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Amazon広告の出し方完全ガイド|種類・費用相場・ACoS改善の全手法【2026年最新版・Amazon公認パートナー監修】

2026 7/20
2026年3月25日 2026年7月20日

Amazon広告の種類(SP/SB/SBV/SD)と費用、ACoSとTACoSの違い・目安、原価から逆算する広告費設計までを元Amazon出身者が解説。広告費を「率」で握り、フェーズで比率を切り替えて利益を最大化する実践ガイドです。

「Amazon広告に毎月それなりの金額を入れているのに、利益が増えている実感がない……」
「広告の種類が多すぎて、自社がどれをどの順番で出すべきか社内で判断できない……」

元Amazon JapanでECコンサルティングに携わってきた私、南雲が、Amazon広告の出し方から種類・費用相場・ACoS改善までを実務目線で解説します。広告費が「溶ける運用」と「利益を生む投資」を分ける分岐点は、テクニックよりも先に、予算の握り方と土台の設計にあります。本記事は、Amazon公認パートナー(Adsパートナー認定)として支援現場で実際に握っている指標の考え方を軸に、出稿の手順から代行への切り替え判断までを一本で整理した実践ガイドです。読み終えるころには、自社の広告費を「金額」ではなく「率」でコントロールする道筋が見えているはずです。

Amazon広告の「効いているか分からない」を、数字で診断しませんか。

LINK株式会社では、広告アカウントとあわせて商品ページ・在庫・利益構造まで横断で確認し、広告費の何がボトルネックかを特定します。

  • ACoS/TACoSの現状と、原価から逆算した適正ラインの診断
  • SP・SB・SBV・SDの配信面とキャンペーン構造の見直し
  • 広告費の上限を「率」で設計し直すご提案

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この記事はこんな方におすすめ
  • Amazon広告の種類と、自社がどれから出すべきかを整理したいEC担当者
  • 月いくらの予算から始めるべきか、費用相場の目安がほしい方
  • ACoSは追えているが、TACoSや利益ベースの設計に自信がない方
  • 自社運用の限界を感じ、代行に切り替える判断基準がほしい経営者

この記事のまとめ

  • Amazon広告はクリック課金で「露出」を買う仕組み。商品ページ・在庫・利益構造の土台が整って初めて「投資」になります。
  • 広告メニューは検索・動画・追客の3系統で捉え、配信面を漏れなく押さえたうえで商材に合わせて配分します。
  • 予算は「月◯万円」の固定額ではなく、原価計算から逆算したTACoS(率)で握り、フェーズで比率を切り替えます。
  • 広告費が溶ける原因は「購入率不足」「在庫切れ」「利益の出ないSKU」の3つ。原因ごとに打ち手が変わります。
  • 自社運用の限界は知識ではなく時間で来ます。担当者・体制・対応範囲の3点で代行への切り替えを判断します。
目次

Amazon広告とは?仕組み・課金方式と「出稿できる条件」

Amazon広告とは、Amazon.co.jpの検索結果や商品ページなどに広告枠を買って出稿し、狙ったキーワードや競合商品の面から売上と認知を同時に取りにいく仕組みです。出品者が最初に使うスポンサー広告はクリック課金型(CPC)で、クリックされた分だけ費用が発生します。少額から始められる一方で、「予算を積めば売れる」という単純なものではありません。広告が買っているのはあくまで露出(インプレッション)で、その先で売れるかどうかは商品ページと在庫、そして利益構造で決まります。

Amazon広告の課金方式と料金の考え方|何にお金を払っているのか

出品者向けのスポンサー広告の費用は、原則としてクリック課金制です。

広告が表示されただけでは費用は発生せず、ユーザーがクリックした時点ではじめて課金されます。1クリックあたりの単価(CPC)はカテゴリーや競合の入札状況によって数十円から数百円まで大きく幅があり、オークション形式で決まります。日予算を数百円〜数千円に設定して当日から配信できるため、「まず小さく試す」ことが可能です。ただし費用の絶対額よりも大切なのは、売上に対して広告費を何パーセントに収めるかという比率の管理です。ここは費用の章とACoS・TACoSの章で詳しく掘り下げます。

Amazon広告とGoogle・Yahoo!・SNS広告の違い|なぜAmazon広告から始めるのか

「広告予算をAmazonに寄せるべきか、Google広告やSNS広告に回すべきか」は、よくいただく相談です。

違いはユーザーが購入までどれだけ近いかにあります。Amazonで検索している人は、すでに財布を開いた状態で商品を比較しています。決済手段も配送先も登録済みで、購入までのステップがほぼありません。一方、検索エンジンやSNSは情報収集の段階から接触できるぶん、購入までの距離が遠く、自社サイトへの誘導後に離脱が起きます。

媒体ユーザーの状態強み注意点
Amazon広告購入直前(比較・検討中)購買データでのターゲティング。購入までが最短Amazon内の需要が上限。顧客リストが自社に残りにくい
Google・Yahoo!広告情報収集〜比較Amazon外の需要も拾える。自社サイトへ誘導できる着地ページの作り込みが必須。CVまでの離脱が多い
SNS広告まだ探していない(潜在層)興味関心での面展開。認知の拡大に強い刈り取り効率は低め。クリエイティブの継続制作が必要
Amazon広告はAmazon内での購買行動に紐づく点が他媒体との最大の違いです(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。

順番としては、すでにAmazonで自社商品を探している人を取りこぼしていないかを先に潰すのが投資効率として先です。Amazon内での刈り取りが甘いまま外部媒体に予算を回すと、本来なら安く取れた売上を高いコストで買い直すことになります。なお、Amazonは顧客リストが自社に残りにくいモールの構造上、LTVや許容CPAを細かく設計するよりも、原価計算のなかで広告費の比率をコントロールする考え方を取ります。これは後の指標の章で詳しく扱います。

Amazon広告を出稿できる条件3つ|大口出品・おすすめ出品・ブランド登録

出稿の前に、次の3条件を確認します。満たしていないと、そもそも広告が表示されない、または使えないメニューがあります。

  • 大口出品プランであること:スポンサープロダクト広告は大口出品者が対象です。まだ小口出品の場合は、広告を検討する前にプラン変更から着手します。
  • おすすめ出品(カート)を獲得していること:スポンサープロダクトは「おすすめ出品の要件を満たしている必要がある」と公式に明記されています。価格・在庫・配送実績が獲得可否に影響するため、広告が「配信されない」ときはまずここを疑います。
  • ブランド登録(Amazonブランド登録)が済んでいること:スポンサーブランド広告・スポンサーブランド動画広告はブランド登録済みの取引企業などが対象です。スポンサーディスプレイ広告は、ブランド登録済みの取引企業または大口出品者が利用できます(出典:Amazon Advertising公式)。

3条件のうち、ブランド登録は取得までに時間がかかります。「ブランド登録の申請を進めながら、先にスポンサープロダクトで出稿を開始する」という順序が、立ち上げのロスを最小にする現実解です。

売上を「セッション×CVR×平均単価」に分解|広告で解決できる課題かを判断する

広告を出す前に、自社の課題がどこにあるのかを切り分けます。

Amazonの売上は「セッション(流入)× CVR(購入率)× 平均単価」に分解できます。私たちが支援に入るときも、まずこの3つのどこが詰まっているかを確認してから打ち手を選びます。広告が直接押し上げられるのはセッションだけで、購入率と平均単価は商品ページの品質・価格・レビューが支配する領域です。ここを取り違えると、購入率が低いまま広告費だけを増やし、クリックは増えても購入が伸びずACoSだけが悪化するという典型的な失敗に陥ります。

また、検索順位は「これから売れる力」を示す先行指標で、販売個数は結果指標です。両者は時間差で連動するため、順位が上がった直後に売上が動かなくても慌てて広告を止める必要はありません。まず課題を特定し、それから広告の役割を決める——この順序を守るだけで、広告費の使い道はかなり整理されます。では実際に、Amazon広告にはどのような種類があり、どれを選べばよいのかを見ていきましょう。

Amazon広告の種類|SP・SB・SBV・SD・DSP・ストリーミングTV広告の違いと選び方

Amazon広告のメニューは「検索で刈り取る」「動画・映像で伝える」「追いかける・広げる」の3系統に整理すると、自社が何を欠いているかが一目で分かります。基本の考え方は、効率の良し悪しで取捨選択する前に、まず露出できる面を漏れなく押さえることです。「効率が悪いから設定しない」ではなく、効率が出にくいメニューはCPCを下げて運用し、主力のスポンサープロダクトはしっかり張る。この調整で、全体の効率を保ちながらタッチポイントを増やせます。

予算配分の目安としては、多くの事業者でスポンサープロダクトが最も大きく、スポンサーブランドとスポンサーブランド動画を合わせて2割程度というのが一般的な姿です。まずは下の一覧で、各メニューが「どの面に・何を・どう課金して出すのか」を掴んでください。

広告メニュー(Amazon広告)主な掲載面課金方式主な利用条件主な役割
スポンサープロダクト(SP)検索結果・商品ページクリック課金大口出品+おすすめ出品の獲得まず始める基本。個別商品を売る
スポンサーブランド(SB)検索結果の上部・商品ページ上部クリック課金/vCPM ほかブランド登録ロゴ+複数商品で認知を広げる
スポンサーブランド動画(SBV)検索結果・商品詳細ページクリック課金ブランド登録/動画6〜45秒使用シーンを短尺動画で伝える
スポンサーディスプレイ(SD)Amazon内外(Twitch・Fire TV等を含む)クリック課金/vCPMブランド登録企業または大口出品者閲覧・購買履歴でリターゲティング
ストリーミングTV広告
(旧・スポンサーTV広告)
Prime Video・Twitch・スポーツのライブ中継・Fire TVチャネル・提携TV局 ほかCPM(1,000回表示あたり)ブランド登録済みの出品者・取引企業・代理店ほか(公式の対象記載は米国。対象国は要確認)映像で認知を一気に広げる
Amazon DSPAmazon内外の広告枠CPM ほかAmazonに出品していなくても利用可まだ検索していない潜在層に届ける
「スポンサーTV広告」は「ストリーミングTV広告」へ名称が変更されています。Amazon DSPには、マネージドサービス利用時に最低費用(米ドル建て)が設定されています(出典:Amazon Advertising公式・2026年7月時点)。

表だけでは「結局どこに出るのか」が掴みにくいので、検索画面のどの位置にどのメニューが出るかを1枚に整理しました。初めて出稿する方は、まずこの掲載面のイメージを持ってください。

Amazon広告のメニュー別 掲載面マップ SB SP SD がどこに表示されるかの図解

Amazon内の検索結果と商品ページに加えて、SDやストリーミングTV広告まで含めると、配信できる面はAmazonの外まで広がります。公式に案内されている主な配信面は次のとおりです。自社がどこまで出せているか、棚卸しの材料にしてください。

  • Amazon内:検索結果ページ、商品詳細ページ、ブランドストア、Amazonアプリ
  • Amazon関連サービス:Prime Video、Twitch、Fire TV/Fire TVチャネル、IMDb、Amazon Music
  • Amazon外:提携先のWebサイト・モバイルアプリ、主要なサードパーティのTVパブリッシャー・放送局

ただし、すべての面をいきなり押さえる必要はありません。6つを役割で束ねると次の3系統になり、投資する順番もここから決まります。

Amazon広告の種類を目的別に3系統で整理した図解 検索 動画 追客

スポンサープロダクト(SP)|最初に着手すべき基本メニューと使い方

広告を初めて出すなら、スポンサープロダクトから着手するのが最も効率的です。

検索結果と商品ページに個別商品を出す形式で、クリック課金で運用します。ターゲティングは、Amazonが配信先を自動で選ぶ「オート」と、狙ったキーワード・商品を指定する「マニュアル」の2種類。定石は、まずオートを1〜2週間回して実際に売れる検索語句のデータを集め、成果の出たキーワードをマニュアルへ切り出していく流れです。少額から始められる一方、入札競争の激しいカテゴリーではCPCが高騰するため、後述のACoS・TACoSでの管理が欠かせません。

スポンサーブランド(SB)・SBV|ブランド認知と動画で検索上部を取る

スポンサーブランドは、ロゴ・キャッチコピー・複数商品を検索結果の上部にまとめて表示できる広告です。

ブランド登録が前提で、認知の拡大や新商品のローンチで力を発揮します。動画フォーマットのスポンサーブランド動画(SBV)を組み合わせると、商品の使用シーンを短尺の動画で伝えられます。動画の尺は6秒以上45秒以下で、公式には20秒以下が強く推奨されています(出典:Amazon Advertising公式)。

支援現場の実感として、化粧品やサプリメントのような単品リピート通販系の商材では、SPやSBのROAS(広告経由売上÷広告費)が100〜150%程度にとどまる一方で、SBVでは200%程度出るケースが多く見られます。逆に雑貨のようにSPの出稿が多いマーケットではSPの効率が良く出るため、SPに予算を寄せます。メニューごとに効率が違う前提で配分するのが、無駄なく回すコツです。

なお動画は最初から100点を目指す必要はありません。既存のサブ画像をスライドショーにまとめる程度でも設定は可能で、まず「出ている状態」を作ることを優先します。商品ページ用に作った動画をSBVへ転用するなら、はじめから45秒以下の尺で制作しておくと使い回しがききます。

スポンサーディスプレイ(SD)|検討中の顧客を追いかけて刈り取る

スポンサーディスプレイは、自社商品を見たユーザーや競合商品を見たユーザーに、Amazon内外で追いかけて広告を出せる(リターゲティングできる)メニューです。

課金はクリック課金とvCPM(ビューアブルインプレッション1,000回あたり)の両方が用意されており、目的に応じて選べます。競合商品ページに自社広告を出す「商品ターゲティング」は、新規顧客の獲得で有効な一手です。ただしSDは配信面が広いぶん、除外設定を怠ると最も無駄が出やすいメニューでもあります。設定時の具体的な落とし穴は、出稿手順の章でまとめて扱います。

ストリーミングTV広告・Prime Video広告|2026年に押さえておくべき新しい選択肢

ここ数年で最も動きが大きいのが、映像面の広告です。

かつて「スポンサーTV広告」と呼ばれていたメニューは、現在「ストリーミングTV広告」へ名称が変更されています。Prime Video、Twitch、スポーツのライブ中継、Fire TVチャネル、主要なサードパーティのTV局などに動画広告を配信でき、課金は1,000インプレッションあたりのCPMです。特筆すべきは、スポンサー広告のコンソールから購入する場合、最低出稿要件が設定されていない点です。

ここで注意したいのが対象範囲です。ストリーミングTV広告をスポンサー広告のコンソールから購入できる対象として公式に記載されているのは、Amazonブランド登録済みの米国の出品者・取引企業・代理店などです。一方、Amazon内での出品の有無を問わず動画広告を出せるのはAmazon DSP経由で、この2つは条件が異なります。日本のアカウントで使えるかどうかは提供状況によって変わるため、検討時は必ずAmazon Advertisingの公式ページと担当者に確認してください(出典:Amazon Advertising公式)。

あわせて押さえておきたいのがPrime Video広告です。Amazon DSPのマネージドサービスおよびセルフサービスで購入でき、番組の再生前(プレロール)と再生中(ミッドロール)に配信されます。日本でも2025年より広告が導入されており、テレビCMに近い訴求ができる面として位置づけられます(出典:About Amazon Japan)。

では、出品者はここに手を出すべきか。私たちの考えでは、SP・SB・SBV・SDの検索まわりで取りこぼしがない状態になってからです。映像面は「まだ商品を探していない人」に届く面なので、認知が売上のボトルネックになっている段階で効きます。逆に、検索面での刈り取りが甘いまま映像に予算を回すと、指名検索で取れたはずの売上を取り逃したまま上流にお金を使うことになります。順番は、刈り取り→追客→認知拡大です。

Amazon DSP|まだ検索していない潜在層まで配信を広げる

Amazon DSPは、Amazonの購買データを使って、Amazon内外の広告枠にディスプレイ・動画・音声の広告を配信できるプラットフォームです。

広告主が自分で管理するセルフサービスと、Amazon側が運用するマネージドサービスがあり、マネージドサービスの利用には最低費用(米ドル建て・国により異なる)が設定されています。Amazonに出品していない企業でも利用できるのが、スポンサー広告との大きな違いです。またAmazon DSPのセルフサービス画面では、AIがオーディエンスを選定する「Brand+」が2026年1月30日から日本を含む地域で一般提供されており、少ないステップで認知向けのキャンペーンを立ち上げられるようになっています(出典:Amazon Advertising公式)。

ただし、DSPは広告費に余力が出てから検討するもので、多くの中堅・中小事業者にとっては最優先ではありません。まずはSP・SB・SBV・SDを固めるのが投資効率としては先です。

どのAmazon広告から始めるか|商材別・フェーズ別の選び方

ここまでの6メニューを、実際の選択順に落とし込みます。

  • ブランド登録がまだ/広告が初めて:スポンサープロダクトのオート1本から。ブランド登録の申請は並行して進めます。
  • ブランド登録済み・商品が複数ある:SPを軸にSB・SBVで検索上部を押さえ、あわせて後述の自社商品リターゲティングを設定します。商材によってどのメニューが伸びるかは前述のとおりです。
  • 検索面での取りこぼしがなくなった段階:SDで追客を強化し、そのうえでストリーミングTV広告やAmazon DSPで認知を広げます。

4メニュー(SP・SB・SBV・SD)の中のターゲティング種別まで細分すると、実際には15〜20パターン程度の配信パターンが存在します。「出稿していない面を洗い出して潰していく」という意識で棚卸しすると、まだ取れる面が見つかるはずです。

自社商品リターゲティング|競合への流出を防ぐ「守りの広告」

意外と実施されていないのに効果が大きいのが、自社商品リターゲティングです。

スポンサープロダクトの商品ターゲティングで、自社の商品ページに自社の別商品の広告を出すという設定です。商品ページの下部にある関連商品枠には競合の広告がずらりと並び、せっかく自然検索や広告で連れてきた顧客を、そこで競合に流出させてしまっています。そこへ自社の別商品を出せば、流出を防ぎつつ自社内で比較検討させられます。

自社商品同士は関連性が非常に高いため、CPCがおおむね1桁台まで下がることもあり、競合ページに出稿するより大幅に安く済みます。自社内で比較してもらうぶん購入率も上がります。商品A・B・Cを持っているなら、AをB・Cのページに、BをA・Cのページに出す、というイメージです。カラー違いや本数違いなど、顧客ニーズの近い商品を3〜4つ以上持っている事業者に特に有効で、単品しか扱っていない場合は成立しません。検索結果の上部を狙うキーワード広告が「攻めの広告」なら、これは「守りの広告」という位置づけです。

出すメニューが決まったら、次に決めるのは金額です。ここからは費用の話に移ります。

Amazon広告の費用相場と予算の決め方|月いくらから始めるべきか

Amazon広告のスポンサー広告に最低出稿金額はなく、日予算数百円からでも配信は始められますが、「いくらから始めるか」は感覚ではなく原価から逆算して決めます。ここでは費用の構造、月商別の予算目安、そして代行を使う場合の相場までを順に整理します。

Amazon広告の費用は「広告費」と「運用費」の2階建てで考える

Amazon広告にかかるお金は、媒体に払う広告費と、運用する人にかかる費用の2つに分かれます。

広告費はクリック課金で変動し、運用費は自社でやるなら担当者の人件費、外部に頼むなら代行手数料になります。このうち見落とされがちなのが自社運用のコストです。担当者がAmazon・楽天・Yahoo!を兼務しているなら、社会保険料まで含めた人件費を各モールに按分し、「Amazonにはこのくらいのリソースを振る」と管理側で決めておかないと、売上が伸びていないのにコストだけ増える状態になりがちです。広告の費用対効果を語るときは、広告費だけでなくこの運用費まで含めて見るのが実務的です。

月いくらから始めるべきか|原価から広告費の上限を逆算する手順

予算の出発点は「いくら出せるか」ではなく、「売上の何%までなら広告に使っても利益が残るか」です。

逆算の考え方はシンプルです。たとえば原価率20%の商品で、Amazonの販売手数料が10%程度、FBA配送料が単価にもよりますが10〜15%程度かかり、最終的に利益を15〜20%程度残したいとします。これらを差し引くと、広告に使える上限はおおむね25%程度と出ます。月商100万円なら広告費枠は25万円程度、という考え方です。原価率が高い食品はより絞らないと利益が残らず、原価率が低く粗利の厚い化粧品・サプリメントは、マーケットの広告競争が激しいこともあってもう少し踏み込むケースもあります。

Amazon広告の予算を原価から逆算するウォーターフォール図解 売上100%から差し引いて広告費上限25%

売上100%から順に差し引いていく形で見ると、広告費が「余ったお金」ではなく設計して確保する枠だと分かります。自社の原価率と配送料を入れて、同じ順番で一度計算してみてください。

この上限%を月商にかけたものが、月あたりの広告予算の目安です。月商規模別に置き直すと次のようになります。

月商規模Amazon広告の月間予算の目安この段階でやること
これから立ち上げ(月商0〜30万円)日予算1,000〜3,000円程度からスポンサープロダクトのオートで検索語句のデータを集める
月商100万円前後おおむね15〜25万円(売上の15〜25%程度)効率の良いキーワードをマニュアルへ切り出す
月商500万円前後おおむね50〜100万円(同10〜20%程度)SB・SBV・SDへ配信面を広げ、除外設定を週次で回す
月商1,000万円以上おおむね50〜150万円(同5〜15%程度)比率を絞りつつ効率を最大化。DSP等の上位メニューを検討
Amazon広告の予算は原価率次第で上下します。表の%はフェーズ別の目安であり、最終的な上限は自社の原価計算から逆算してください(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。

立ち上げ直後で売上がまだ立っていない場合は、「売上の何%」という計算が使えません。この段階は目標月商から逆算した投資枠として広告費を先に置き、期間を区切って踏み込みます。フェーズごとの比率の切り替え方は、後の運用設計の章で詳しく扱います。

Amazon広告の運用代行に頼む場合の費用相場と料金モデル

外部に運用を頼む場合、料金の決まり方は依頼の範囲によって変わります。

広告運用だけを切り出して依頼する場合、私たちの実感でも公開されている各社の料金表でも、「広告費の20%」という設定が最も多く見られます。もう一つのパターンが「固定費+売上の3〜5%程度」で、おおむねこの2つのどちらかです。一方、商品ページの改善や在庫・価格の設計まで含むコンサルティングと運用代行がセットになった支援では、月額はおおむね30〜50万円が中心になります。市場全体で見ると、フルの伴走型は月80〜100万円程度が一つの相場観です。

依頼の仕方(Amazon広告)費用相場の目安向いているケース
Amazon広告の運用代行のみ広告費の20%程度/固定費+売上の3〜5%程度商品ページは自社で作り込めており、広告の手だけが足りない
コンサルティング+Amazon広告の運用代行セット月額おおむね30〜50万円(体制次第で60〜100万円超)商品ページ・在庫・利益構造まで含めて改善したい
自社運用(インハウス)担当者の人件費のみ(広告費は別途)専任担当を置け、週次の改善サイクルを回し続けられる
料金モデルは月額固定型・成果報酬型・その掛け合わせに分かれます。実際のLINK社での契約は固定+成果報酬の掛け合わせがほとんどで、固定のみ・成果報酬のみという契約もありますが少数派です。

「売上ベースの成果報酬は広告費が膨らんで利益を圧迫するのでは」と心配されることがありますが、これは広告費比率(TACoS)の上限をきっちり握ることで解消できます。金額ではなく率で合意しておけば、成果報酬型でも利益は守れます。

※ 代行の費用内訳と選び方をさらに詳しく確認したい方はAmazon広告運用代行とは?費用相場と失敗しない選び方9選もどうぞ。

Amazon広告の出し方・始め方|セラーセントラルからの出稿手順

予算の枠が決まれば、あとは実際に出稿するだけです。Amazon広告の出し方自体は、セラーセントラルの広告メニューから数分で完了します。難しいのは設定そのものではなく、配信を始めたあとに「どこを見て、何を止めるか」です。ここでは出稿手順と、その後の週次オペレーションまでをまとめます。

Amazon広告の出し方5ステップ|キャンペーン作成から配信開始まで

  1. セラーセントラルの「広告」→「広告キャンペーンマネージャー」を開く:広告アカウントが未作成なら、画面の案内に沿って作成します。
  2. キャンペーンの種類を選ぶ:最初はスポンサープロダクトを選択します。ブランド登録済みで認知も広げたい場合のみ、スポンサーブランドを並行して検討します。
  3. キャンペーン名・期間・1日の予算・ターゲティングを設定する:ターゲティングは最初はオートを選びます。日予算は前章で逆算した月間枠を日割りした金額から始めます。
  4. 広告する商品(ASIN)を選び、入札額を設定する:おすすめ出品を獲得している商品を選びます。入札は推奨額を起点に、後述のとおり10〜20円単位で調整していきます。
  5. 内容を確認して配信を開始する:審査を経て、通常は当日〜翌日には配信が始まります。

設定はここまでで完了ですが、成果を決めるのはこの先の運用です。配信開始後の最初の2週間で何をするかを決めておきましょう。

配信開始から最初の2週間の進め方|オートで回してTACoSを測る

最初の2週間は、成果を出しにいくよりもデータを取りにいく期間と割り切ります。

スポンサープロダクトのオートターゲティングを1〜2週間そのまま回し、その期間の売上と広告費からTACoSを算出します。目標に届いていなければクリック単価を上げ、超えすぎていれば10円・20円単位で下げる。この微調整を繰り返しながら、1〜2ヶ月かけて効率の良いキーワードをマニュアルターゲティングへ切り出していきます。日次の数字で一喜一憂せず、1週間単位のまとまったスパンで判断するのがコツです。

Amazon広告のターゲティング種別一覧|完全一致・フレーズ一致・部分一致の違い

マニュアルへ切り出す段階で必ず出てくるのが、キーワードのマッチタイプです。ここを理解しないまま設定すると、次に扱う「無駄打ち」がそのまま発生します。

スポンサープロダクトのターゲティングは、大きくキーワードターゲティングと商品ターゲティングに分かれます。キーワード側は3つのマッチタイプがあり、どれを選ぶかで配信の広さと精度が変わります。

マッチタイプ配信される検索語句「野球帽」で登録した場合の例使いどころ
部分一致キーワードを任意の順序で含む検索。類義語・関連語・単複の違いも対象「割引 野球帽」「赤 帽子 野球用」など最も広い。新しい検索語句の発掘に使う
フレーズ一致キーワードの構成語が同じ順序で含まれる検索「軽量 野球帽」「女の子用 野球帽」など部分一致の広さと完全一致の精度の中間
完全一致登録したキーワードと完全に一致する検索、およびごく近い表記ゆれ「野球帽」のみ最も狭い。関連性が高く購入率が伸びやすい
Amazon広告のキーワードマッチタイプは3種類。左から右へ配信範囲が狭く、関連性が高くなります(出典:Amazon Advertising公式)。

オートターゲティングにも「ほぼ一致」「おおまか一致」「代替商品」「補完商品」の4種類があり、それぞれ個別に入札を調整できます。商品ターゲティングでは、特定のASIN・カテゴリー・ブランドを指定でき、価格帯やレビュー評価で絞り込むことも可能です。SDではさらに、閲覧履歴や購買履歴にもとづくオーディエンスターゲティングが加わります。

実務上の使い分けはシンプルです。発掘は部分一致とオート、刈り取りは完全一致。オートや部分一致で拾った検索語句のうち、実際に売れたものを完全一致へ切り出し、そこに予算を寄せていきます。そして、この「広く拾う」設定を放置すると無駄打ちが積み上がるため、次の除外設定とセットで運用します。

週1回のネガティブターゲティング設定|無駄打ちを止める確認手順

オートターゲティングは無関係な検索語句にも配信されるため、除外(ネガティブ)設定を週1回のルーティンにします。

たとえばチーズケーキを売っているのに「ワッフル」で検索したユーザーに配信される、といったズレが必ず起こります。スイーツという括りでは間違っていなくても、ワッフルを探している人がチーズケーキを買う可能性は低く、競合が人気のワッフルであれば自社商品のクリック率も落ちます。こうしたターゲットを検索用語レポートから拾って除外していきます。

ここで特に注意したい罠が2つあります。ひとつは部分一致で、「靴 夏物」を部分一致で設定すると「靴 冬物」など想定外の掛け合わせにも広がり、1単語のつもりが100語・200語に出稿している状態になります。完全一致であれば配信はその1語に限定されます。もうひとつは商品ターゲティング設定画面の「拡張」オプションで、デフォルトでチェックが入っており、外さないと狙った商品以外の類似商品まで大量に配信されます。私たちは意図的に使う場合を除き、原則この拡張をオフにしています。ここ数年は広告アカウント内の自動最適化機能が増えているぶん、意図しない配信も起きやすくなっています。設定時にデフォルトのチェックを必ず確認する癖をつけてください。

除外の対象はオートだけではありません。マニュアルの部分一致・フレーズ一致、スポンサーディスプレイのオーディエンスターゲティングまで含め、すべての配信面を見て除外をかけにいきます。

検索用語レポートの見方|週次で確認する4つの指標

広告の改善は、感覚ではなく検索用語レポートという一次データから始めます。

これは「実際にどの検索語句で広告が表示・クリック・購入されたか」を示すAmazon広告の最重要データです。毎週ダウンロードして、次の4点を軸に読みます。①表示回数は多いのに購入ゼロの語句は除外候補。②クリック率が低い語句はメイン画像やキーワードの見直しサイン。③クリックはあるのに購入率が低い語句は検索意図と商品のズレを疑います。④ACoSが損益分岐を超えている語句は、入札を下げるか除外します。この週次の確認と前述の除外設定をセットで回すことが、無駄な広告費の積み上がりを止める一番の近道です。

ここまでで「どの語句を止めるか」の判断はできるようになりました。次は、アカウント全体で広告費をいくらに収めるかという、より上位の指標を押さえます。

ACoSとTACoSの違い・目安|原価から逆算して広告費を「率」で握る

Amazon広告を利益につなげる鍵は、ACoSではなくTACoSを主指標に置くことです。私たちがお客様と握るのも、突き詰めればTACoSだけで、ROASも広告費の絶対額も握りません。広告アカウント内のACoSだけを見て意思決定すると、アカウント全体の売上を落とす判断になりかねないからです。まずは2つの指標の違いを正確に押さえます。

ACoS・TACoS・ROASの計算式と、数字の読み違いが起きる理由

  • ACoS= 広告費 ÷ 広告経由売上 × 100(広告単体の効率)
  • TACoS= 広告費 ÷ 全体売上(広告経由+自然検索)× 100(事業全体での効率)
  • ROAS= 広告経由売上 ÷ 広告費(ACoSと逆数の関係)

具体例で見ると違いが一目瞭然です。アカウント全体売上100万円、うち広告経由40万円・自然検索60万円、広告費20万円のケースでは、ACoSは20万円÷40万円で50%、TACoSは20万円÷100万円で20%になります。ACoSだけを見ると「50%も使っていて危険」に見えますが、全体で見れば広告費は売上の20%に収まっており、十分に利益の出る水準です。

Amazon広告のACoSとTACoSを同一ケースで比較した図解 同じ広告費20万円でACoS50%とTACoS20%

分子はどちらも同じ広告費20万円で、違うのは分母だけです。この図で「どの数字を見て意思決定しているのか」を社内で揃えておくと、広告を止めるかどうかの議論が噛み合います。

ここで広告を止めてしまうと何が起きるか。広告をかける最大の目的は、販売個数を伸ばして自然検索の売上まで押し上げることにあります。Amazonの検索順位は直近の販売個数を強く評価するため、広告を大胆に削ると広告経由だけでなく自然検索経由の売上まで連鎖的に落ちます。だからこそ全体最適はTACoSで見て、下げるときも落ちない範囲で徐々に下げます。

なお「ACoSの適正値は20〜30%」という目安がよく語られますが、これは広告単体の一般論にすぎません。読み方としては、TACoSが時間とともに下がっているなら、広告とSEOが噛み合ってオーガニック売上が育っている良い状態。逆にACoSだけ改善してTACoSが下がらないなら、広告依存度が上がっているサインと捉えます。状態別の判断と打ち手を、下の図に整理しました。

Amazon広告 ACoSとTACoSの使い分け 状態別の打ち手 図解

この表は、月次の数字を見たときにそのまま当てはめられるようにしてあります。月初にTACoSを算出したら、自社がどの行にいるかを確認し、その行のレバーだけを動かしてください。

※ ACoSの計算式と改善策をさらに詳しく確認したい方はAmazonのACOSとは?計算式・目安・改善策7選もあわせてご覧ください。

TACoSの目安は商材で変わる|原価率から許容値を決める

TACoSの許容値は、感覚ではなく原価率から決まります。

多くの事業者に当てはまる出発点はTACoS 10〜20%程度ですが、原価率が低い(=粗利が厚い)商材ほど広告費を厚く踏め、原価率が高い商材ほど絞らないと利益が残りません。原価率の目安としては30%程度が一つの基準で、そこから外れる商材ほど設計を変える必要があります。たとえば食品は原価率が高く、パッケージまで含めると40〜50%程度になることも多いため、その場合はTACoSを10%以下に抑えたいところです。逆に化粧品・サプリメントは原価率が10%前後というケースもあり、粗利は厚いぶんマーケットの広告競争が激しく、TACoSが30%程度、ケースによっては40%程度まで踏み込むこともざらにあります。

商材タイプAmazon広告のTACoS目安背景(なぜその水準になるか)
多くの一般的な商材10〜20%程度方程式的な出発点。原価計算で微調整する
食品・飲料(原価率高め)10%以下に絞る場面もパッケージ込みで原価率40〜50%程度になることも多く、絞らないと利益が残らない
化粧品・サプリメント(粗利厚め)30%前後、ケースにより40%程度原価率10%前後のケースもあり粗利は厚いが、広告競争が激しい
Amazon広告のTACoS目安は支援現場での実感であり、業界統計ではありません。同じカテゴリーでも商品・単価・原価率で基準は変わります(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。

目標TACoSが決まったら、それを社内でも取引先とも共有します。私たちはお客様とNDAを結んだうえで原価をヒアリングし、「かけてよい広告費の上限%」を合意してから運用に入ります。ここが曖昧なまま走ると、あとから「効率が悪い」「いや投資だ」という水掛け論になります。

広告予算は「金額」ではなく「率」で握る|固定額運用が失敗する2パターン

社内でも代行会社とでも、広告予算を「月◯万円」という固定金額で握るのはおすすめしません。

たとえば月商100万円の商品で広告費を10万円という固定額に決めてしまうと、両方向に失敗が起きます。売上が伸びているとき——今月が150万円ペースだとして、検索順位が伸びている好機に広告やセールを追加投下すればさらに伸ばせるのに、予算上限に縛られて売上機会を失います。売上が落ちているとき——70万円ペースなのに10万円を消化しきると、TACoSが跳ね上がり、事業として赤字で売上を作ることになります。これが最も避けたい状態です。

物販は母の日などのシーズナリティやアルゴリズム変動の影響を受けやすく、調子が良いときは正のスパイラル、悪いときは負のスパイラルが生まれます。率で握れば、売上に応じて広告費が自動的に伸縮し、その場に応じた適切なアクションが取れます。代行会社を選ぶときも「金額ではなく率で握れるか」を必ず確認してください。

月次でTACoSを確認する運用手順と、超過した月の戻し方

TACoSは事後報告ではなく、翌月の運用目標として扱います。

月次の手順は3ステップです。①セラーセントラルのビジネスレポートで、その月のアカウント全体売上を確認する。②広告アカウントで同期間の広告費を確認する。③広告費÷全体売上でTACoSを算出する。目標20%に対して実績22%なら、徐々に広告を緩めます。逆に実績が10%なら10%分の余力がある、つまり売り残しをしている可能性があるので踏み込みます。

超過した月の報告は、要因だけでなく「翌月の着地目標」と「動かすレバー」をセットで示すと、社内でも顧客とも議論がぶれません。戻すレバーの最優先は圧倒的にメインキーワードのCPC下げです。具体的には、キャンペーンを広告費の消化額が大きい順に並べ、影響度の大きいキャンペーンや広告グループのターゲティングからCPCを下げていきます。入札を「アップ&ダウン」に設定しているなら「ダウンのみ」に切り替えるのも、広い意味でのCPC下げです。急激ではなく、1〜2ヶ月かけて徐々に戻すのが原則です。

逆に増やすときは、好機と判断したら数日で一気に上げます(もちろん様子を見ながらです)。手段は主に「CPCを上げる」「ターゲティングを増やす」「キャンペーンや広告の種類を増やす」の3つです。戻すときは慎重に、踏むときは素早く——このリズムの違いを覚えておいてください。

Amazon広告費が「溶ける」3つの原因と、それぞれの対処

指標の握り方が分かっても、そもそも土台が崩れていると数字は改善しません。広告費が売上につながらず消えていくパターンには、共通する3つの原因があります。そして原因ごとに打ち手がまったく変わるため、予算を増やす前にどれに当てはまるかを必ず切り分けてください。

原因1:商品ページが転換しない(購入率不足)→ 広告の外を先に直す

メイン画像・タイトル・箇条書き・商品紹介コンテンツ(A+)のいずれかが競合水準に届いていないと、クリックを集めても購入に至りません。

ここで見落とされがちなのが、施策の当てどころです。メイン画像はクリック率にも購入率にも効く最重要箇所で、まず着手すべきはここ。一方、サブ画像や商品紹介コンテンツが効くのは購入率のみです。クリック率のほうに課題があるのに商品ページの下の方を作り込んでも、数字は動きません。

そして重要なのは、商品ページの改善が広告効率そのものを押し上げるという点です。単価1万円・CPC100円で、10クリックに1個売れる(購入率10%)なら、広告費1,000円で売上1万円です。ここでページ改善によって購入率が2倍になれば、同じ広告費1,000円で売上2万円になり、広告を1円も触らずに広告効率が2倍になります。しかもこの改善は自然検索から来た顧客にも効くので、広告効率とオーガニック売上の両方が上がります。広告アカウントの中だけで効率を追うとどこかで頭打ちになりますが、外に目を向ければまだ伸びしろがある、というのが実務の感覚です。

原因2:在庫切れのまま広告を回している → 在庫と広告を連動させる

私たちがAmazon運用で最も避けるべきだと考えているのが在庫切れです。

在庫が切れるとおすすめ出品枠を失い、広告はクリックされても購入されません。さらに、検索順位で最も重要なシグナルである直近の販売個数が一定期間ゼロになり、在庫切れそのものに対する評価上のダメージも重なります。一度切らすと順位はすぐには戻りません。

対処は運用ルールの明文化です。目安として直近の販売ペースで2ヶ月分程度の在庫を常時FBAに入れ、残り1ヶ月分を切ったら追加納品する。加えて、最低でも週次で販売数量をチェックし、向こう1ヶ月の販売見込みを更新して在庫繰りに反映します。成長期は販売速度が過去実績を上回るため、過去平均ベースの発注では構造的に欠品しやすいからです。プライムデー前などビッグセール前は在庫反映が大幅に遅れることもざらにあるので、広告のスケジュールと在庫は必ず連動させてください。

原因3:利益の出ないSKUに広告を投下している → 原価計算で上限を出す

1個売れたときに手元に残る利益がマイナス、つまり売れるほど赤字になる価格設定のSKUに広告を投下すると、売上が増えるほど損失が膨らみます。

販売価格からAmazonの販売手数料・FBA配送料・製品原価を引いて、広告費を乗せても利益が残るかを先に確認してください。ここで利益が残らないなら、打ち手は広告ではなく原価構造か価格の見直しです。原価には交渉の余地があり、OEMメーカーは最初の見積もりを高めに出してくることが多いため、新商品の開発時は最低2回は仕切り値の交渉をするくらいでちょうどよいと考えています。広告は利益が出る土台の上ではじめて「投資」になり、土台がなければ「コスト」にしかなりません。

3つの原因を振り分けると、打ち手は自ずと決まります。購入率が低いならページ改善、在庫が不安定なら発注ルール、利益が出ないなら原価と価格——いずれも広告アカウントの外側の仕事です。ここが整ったうえで、はじめて広告の踏み方をフェーズごとに設計する段階に入ります。

「広告費が溶けている」のが、ページ・在庫・原価のどれなのか切り分けできていますか。

LINK株式会社では、広告アカウントだけでなく商品ページ・在庫・利益構造まで横断で確認し、いま直すべき順番を整理してお渡しします。

  • 広告費が売上につながらない原因の切り分け
  • 原価計算にもとづく広告費上限(TACoS)の再設計
  • 元Amazon Japan出身の視点でのアカウント構造レビュー

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フェーズ別のAmazon広告 運用設計|立ち上げ期・拡大期・セール期

同じTACoSという指標でも、立ち上げ期と回収期では踏み方が正反対になります。利益が残らない事業者に共通するのは、このフェーズ設計がないまま広告費をかけ続けていることです。あらかじめ期間を区切り、フェーズごとの比率を決めておきましょう。

立ち上げ期の広告設計|期間を区切って比率20%程度まで踏み込む

立ち上げ・ブランド構築のフェーズは、原価計算上トントン〜多少の赤字も覚悟して踏み込みます。

目安は広告費比率20%程度まで。あわせてセールも打ち続け、販売個数を積み上げて検索順位という資産を作りにいきます。ポイントは、「立ち上げから3ヶ月」あるいは「半年」と期間をあらかじめ決めておくことです。目指す年商規模や初期投資額によって適切な期間は変わりますが、期限を切らないと投資フェーズがいつまでも終わらず、赤字を踏み続ける状態になります。月商300万〜1,000万円規模まで来ているのに赤字を踏み続けるのは、事業として無理があります。

なお、立ち上げ期は広告と同時にレビューの初速も作っておくと、同じ広告費で得られる成果が変わります。レビューがゼロの状態で購入してもらうのは非常に難しく、購入率はレビュー数に応じて階段状に跳ねるためです。私たちは新商品を出したらAmazon Vineは必ず実施する方針で、まずはレビュー数の「10個の壁」を最優先で越えにいきます。

拡大・回収期の広告設計|比率を10%前後に切り替えて効率を最大化する

立ち上がって利益を残すフェーズに移ったら、比率を切り替えます。

目安は広告費比率10%前後。粗利率の高いマーケットなら5〜7%という低いレンジで運用し、決まった予算の中で効率を最大化するテクニックを入れていきます。運用が安定している段階では、おおむね10〜15%が現実的な適正イメージです。

ここで多いのが「広告を落としたら売上が全部下がるのでは」という恐怖から下げられないパターンです。私たちもお客様の売上と利益を預かる立場として同じ緊張感を持っています。だからこそ一気に半減させるようなことはせず、1〜2ヶ月かけて徐々にコントロールします。初期設計をミスすると後から取り返しがつきにくいため、アカウント立ち上げ時点での広告費設計は特に丁寧に行ってください。

セール期の広告設計|最終日夜間の入札強化とセール後の評価方法

大型セールは、広告の踏みどころを事前に設計しておくと効果が段違いです。

まず、年間でどこに山が来るかを押さえておきましょう。Amazon.co.jpの主要セールは次のとおりです。

セール名例年の開催時期広告運用での位置づけ
Amazon 初売り1月上旬(2026年は1月3日から5日間)年始の需要期。前年の売れ筋で在庫を厚めに
新生活セール3月上旬(2026年は3月6日〜9日)生活用品・家具家電の入れ替え需要
プライムデー7月中旬(2026年は7月10日〜13日、先行セールは7月7日〜9日)年間最大級。先行より本セールにセッションが集中
プライム感謝祭10月上旬年末商戦の前哨戦。ブラックフライデー向けの検証機会
ブラックフライデー11月下旬〜12月上旬年末商戦の本番。期間が長く在庫切れリスクが高い
開催日程は毎年変わります。出稿計画を立てる際はセラーセントラルの告知とAmazon公式ページで最新日程をご確認ください(出典:About Amazon Japan)。

広告の準備は、セール開始の直前ではなく在庫の納品リードタイムから逆算して始めます。ビッグセール前はFBAの在庫反映が大幅に遅れることもざらにあり、広告を強めた当日に在庫が切れているのが最悪のパターンだからです。

プライムデー・秋のプライムデー・ブラックフライデーに共通する傾向として、先行セールより本セールのほうがセッションが集まり、最終日の21〜24時に購買が最も集中します。この時間帯は入札競争も激化するため、事前設定のままだと表示シェアを失います。おすすめは、最終日の夜間にリアルタイムで入札を引き上げる「張り付き運用」を、担当者の頑張り任せにせず事前のシフトとして組んでおくことです。入札を上げてもTACoSの上限に収まるよう天井を先に設定し、先行と本番でリソース配分を変える前提で計画します。

セールの評価は、期間中売上だけで見ないでください。セールの本当の価値は、販売速度の一時的なブーストがもたらすランキング上昇と、その後のオーガニック売上の底上げにあります。①期間中売上、②期間後のキーワード順位、③期間後のオーガニック売上水準——この3点で評価し、順位が上がったキーワードはその後の広告強化の対象に加えます。比較対象は通常期ではなく前回参加したセールにすると、期待値が正しく持てます。

もうひとつ、セール期に見落とされがちなのが競合の動きです。同じ検索面で競合だけが割引バッジや参考価格の取り消し線を持っていると、相対的にクリック率と購入率を奪われます。監視はカテゴリー全体ではなく自社が実際に戦っている検索上位のプレイヤーに限定し、競合のセール頻度が高い期間は、利益率とTACoS目標の範囲内で対抗タイムセールを設計します。

※ 検索上部の面を取りにいく設計はAmazon スポンサーブランド広告とは?運用7ステップと費用対効果の最大化もあわせて確認してみてください。

Amazon広告の成功事例|支援現場で数字がどう動いたか

ここまでの考え方が、実際にどう数字に表れるのか。共通するのは、広告アカウントの操作だけで伸びた事例がほとんどないという点です。広告と、その外側にある商品ページ・在庫・利益構造の両方を動かしたときに、数字が跳ねています。

事例1:商品ページの改善で広告効率が上がった健康食品メーカー

支援先の健康食品メーカーでは、月商60万〜70万円程度をうろついていた状態から、商品ページに動画を実装したあとに月商100万円程度で安定するようになりました。

動画は本来、購入率を上げる施策として知られていますが、実際には検索順位が上がる施策としても機能しています。このケースでも対象キーワードの検索順位が20位台から10位前半程度まで引き上がり、複数キーワードで同時に上昇しました。公開されているロジックではありませんが、支援現場での実感として、商品ページの情報量が豊富であるほど評価が上がる傾向があります。広告費を1円も増やさずに、購入率と流入の両方が改善した形です。

事例2:メイン画像の改善でクリック率が上がったスイーツ商品

単価3,000円程度のスイーツ商品で、レビューもそれほど多くない状態から、メイン画像を変えただけでクリック率が2%程度から3%程度に向上しました。

クリック率は広告アカウントでしか取得できないため、広告のクリックスルー率を指標にA/Bテストしています。広告データを「広告の改善」ではなく「商品ページの改善」に使う——この使い方ができると、広告アカウントは単なる出稿ツールから検証環境に変わります。なお、メイン画像の変更自体には検索順位が動くリスクがあるため、セール期間など変動要因を除いた1週間程度で判断するのが実務的です。画像の規約は変わりうるので、制作前にAmazon公式のガイドラインを確認してください。

事例3:自社商品リターゲティングで成果が出た月商1,000万円規模の事業者

月商1,000万円程度の事業者で、自社商品リターゲティングだけを導入して大きな効果が出たケースがあります。

設定自体は難しくないのに、意外なほど実施されていない施策です。運用代行を使っている場合は、自分の商品ページを開いて自社の別商品の広告が出ているかを確認し、担当者に「これは効果的ですか」と聞いてみるだけでも、運用の丁寧さを測る材料になります。

これらの積み重ねとして、LINK株式会社は支援企業100社以上(プライム上場企業から中小企業まで)、売上平均上昇率420%以上・サービス満足度97%以上・1年以上継続率90%以上という実績があります。立ち上げ3ヶ月で月商1,500万円を突破した事例や、月商80万円から1.5年で2,000万円へ伸ばした事例もあります(出典:LINK株式会社 支援実績データ)。

自社運用の限界と、Amazon広告を代行に切り替える判断基準・費用

自社運用の限界は、知識の不足よりも「週次のメンテナンスを続ける時間とリソースの不足」として現れます。ここまで読んで「やることは分かったが、これを毎週回し続けるのは難しい」と感じたなら、それが切り替えを検討するサインです。判断のチェックリストと、支援会社を見極める観点を整理します。

自社運用と代行の判断チェックリスト|6項目で見極める

次の6項目のうち2つ以上に当てはまるなら、代行への切り替えを検討する目安です。4つ以上なら、自社運用を続けるほうが機会損失と広告費のロスが積み上がりやすい状態と考えてください。

  • ACoSが2ヶ月以上、損益分岐を超え続けていて改善の見通しが立たない
  • TACoSを月次の議題に上げられておらず、アカウント全体の広告費比率を把握できていない
  • 原価計算をしたことがなく、広告費の上限(%)を設定できていない
  • 週1回の除外設定・検索用語レポートの確認が習慣化できていない
  • スポンサープロダクト以外のメニューに手が回らず、配信面を取りこぼしている
  • 担当者が他業務と兼任で、広告改善に充てられる時間が週2時間に満たない

どれだけ優れた手法を知っていても、実行し続ける体制がなければ成果は出ません。ここは「知っているか」ではなく「回し続けられるか」で判断してください。

支援会社を見極める4つの確認ポイント|発注前に必ず聞くこと

切り替えると決めたら、次は選び方です。実績の派手さよりも、次の4点を必ず確認してください。

  • 実際に運用する担当者は誰か:営業担当と実務担当が別人というのは非常によくあるパターンです。営業には社内でも優秀な人材が配置されることが多く、その方に魅力を感じて発注したのに、始まってみたら経験の浅い担当がつく、というギャップが起こりえます。誰が運用し、品質管理は誰が担うのかを聞き、濁されるようなら慎重に判断します。
  • 何名体制で支援するのか:個人1名の掛け持ちか、組織のチーム体制かで、対応スピードとリスクが変わります。理想は品質管理者・フロントのディレクター・実務担当の3名体制です。当然コストは上がるので、費用とのバランスで判断します。
  • 代表や責任者の経歴は「どの部署」か:「Amazon出身」という肩書きだけでは判断できません。同じAmazon社内でも部署によって身につく力は大きく異なるためです。あわせて、売上だけでなく利益・在庫・ブランドまで一緒に考えてくれる相手かを見ます。
  • 対応範囲に商品ページの改善が含まれるか:広告効率は広告アカウントの中だけでは頭打ちになるため、広告運用だけを切り出して依頼すると成果が伸び悩みやすくなります。ページ改善には商品カタログの編集権限が必要なので、相乗り出品ではなくアカウント本体を扱う構成になっているかもあわせて確認します。

発注者にとって最大の損失は、トラブルよりも「思ったように売上が上がらないまま3〜4ヶ月を失うこと」です。上の4点は、その時間を守るための質問だと考えてください。

言葉だけでは伝わりにくい支援の中身は、短い動画でも紹介しています。広告の運用代行に何をどこまで任せられるか、イメージをつかむ参考にしてください。

Amazon・楽天の運用代行サービス紹介|LINK株式会社

※ 具体的な進め方やご状況に合った体制は、記事末尾の無料相談にて個別にお答えします。

LINK株式会社がAmazon広告の支援で選ばれる理由

  • Amazon公認パートナー(Adsパートナー認定):代表・南雲がリクルート、Amazon Japan(ECコンサルタント)を経て創業し、広告の運用設計に知見を反映します。
  • 最低3名体制:パートナー・PM・実行担当の役割を分け、属人化を避けて品質とレスポンスを担保します。
  • 利益で握る運用:ACoSの見た目ではなく、原価計算にもとづくTACoSの上限で握り、広告費が利益を圧迫しない設計にします。
  • 広告の外まで含む対応範囲:商品ページ・在庫・レビューまで横断して改善するため、広告効率の頭打ちを外側から解消できます。

Amazon広告に関するよくある質問(FAQ)

Amazon広告の出し方が分かりません。何から始めればいいですか?

セラーセントラルの「広告」→「広告キャンペーンマネージャー」から、スポンサープロダクトのオートターゲティングで始めるのが定石です。設定がシンプルで、実際に売れる検索語句のデータを集められます。

1〜2週間回してTACoSを確認し、成果の出たキーワードをマニュアルへ切り出します。ブランド登録があればスポンサーブランドやスポンサーディスプレイへ広げ、配信面を漏れなく押さえていきます。

Amazon広告の費用はいくらからですか?最低出稿金額はありますか?

出品者向けのスポンサー広告はクリック課金制で、公式に最低出稿金額は設けられていません。日予算を数百円から設定して当日開始できます。

1クリックの単価はカテゴリーや競合の入札状況で数十円〜数百円まで幅があります。大切なのは金額の絶対額よりも、売上に対する広告費比率(TACoS)で管理することです。運用代行を使う場合は、広告費とは別に手数料が発生します。

Amazon広告は月いくらの予算から始めるべきですか?

原価から逆算した「売上の何%まで使えるか」で決めます。原価率20%・販売手数料10%程度・FBA配送料10〜15%程度で、最終利益を15〜20%程度残すなら、広告費の上限はおおむね25%程度です。

月商100万円なら広告費枠は25万円程度という計算になります。売上がまだ立っていない立ち上げ期は、日予算1,000〜3,000円程度から始めてデータを集め、期間を区切った投資枠として設計してください。

ACoSの適正値はどのくらいですか?

一般的な目安は20〜30%と言われますが、本質的にはTACoSで判断します。ACoSの適正ラインは商品の粗利率によって変わるためです。

まず自社の損益分岐ACoS(=粗利率)を計算し、それを絶対ラインにします。そのうえで、TACoSが時間とともに下がっているか(=広告とオーガニックが噛み合っているか)を主指標に置いてください。

ACoSとTACoSはどちらを重視すべきですか?

全体最適で見るTACoSを重視します。ACoSは広告経由売上だけを分母にするため、自然検索の売上を無視した局所最適に陥りやすいからです。

ACoSが50%でもTACoSが20%なら利益は出ます。広告の目的は販売個数を伸ばして自然検索の売上まで押し上げることにあるので、握る指標はTACoSに置くのが実務的です。

広告費を金額で決めてはいけないのですか?

「月◯万円」の固定額ではなく、原価計算から逆算したTACoS(率)で決めることをおすすめします。固定額だと、売上が伸びた好機に踏み込めず、売上が落ちた月にはTACoSが跳ね上がって赤字で売上を作ることになるからです。

原価率・販売手数料・配送料・残したい利益から広告費の上限%を出し、フェーズ(立ち上げ期は20%程度、回収期は10%前後)で切り替えます。代行に依頼する場合も「率で握れるか」を確認してください。

ブランド登録がなくてもAmazon広告は出せますか?

スポンサープロダクト広告は、大口出品者でおすすめ出品の要件を満たしていれば出稿できます。まずはここで実績を積むところから始められます。

一方、スポンサーブランド広告・スポンサーブランド動画広告はブランド登録済みの取引企業などが対象です。スポンサーディスプレイ広告は、ブランド登録済みの取引企業または大口出品者が利用できます。最新の条件はAmazon Advertisingの公式ページでご確認ください。

スポンサーTV広告はまだ使えますか?

「スポンサーTV広告」は「ストリーミングTV広告」へ名称が変更されています。既存のキャンペーンはそのまま継続でき、新しく作る場合は「ストリーミングTV」を選択します。

Prime VideoやTwitch、スポーツのライブ中継、Fire TVチャネルなどに動画広告を配信でき、課金は1,000インプレッションあたりのCPMです。スポンサー広告のコンソールから購入する場合、最低出稿要件は設定されていません。ただし公式に対象として記載されているのはブランド登録済みの米国の出品者・取引企業・代理店などで、「Amazon内での出品の有無を問わない」のはAmazon DSP経由の動画広告の条件です。日本のアカウントで使えるかは提供状況によって変わるため、公式ページでご確認ください。

広告を出しているのに表示されないのはなぜですか?

最も多い原因は、おすすめ出品(カート)を獲得できていないことです。スポンサープロダクトはおすすめ出品の要件を満たす必要があるため、価格・在庫・配送実績を先に確認します。

そのほか、入札額が競合に対して低すぎる、日予算を早い時間で使い切っている、審査が完了していない、といった原因もあります。在庫切れは表示だけでなく検索順位にも影響するため、真っ先に確認してください。

まとめ:Amazon広告は「率で握り、フェーズで設計する」

Amazon広告の出し方から利益改善までを、改めて要点で整理します。

  • 出稿の前に3条件を確認する:大口出品プラン・おすすめ出品の獲得・ブランド登録。スポンサープロダクトなら、大口出品とおすすめ出品の獲得があれば始められます。
  • 広告の種類は「検索・動画・追客」の3系統で捉える:配信面を漏れなく押さえたうえで、商材とフェーズに合わせて配分します。順番は刈り取り→追客→認知拡大です。
  • 予算は原価から逆算する:原価率・販売手数料・配送料・残したい利益から広告費の上限%を出し、月商にかけて予算枠を決めます。
  • 握る指標はTACoS:ACoSの見た目に振り回されず、全体売上に対する広告費比率で全体最適を取ります。
  • 広告費が溶ける原因は3つ:購入率不足はページ改善、在庫切れは発注ルール、赤字SKUは原価と価格。原因ごとに打ち手が変わります。
  • フェーズで比率を切り替える:立ち上げ期は20%程度まで踏み、回収期は10%前後へ。踏むときは素早く、戻すときは1〜2ヶ月かけて。
  • 限界は早めに見極める:週次のメンテナンスを回せる時間がないなら、担当者・体制・対応範囲の観点で代行を検討します。

これらを日々の業務と並行して回し続けるのは、想像以上に負荷の高い仕事です。工数・専門知識・改善サイクルの継続性を同時に確保するには、実行体制そのものの設計が要になります。

「広告費が溶けている」「ACoSが下がらない」を、土台の診断から。

LINK株式会社は、支援企業100社以上・売上平均上昇率420%以上の実績と、Amazon公認パートナー(Adsパートナー認定)としての知見で、広告設計から改善まで一気通貫でご支援します。まずは無料相談にて、ご状況に合わせてボトルネックを特定するところから始めましょう。

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参照した一次情報・公式情報
  • Amazon Ads「スポンサープロダクト広告」(大口出品・おすすめ出品の要件、クリック課金)
  • Amazon Ads「スポンサーブランド広告」(利用条件・課金方式・掲載面)
  • Amazon Ads「スポンサーブランド動画広告の仕様」(動画の尺は6〜45秒、20秒以下を推奨)
  • Amazon Ads「スポンサーディスプレイ広告のすべて」(CPC/vCPM、利用条件、Amazon内外への配信)
  • Amazon Ads「ストリーミングTV広告」(スポンサーTV広告からの名称変更、CPM課金、最低予算なし)
  • Amazon Ads「Prime Video広告」(購入方法、プレロール/ミッドロール)
  • Amazon Ads「Amazon DSP」(セルフサービスとマネージドサービス、最低費用)
  • Amazon Ads「Brand+が世界中で利用可能に」(2026年1月30日一般提供・日本を含む)
  • About Amazon Japan「Prime Videoについてのお知らせ」(日本での広告導入)
  • Amazon Ads「スポンサープロダクト広告のターゲティングに関するガイド」(完全一致・フレーズ一致・部分一致の定義、オート/商品ターゲティング)
  • About Amazon Japan「プライムデー2026の開催日」(先行セール・本セールの日程)
記事監修
  • 公開日:2026年3月25日 / 最終更新日:2026年7月19日
  • 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan / Amazon公認パートナー)
  • 本記事はAmazon Advertising公式情報およびAmazon公式ヘルプ、ならびにLINK株式会社の支援実績(100社以上)データを基に作成しました。

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