Amazonブランド分析とは何かを6レポート別に解説。日本で使える範囲と権限の条件を元Amazon出身者が整理。
「ブランド分析を開いても、数字が多すぎて結局そっと閉じている……」
「広告も画像も“なんとなく”で、無料の公式データを活かせていない……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazonブランド分析の6つのレポートと使い方を解説します。ブランド登録を終えた事業者から、開いてはみたものの数字が多すぎて閉じてしまった、という声を支援の現場でよく聞きます。つまずく原因はレポートの数ではなく、どの数字が何を指しているかを取り違えたまま打ち手を決めることにあります。本記事では、Amazon公式ヘルプで確認できる仕様を土台に、6つのレポートを見る単位ごとに整理します。そのうえで、実際に使っている読み方と、あえてやらないと決めている使い道までお伝えします。
この記事のまとめ
- Amazonブランド登録(Brand Registry)を済ませただけでは使えません。出品用アカウントが、そのブランドの「ブランド特典」に招待されている必要があります。
- 日本で使えるレポートは6つ。検索系が3つ、購買系が3つに分かれます。
- 見る単位が違い、市場全体・自社ブランド・商品単位が混在します。
- リピート購入行動は初回の注文を除外して集計され、返品やキャンセルは反映されません。
- 広告レポートの数字とは突き合わせない、というのが公式の案内です。
- 顧客属性がわかる統計ダッシュボードは、公式に米国限定です。
商品名の変更で検索順位を落とす話は、解説動画でも扱っています。
Amazonブランド分析とは?使える人の条件と開き方
Amazonブランド分析は、自社商品まわりの検索と購買を、Amazonの実データで確認できる無料の公式機能です。広告費をかけずに、顧客がどう探して何を買ったかがわかります。まずは全体像から押さえましょう。

この図の左から順に見ていきます。まずは「そもそも自社は使えるのか」からです。
ブランド分析でわかること(市場のデータと自社のデータの両方)
ブランド分析でわかることは、大きく2つに分かれます。
- Amazon全体の検索データ。いまよく検索されている言葉と、その検索でクリックされた商品がわかります。
- 自社商品の検索・購買データ。自社商品がどの言葉で表示され、どこで離脱したかがわかります。
市場と自社を同じ画面で突き合わせられるのが、外部ツールにはない価値です。狙うべき言葉と、自社が取りこぼしている言葉を、同じ土俵で比べられます。
公式ヘルプはこの機能を、戦略的な判断を下すための分析情報だと説明しています。対象として挙げられているのは、商品ポートフォリオ、マーケティング、広告活動です。つまり日々の数字を眺める道具ではなく、どこに投資するかを決めるための材料という位置づけです。
なお公式ヘルプには、必ずAmazonブランド分析の利用規約を確認し、遵守するようにとも書かれています。取得したデータを社外に共有したり二次利用したりする予定があるなら、先に条件を確認しておきましょう。
使える条件は3つ。ブランド登録だけでは足りない
ここが最初のつまずきどころです。ブランド登録を済ませただけでは、ブランド分析は使えません。
必要なのは、次の3つがすべて揃っている状態です。ひとつでも欠けると、メニューにブランド分析が出てきません。
- 商標を取り、Amazonブランド登録を済ませる
登録商標が必要です。ここが最初のハードルになります。 - 出品用アカウントを「ブランド特典」に招待してもらう
登録しただけでは紐づきません。招待するのは、ブランド登録を申請した「ブランド管理者」です。Brand Registryの「出品用アカウントの管理」画面から行います。 - 担当者に「Amazonブランド分析」の権限を付ける
セラーセントラルのユーザー権限で、アカウント管理者が付与します。
とくに1つ目は、他の2つと性質が違います。商標は出願から登録まで、費用も期間もかかります。思い立ってすぐ使える機能ではないので、ここだけは先に着手しておきましょう。※費用と期間の目安はAmazonブランド登録の費用と期間は?申請3ステップまで解説にまとめています。
公式は、2つ目まで満たした出品者を「ブランド代表者」と呼びます。ブランドの中の人で、Amazonでの販売に責任を負う立場、という意味です。
詰まるのは、たいてい2つ目です。ブランド登録をメーカーや本社、外部の代行会社が申請した場合、その作業だけでは自社の出品用アカウントが紐づきません。自分がどの状態かは、Brand Registryの「ブランド特典の利用資格」ページで確認できます。
セラーセントラルでの開き方と、データが反映されるまでの時間
セラーセントラルにログインし、上部メニューの「ブランド」から「ブランド分析」を開きます。画面内で各レポートを切り替えます。
反映のタイミングも押さえておきましょう。公式ヘルプは「データは通常、一定期間の終了後72時間以内に確認できる」と案内しています。昨日の施策が今日の数字に出ていなくても、異常ではありません。3日前後のずれを前提に見るのが正解です。
もう一点、日本で使える範囲も先に押さえておきましょう。ブランド分析のレポートは、日本では6つ確認できます。顧客属性がわかる「統計ダッシュボード」は、公式に「米国でのみ利用できます」と明記されています。
日本のアカウントで見当たらないのは仕様どおりで、権限の問題ではありません。解説によってレポートの数が違うのは、この地域差が反映されていないことがあるためです。
ブランド分析が開けないときの原因と、誰が何をするか
メニューに見当たらない、あるいは開けない場合は、原因を2つに切り分けましょう。メニュー自体が無いのか、開こうとして権限エラーが出るのかで、行き先が変わります。
| 症状 | 考えられる原因 | 誰が何をするか |
|---|---|---|
| メニューに「ブランド分析」が出てこない | 出品用アカウントがブランド特典に招待されていない | ブランド特典の利用資格ページで自社の状態を確認する |
| 開くと「このページにアクセスする権限がありません」と出る | アカウント内のユーザー権限が無い | アカウント管理者がグローバルユーザー権限ページで「Amazonブランド分析」を付与する |
| 資格を満たしているはずなのに使えない | 登録情報の紐づけの問題 | Amazonテクニカルサポートに問い合わせる |
運用を外部に任せている場合、この違いは実務に直結します。代理店の担当者が自分のアカウントでブランド分析を開けないのは、多くの場合そもそもの仕様どおりです。
「うちはそもそも使える状態なのか」が分からないままになっていませんか。
ブランド特典への招待、アカウント内の権限、商標とブランド登録の状態は、どこか一つが欠けるだけでブランド分析は開けません。無料相談では、いまどの段階で止まっているかの切り分け方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
6つのレポートで何がわかるか【一覧と使い分け】
6つのレポートは、「検索を見る3つ」と「買われ方を見る3つ」に分かれます。まずは名前と、それぞれ何がわかるかだけ押さえてください。

集計している範囲まで含めて一覧にすると、次のようになります。自分がいま知りたいことが、どの行にあたるかを探してください。
| レポート名 | 集計している範囲 | 主な使い道 |
|---|---|---|
| Amazon検索用語レポート | Amazon全体の検索 | 商品名に入れる言葉を決める |
| 検索クエリパフォーマンス | 自社ブランドの検索ファネル | 取りこぼしているクエリを探す |
| 検索カタログパフォーマンス | 自社商品ごとの検索ファネル | 直す商品を1つに絞る |
| リピート購入行動 | 自社ブランド・商品の再購入 | 定期化を狙う商品を選ぶ |
| 顧客ロイヤルティ分析 | 顧客ごとの購入の深さ | 働きかける相手を決める |
| マーケットバスケット分析 | 同時購入された商品の組み合わせ | 次に作る商品を考える |
検索を見る3つは、母集団が入れ子になっています。Amazon全体の検索のなかに自社ブランドの検索があり、そのなかに商品ごとの検索がある、という関係です。買われ方を見る3つは、これとは別の軸で切ったデータになります。
Amazon検索用語レポート(市場全体の検索頻度ランキング)
Amazon検索用語レポートは、一定期間にAmazonでよく検索された言葉のランキングです。自社商品に限らない、市場全体のデータである点が他の5つと違います。
各キーワードについて、検索後にクリックされた上位3商品が表示されます。あわせて、商品ごとのクリック数割合とコンバージョン割合も見られます。公式ヘルプによると、前週のクリック上位3商品から外れた商品を示す表もあり、こちらは毎週更新されます。
正直なところ、支援の現場でいちばん多用しているのがこのレポートです。商品名を改善するときのメインツールにしていて、初めて開く方には「まずここから」と伝えています。
読み方はかなり感覚的な目安ですが、検索頻度ランクを桁で捉えています。3桁台なら超ビッグワード、4桁台もビッグワード、5桁台でミドルキーワードという感覚です。商品にもよりますが、この5桁台くらいまでのキーワードは、できるだけ商品名に入れたいと考えています。
検索クエリパフォーマンス(自社ブランドの検索ファネル)
検索クエリパフォーマンスは、自社ブランドの商品が関連づいたキーワードごとの成績を見るダッシュボードです。クエリ数、インプレッション数、クリック数、カートに入れた数、購入数が並びます。
公式ヘルプによると、ブランドビューで表示されるクエリは最大1,000件です。クエリの詳細ビューも用意されています。そのクエリで上位10件のASIN(Amazonの商品識別番号)と、自社商品を並べて比較できます。勝てているクエリと負けているクエリを、同じ土俵で確認できます。
集計範囲には前提があります。含まれるのは、検索結果ページで発生したオーガニック検索とスポンサープロダクト広告の検索です。「上位評価」「新着商品」などのウィジェット経由の流入は含まれません。「売れているのに数字が小さい」と感じたら、この前提を疑いましょう。
検索カタログパフォーマンス(商品ごとの検索ファネル)
検索カタログパフォーマンスは、同じファネルを商品単位で見るダッシュボードです。検索クエリパフォーマンスと対になっており、公式には「ブランド分析検索ダッシュボード」としてまとめて案内されています。
クエリ単位では「どの言葉で負けているか」がわかり、商品単位では「どの商品を直すか」が決まります。表示は取れているのにクリックされない商品と、クリックされるのに買われない商品では、打ち手がまったく違います。直す対象を1つに絞るためのレポートだと考えてください。
リピート購入行動(初回の注文は除外して集計される)
リピート購入行動は、ブランド別・商品別に、リピート売上・リピート注文商品数・リピーター数を見るダッシュボードです。定期化を狙う商品を選ぶときの材料になります。
ここには、知らないと数字を読み違える仕様が3つあります。公式ヘルプの記載を、そのまま押さえておきましょう。
- 最初の注文は除外されます。期間内に2回以上注文した購入者の、2回目以降だけがリピートとして数えられます。
- 返品とキャンセルは反映されません。注文の修正はリピート購入の計算に含まれない、と明記されています。
- リピート注文数とリピート注文商品数は一致しません。1件の注文に同じ商品が複数入ることがあるためです。
初回が除外されるということは、この数字は売上そのものではありません。「繰り返し買われているか」だけを見る指標として扱いましょう。データは3年分保存され、ASIN検索は一度に最大100件まで指定できます。
顧客ロイヤルティ分析(顧客をRFMで4段階に分ける)
顧客ロイヤルティ分析は、購入者をブランドとの関係の深さで分類するダッシュボードです。リピート購入行動が「商品が繰り返し買われたか」を見るのに対し、こちらは「誰がどの状態にいるか」を見ます。
公式ヘルプによると、分類にはRFMという手法を使います。直近購入日・購入頻度・購入金額の3軸で顧客を評価するやり方です。顧客は次の4つに分かれます。
- 優良:直近で買っていて、頻度も高く、購入金額が最も大きい層。
- 有望:直近で買っていて、頻度は時々。購入金額は平均を上回る層。
- リスクあり:最近も頻繁にも買っておらず、購入金額はまちまちな層。
- 休眠:長期間にわたって購入がなく、頻度も低い層。
ブランドビューでは、各セグメントの顧客数・注文数・売上に加えて、新規顧客やリピーターの指標も確認できます。リスクありと休眠をどう戻すかが、このレポートでの実務の焦点になります。
セグメントビューでは、セグメントごとの推奨アクションと、顧客生涯価値(CLV。1人の顧客が将来もたらす売上の予測)が表示されます。ただしこの予測は月次更新であり、将来の売上を保証するものではないと公式に明記されています。過去12か月の推移も追えます。
なおこのレポートは、日本のセラーフォーラムでも利用が案内されています。ただし詳細な仕様を載せた公式ヘルプは米国版にあります。まずは自社アカウントの「ブランド」メニューに表示されるかを確認しましょう。
マーケットバスケット分析(同時に買われた上位3商品)
マーケットバスケット分析は、自社商品と同時に最もよく購入された上位3商品と、その頻度を見るダッシュボードです。公式ヘルプは、セット品やクロスマーケティングの機会を特定できる、と説明しています。
見落とされがちなのが「表示」ドロップダウンです。ここで「同じブランドの組み合わせのみ」と「同じブランドの組み合わせを除く」を切り替えられます。前者は自社商品同士の併売、後者は他社商品との併売を見るための切り替えです。後者を選ぶと、自社の枠を他社に取られている場面が見えることがあります。
レポートを開いたものの、どこから手を付けるかで止まっていませんか。
見るべきレポートは、いま解きたい課題によって変わります。無料相談では、貴社の商材と現在の売上構成を伺ったうえで、最初に開く1つをどう選ぶかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
レポート別・売上につなげる使い方
ここからは、レポートで見つけた数字を打ち手に変える段階です。最初に触るのは商品名ですが、触り方を間違えると順位を落とします。判断の分かれ道を先に示します。

検索用語を商品名に反映する(ただし大幅変更はしない)
手順そのものは単純です。
- Amazon検索用語レポートで、実際に検索されている言葉と桁を確認する
- 検索クエリパフォーマンスで、自社が取りこぼしているクエリを洗い出す
- 優先度の高い言葉を、商品名と広告の両方に反映する
問題はここからです。商品名の大幅な変更は、検索順位を落とすリスクがあります。解説動画「Amazon SEOで絶対にやってはいけないTOP3」でも、やってはいけない第3位として扱っています。
影響の大きさは、支援現場での実感としておおむね次のとおりです。月商100万円ほどの商品に大幅な変更を加えると、直後の1ヶ月は月商が70万〜80万円程度まで落ち込みます。狙っていたビッグワードの順位も2〜3位程度まで下がり、1ヶ月ほどかけて徐々に戻ります。あくまで実感値であり、業界統計ではありません。
一方で、商品名の末尾に単語を足す程度なら、順位への悪影響はほとんど見られません。季節商材であれば、シーズンのおおむね1ヶ月前から末尾に季節の言葉を足しておく形が使えます。検索ボリュームが立ち上がる前に仕込んでおくイメージです。
では大幅変更は絶対に避けるべきかというと、そうとも限りません。月商50万円以下の商品なら、中長期で見て変更するメリットのほうが大きいと判断することが多いです。一時的にでも下げたくないという要望もあるため、実際は事業者と相談して決めています。※商品名の組み立て方はAmazon商品名で売上は変わる?売れる付け方と5つのルールにまとめています。
クリック率・購入率が低い商品は、まずメイン画像から直す
検索カタログパフォーマンスで、表示は取れているのに伸びない商品が見つかったとします。次に決めるのは「どこから直すか」です。
正直に書くと、「この数値を下回ったら直す」という固定の閾値は持っていません。商材によって水準が違いすぎるためです。代わりに、着手する順番を決めています。いま最も注力しているのはメイン画像の改善です。
理由は単純で、メイン画像はクリック率と購入率の両方に効くからです。サブ画像が効くのは購入率のみです。同じ工数をかけるなら、両方に効く場所から手を付けるほうが結果が出ます。※画像の作り方と外注はAmazon画像制作とは?売れる構成と制作・外注の進め方で扱っています。
あわせ買いデータの活用は、セット販売より「次に作る商品」
ここは、他社の解説記事と結論が分かれるところです。マーケットバスケット分析の使い道として広く紹介されるのは、セット販売とクロスセルです。公式ヘルプも、セット品やクロスマーケティングの機会を特定できると説明しています。
ただし、見つけた組み合わせをセット販売やクロスセルに落として、明確な成果まで結びつけるのは簡単ではありません。支援の現場で実際に多用しているのは、別の使い方です。
次に作る商品、次に仕入れる商品のアイデア出しに使っています。自社商品と一緒に買われている商品の傾向は、顧客が同じ場面で何を必要としているかの手がかりになります。ここからヒントを拾う量が、圧倒的に多いというのが実感です。
セット販売を否定しているわけではありません。ただ、優先度を付けるなら商品開発のほうから見たほうが、投資対効果は高いと考えています。
リピートの受け皿は、定期おトク便より「定期クーポン」
これも通説と少しずれます。リピート購入行動で再購入の多い商品が見つかったら、定期おトク便に載せる、という流れがよく紹介されます。
実務では、リピート購入行動のデータを定期おトク便や同梱施策に直接使う機会は、それほど多くありません。リピート率が高い商品に対してよく使っているのは「定期おトク便クーポン」です。定期おトク便への加入を能動的に促せる機能で、公式も割引率を5%以上に設定することを勧めています。
リピートしやすい商材ほど、入口で割り引いて定期に引き込む設計が効きやすくなります。データで「繰り返し買われている」ことを確認したら、次に検討するのは入口の設計だと考えてください。
検索用語をサブ画像のコピーに転用しない理由
使い道の線引きも書いておきます。Amazon検索用語レポートで拾った言葉を、画像に載せるコピーの選定に使うことは全くしていません。ここで言うコピーとは、主にサブ画像に載せるテキストのことです。
検索されている言葉は「探すときに使う言葉」であって、「買う理由」とは限らないためです。サブ画像のコピーは、レビューを分析して顧客が実際に感じた価値を拾い、そこから作ります。同じデータでも、効く場所と効かない場所があります。
データは見えているのに、打ち手の順番が決められない状態になっていませんか。
商品名を触るのか、画像から直すのか、商品開発に回すのかは、商材と現在の売上規模で答えが変わります。無料相談では、どの順番で着手するかの決め方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
数字を読み違えないための前提と、続けるための運用ルール
最後に、数字の扱いです。ブランド分析でつまずくのは、レポートが読めないからとは限りません。別のレポートの数字と足し合わせてしまうことで、判断を誤るケースがあります。
広告レポートとの違いを押さえ、数字を突き合わせない
これは公式ヘルプが明確に注意している点です。検索クエリパフォーマンスの指標は、広告ダッシュボードなど他のレポートの指標に代わるものではない、と書かれています。
そのうえで、異なるダッシュボード間で指標の値を比較することは推奨されないと明記されています。ダッシュボードごとに、購入者の行動をどう定義して集計するかが違うためです。数字が合わないのは不具合ではありません。
実務では、1つのダッシュボードの中で時系列の変化だけを見るのが安全です。横に並べたくなったら、それぞれの集計範囲を先に確認しましょう。
広告画面の「検索用語」タブとは別物として扱う
名前が似ているせいで、最も混同されやすい組み合わせです。広告アカウントにも「検索用語」というタブがあります。
こちらは、自社の広告が実際にどの言葉で配信されたかを見るものです。解説動画「競合に勝てるAmazon広告戦略TOP5」でも触れています。オートターゲティングの無駄打ちを止めるため、週に1回はこのタブを見て除外設定をルーティンにするという話です。
対してブランド分析のAmazon検索用語レポートは、Amazon全体で何が検索されているかの市場データです。片方は広告費を止めるため、もう片方は狙う言葉を決めるために見ます。目的が逆なので、混ぜて解釈しないようにしましょう。
月に1回、広告で狙うキーワードの入れ替わりを確認する
ここからは広告のキーワードの話です。一度決めたら終わり、にはなりません。同じ商品でも、刺さる入口の言葉は季節で入れ替わります。日照や気温が購買行動に効く商材ほど、この動きが目立ちます。
対象になるのは、スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告のように、キーワードに入札する広告です。Amazon検索用語レポートで需要の動きを見て、入札を寄せ直していきます。
主要な言葉は、商品単位ではなくニーズ単位で捉えて、月次で推移を追うようにしています。下がっている言葉を守りに行くより、上がっている言葉へ入札を付け替えるほうが成果につながりやすいためです。
月次で動かすのは、あくまで入札だけです。商品名は前章のとおり、大きく変えると順位と売上を落とします。触れるとしても、季節の言葉を末尾に足す程度に留めましょう。
見る指標と頻度を先に決めておくと、放置を防げます。月1回、Amazon検索用語レポートと検索クエリパフォーマンスだけ開く、という決め方で十分に回ります。
良すぎる数字は、シークレットモードの実検索で検算する
順位や指標が急に良くなったときこそ、いったん止まりましょう。計測ツールの数字は、取得のタイミングやパーソナライズ、広告枠の混入で実際とずれることがあります。
社内で共有する前、あるいは経営層へ報告する前に、ブラウザのシークレットモードで実際に検索して目視で確認しましょう。良すぎる数字ほど疑う、というのが報告品質の防衛線です。誤った好数値は、後から訂正するときに信頼を失います。
検証の過程を添えて報告すると、かえって信頼が上がります。数字を出すことより、その数字を疑った形跡を残すことのほうが、長く効きます。
数字は追えているのに、社内で施策の優先順位が揃わないという声をよく聞きます。
どの指標をどの頻度で見て、何が動いたら手を入れるのかを決めておくと、判断が属人化しません。無料相談では、貴社の商材に合わせた見る指標と頻度の決め方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
Amazonブランド分析に関するよくある質問
- Amazonブランド分析は無料ですか?
追加費用はかかりません。出品用アカウントがブランド特典に招待されていれば、セラーセントラルの標準機能として使えます。
ただし前提として、商標の取得とAmazonブランド登録が必要です。商標の出願や登録には別途費用と期間がかかるため、そこまで含めると完全に無料とは言えません。
- 運用代行会社に自社のブランド分析を見てもらえますか?
社外のアカウントから直接開くことは、原則としてできません。公式ヘルプは、利用できるのをブランド側から招待された出品用アカウントに限っています。
現実的には、自社アカウント内でユーザー権限を付与するか、画面の内容を共有するかのどちらかになります。どちらにするかは、社内の権限管理の方針に合わせて決めましょう。
- データはどのくらい前のぶんから見られますか?
マーケットバスケット分析とリピート購入行動は、3年分のデータが保存されると公式に記載されています。
反映のタイミングは別です。公式ヘルプは、データは通常、一定期間の終了後72時間以内にブランド分析で確認できる、と案内しています。直近の施策の結果がすぐ出ないのは仕様の範囲です。
- 検索クエリパフォーマンスと検索カタログパフォーマンスの違いは?
集計の単位が違います。前者はキーワード単位、後者は商品単位です。
どの言葉で取りこぼしているかを知りたいときは前者を、どの商品を直すか決めたいときは後者を開きます。公式にはこの2つが「ブランド分析検索ダッシュボード」としてまとめて案内されています。
- 検索頻度ランクは、どの桁までを商品名に入れるべきですか?
感覚的な目安ですが、5桁台までのキーワードは商品名に入れたいと考えています。3桁台なら超ビッグワード、4桁台もビッグワード、5桁台でミドルキーワードという捉え方です。
これはAmazonが公開している基準ではなく、支援現場での運用上の目安です。商材やカテゴリーによって適切な水準は変わるため、自社の商品で検証しながら調整しましょう。
- 顧客属性や商品比較のデータは今も見られますか?
顧客属性を扱う「統計ダッシュボード」は、公式に「米国でのみ利用できます」と明記されています。年齢・世帯収入・教育・性別・配偶者の有無の内訳を見るレポートです。
商品比較のレポートも、日本のブランド分析の一覧には掲載されていません。提供範囲はAmazon側で改定されます。自社アカウントの「ブランド」メニューと公式ヘルプの最新表記を確認するのが確実です。
- SellerSpriteやKeepaがあればブランド分析は不要ですか?
役割が違うため、置き換えにはなりません。外部ツールが扱うのは市場と競合の推定データで、ブランド分析が扱うのは自社商品まわりの実データです。
自社の検索ファネルやリピート状況は、外部ツールでは取得できません。逆に競合の売上推定や価格推移は、ブランド分析では見られません。※ツールの比較はAmazon SEOツールおすすめ3選と比較で扱っています。
- 何から見始めればよいですか?
Amazon検索用語レポートから始めるのがおすすめです。市場で実際に検索されている言葉と、その桁がわかります。
そこで拾った言葉を商品名に反映するところまでが、最初の一周です。慣れてきたら検索クエリパフォーマンスを開き、自社が取りこぼしているクエリを探しましょう。
まとめ
Amazonブランド分析は、ブランド側から招待された出品者だけが使える公式の実データです。6つのレポートは集計している範囲が違うので、混ぜずに1つずつ読むと判断を誤りません。まずはAmazon検索用語レポートを開きましょう。拾った言葉を商品名の末尾に反映するところまでが、今週の一手です。
ブランド分析を開けるようになった先で、成果につながる運用を設計したい方へ
どのレポートを何のために見るかが決まると、商品名・広告・商品開発の打ち手が一本につながります。無料相談では、貴社の現状を伺ったうえで、どこから着手するかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
- 参照した一次情報・公式情報
- Amazonセラーセントラル ヘルプ「ブランド分析」(利用条件・データ反映のタイミング)
- Amazonセラーセントラル ヘルプ「Amazon検索用語レポート」(検索頻度ランキング・クリック数割合・コンバージョン割合)
- Amazonセラーセントラル ヘルプ「検索クエリパフォーマンスダッシュボード」(集計範囲・最大クエリ数・他レポートとの比較に関する注意)
- Amazonセラーセントラル ヘルプ「マーケットバスケット分析ダッシュボード」(上位3商品・表示の絞り込み・保存期間)
- Amazonセラーセントラル ヘルプ「リピート購入行動レポート」(初回注文の除外・返品とキャンセルの扱い)
- 記事監修
- 公開日:2026年7月14日 / 最終更新日:2026年9月3日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- リクルート、Amazon Japan(ECコンサルタント)を経てLINK株式会社を創業。Amazon公認パートナー(Adsパートナー認定)。
- 本記事はAmazon公式ヘルプおよびLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
関連記事
▶ Amazonブランド登録の費用と期間は?申請3ステップまで解説
▶ Amazon商品名で売上は変わる?売れる付け方と5つのルール

