違いは何ですか?

コンサルは「方針・戦略を出す(助言)」、運営代行は「実務を巻き取る(実行)」という役割の違いがあります。実際には境目は連続的で、コンサルが実行の一部まで伴走したり、代行が戦略提案を含んだりします。契約前に「どこまでが助言で、どこからが実行か」を言葉で確認しておくと、認識のズレを防げます。

D2Cコンサルの費用相場はいくらですか?

関与度によって変わり、助言中心ならおおむね月15万〜30万円程度、運用まで含めると月30万〜50万円程度、戦略から実行まで一体で任せるフル伴走型は月80万〜100万円程度が市場の相場観です。費用差は主に「関与度・体制の人数・対応チャネル数」で生まれます。金額そのものより「その額で誰が何名、どこまで動くのか」を確認するのがおすすめです。

成果報酬型は利益を圧迫しませんか?

広告費比率(TACOS)の上限をきちんと握っておけば、売上連動の成果報酬でも利益圧迫は避けられます。「売上ベースの成果報酬は危険」と一律に言われがちですが、実際は握り方の問題です。成果報酬を検討するときは、どの指標に、どんな上限を設けて連動させるかを契約前に具体化できる会社かを見てください。

小規模・立ち上げ前でもD2Cコンサルに依頼できますか?

依頼できます。むしろ立ち上げ前の商品開発フェーズから入ると、「作るものを決める」市場・製品選定や原価計算の段階で失敗を避けやすくなります。市場規模と競合の強さを定量・定性で見て、原価が合うかを企画段階で判断してから参入する——この初期設計の精度が、その後の利益を大きく左右します。

自社EC(Shopify等)とAmazon・楽天、どのチャネルから相談すべきですか?

自社ECはブランドとLTV(リピート)を育てる場、モールは新規接点を広げる場、と役割で考えるのが基本です。どちらから相談すべきかは、いまの課題が「リピートで利益を作りたい」のか「新規の露出を増やしたい」のかで変わります。プラットフォーム実装の詳細はShopify専門の記事、Amazonチャネルの深掘りはAmazon専門の記事も参考にしてください。

コンサルに丸投げすれば成果は出ますか?

丸投げでは成果は出にくいです。自社の課題(流入・CVR・単価・利益のどこか)と、任せたい範囲(助言までか実行まで)を言葉にしたうえで、協働する姿勢が前提になります。内製すべき部分と外注すべき部分を切り分け、パートナーと役割分担を決めることで、費用対効果が高まります。

契約期間や見直しのタイミングの目安はありますか?

D2Cは施策の効果が数値に表れるまで数ヶ月かかるため、短すぎる期間では判断できません。立ち上げから3ヶ月・半年といったフェーズの区切りで、広告費比率や体制を見直すのが現実的です。契約時に「どの数値がどうなったら継続・見直しを判断するか」をあらかじめ支援会社とすり合わせておくと、惰性の継続や早すぎる撤退を避けられます。

まとめ:D2Cコンサルは「戦略・利益設計」を任せる相手。役割と体制で選ぶ

D2Cコンサルは、ブランド設計・LTV/CRM・チャネル戦略・商品開発・利益設計といった「戦略と意思決定」を助言する相手です。手を動かす運営代行とは役割が違うため、まず自社に必要なのが「助言」か「実行」かを切り分けることが出発点になります。費用は関与度・体制・チャネル数で決まり、助言中心なら月15万〜30万円程度、フル伴走型は月80万〜100万円程度が相場観です。

選ぶときは、実績数や知名度ではなく、「助言・戦略を実際にやるのは誰か(営業≠実務/何名体制/事業者目線/得意商材/料金を%で握れるか)」という助言者の質を見てください。そして、利益が残らない3つの共通点(原価・広告費・人件費)に心当たりがあるなら、コンサルを入れる価値は大きい。丸投げではなく、課題を明文化して協働する準備を整えたうえで相談に進みましょう。

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参照した一次情報・公式情報
  • 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(BtoC-EC 物販系市場規模の背景として参照)
  • Amazon広告ヘルプ(ACOS/TACOSなど広告指標の定義の確認先)
記事監修
  • 公開日:2026年7月17日 / 最終更新日:2026年7月17日
  • 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
  • 本記事はAmazon公式ヘルプ・経済産業省の公的統計、およびLINK株式会社の支援実績(100社以上)データを基に作成しました。

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