Amazon広告のポートフォリオは予算上限3種類。分け方と月商×目標TACOSで決める上限を元Amazon出身者が解説。
「キャンペーンが増えすぎて、今月いくら使ったのか一目で分からない……」
「ポートフォリオで上限をかけたいが、広告が止まって売上が落ちないか不安……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazon広告のポートフォリオの使い方を解説します。ポートフォリオは、複数のキャンペーンをブランドや商品群ごとに束ねて、予算上限と成果をまとめて管理できる機能です。上限は便利な仕組みですが、達すると配下のキャンペーンがすべて止まってしまいます。本記事では、予算上限3種類の違い、作成と移動の手順、分け方の型、上限の逆算までを整理します。読み終えるころには、自社のポートフォリオをどの単位で分け、月の上限をいくらに置くかを決められるはずです。
この記事のまとめ
- ポートフォリオは、複数のキャンペーン(広告の配信設定の単位)をまとめ、予算上限と成果を管理する機能です。
- 予算上限は「予算上限なし」「月次繰り返し」「期間」の3種類です。上限に達すると配下のキャンペーンがすべて止まります。
- 分け方は、TACOS(広告費÷自然検索を含むアカウント全体の売上)を出して判断したい単位に揃えます。
- 上限は金額で決め打ちせず、月商×目標TACOSから逆算し、月次で見直しましょう。
- TACOSが超えた月は、上限で止めるのではなくCPC(1クリックあたりの広告費)を下げて戻します。
Amazon広告の戦略については、監修者による解説動画も公開しています。
Amazon広告のポートフォリオとは?キャンペーンを束ねて予算上限をかける仕組み

ポートフォリオは「キャンペーンをまとめる箱」に予算上限を付けられる機能です。まず、何ができて何は変わらないのかを押さえておきましょう。
ポートフォリオの意味【ブランド・商品カテゴリー・シーズン別にキャンペーンをまとめる】
Amazon広告のポートフォリオとは、複数のキャンペーンをまとめ、予算上限と成果を一括で管理する機能です。
公式ヘルプは、広告活動を構造化する切り口としてブランド、商品カテゴリー、シーズンの3つを挙げています。まとめた単位でキャンペーンの成果を追え、ポートフォリオ別のレポートも作れます。請求明細書でも、ポートフォリオ別に割り当てられたコストを確認できます。出典はAmazon Adsサポートセンター「ポートフォリオ」です。
ポートフォリオ同士は互いに競合しません。箱を分けても、成果の高いキャンペーンは引き続き表示されます。1つのキャンペーンが属せるポートフォリオは同時に1つだけです。所属を変えても、そのキャンペーンのパフォーマンス履歴には影響しません。
ポートフォリオでできること・できないこと【予算上限や成果の集計と、変わらない入札】
ポートフォリオが担うのは「予算の制御」と「集計」で、配信の中身そのものは変わりません。
入札やターゲティングはキャンペーン側の設定です。まとめる目的は、広告費に天井を付けることと、束ねた単位で数字を読むことの2つに絞られます。
| やりたいこと | ポートフォリオでの扱い | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|---|
| 広告費に上限をかける | できる | 予算上限は3種類。上限に達すると配下のキャンペーンが停止 |
| まとめた単位で成果を見る | できる | ポートフォリオビューで集計値を表示。レポートも作成可 |
| 請求でコストを分けて見る | できる | 請求明細書でポートフォリオ別に割り当てられたコストを表示 |
| 未使用のキャンペーン予算を共有する | ベータ版。誰でも使えるわけではない | 前日に使われなかった予算を同じポートフォリオ内で自動共有 |
| 入札やターゲティングを変える | できない | 設定はキャンペーン側で行う |
広告のコストは、あくまでキャンペーン側の配信で発生します。ポートフォリオは、そのコストに天井を付けて集計する枠組みだと捉えてください。
キャンペーン予算とポートフォリオ予算の関係【上限はポートフォリオ側が優先】
キャンペーンレベルの予算上限よりも、ポートフォリオの予算上限が優先されます。
公式ヘルプは次の例を挙げています。キャンペーンAのライフタイム予算(期間全体の予算)が500円、キャンペーンBも500円だとします。ポートフォリオの予算は750円です。両方の支出合計が750円に達した時点で、ポートフォリオ内のキャンペーンは一時停止します。Aが500円を使い切った場合、Bは残りの250円まで消費します。
公式は、最も成果の高いキャンペーンの予算をポートフォリオ予算より高く設定することを勧めています。キャンペーン側で先に止まると、上限まで広告費を使い切れないためです。上限額そのものの決め方は、記事後半の「ポートフォリオ予算の決め方」で扱います。
ポートフォリオの予算上限3種類の違いと選び方【上限なし・月次繰り返し・期間】

予算上限は3種類あります。どれを選ぶかで「いつ止まるか」が変わるため、使い分けの基準を先に押さえます。
予算上限なし【初期設定。成果の集計だけに使いたい箱に向いている】
既定はこの設定で、ポートフォリオ側では止まりません。
配下のキャンペーンは、それぞれのキャンペーン予算がなくなるまで配信されます。広告費の天井はキャンペーン側に委ね、ポートフォリオは集計だけに使う形です。まず商品群ごとの数字を見たい、という段階ではこれで十分です。
月次繰り返し【毎月の広告費に上限をかけたい常設の箱に向いている】
毎月1日にリセットされる上限で、月の広告費を握りたいときに使います。
月の途中でこの設定を入れた場合も、その月にすでに使った金額は上限から差し引かれます。画面には消化済みの額が表示されます。ブランド別や商品カテゴリー別といった常設のポートフォリオは、基本的にこの型になります。
期間【セールや新商品の立ち上げなど、期間限定の投資に向いている】
開始日と終了日を決めて、その期間の合計に上限をかける型です。
注意したいのは終了日の扱いです。ポートフォリオの終了日がキャンペーンの終了日より前だと、その日に配下のキャンペーンが一時停止します。期間が終わっても配信を続けたい場合は、終了日を延長すれば再開できます。大型セールや新商品の立ち上げのように、期間が区切られた投資に向いています。
上限に達したときの配信停止と請求【超過分のクレジットと、期間中に減額したときの扱い】
上限に達すると、予算が残っているキャンペーンも含めてすべて停止します。
再開したいときは、合計予算と期間を増やすか、予算上限そのものを外しましょう。月の途中で広告が止まる事故は、ここの理解が抜けていることが原因になりがちです。
- 通常:設定した予算を超える金額は請求されない。超過配信があっても、キャンペーンレベルかポートフォリオレベルのどちらかでクレジットが払い戻される
- 例外(期間の途中で減額したとき):支出がすでに新予算を上回っていると、配信は止まるが超過分のクレジットは発生しない
公式ヘルプの例では、予算を1,000円から500円に変えた時点で800円を使っていたとします。この場合、全期間に対して800円が請求されます。減額は「止めるボタン」ではなく、請求の確定に近い操作です。
【早見表】予算上限3種類の違いと向いている使い方
3種類の違いを、止まるタイミングとリセットの有無で並べます。
| 予算上限の種類 | いつ止まるか | 上限のリセット | 向いている使い方 |
|---|---|---|---|
| 予算上限なし(既定) | ポートフォリオ側では止まらない | なし | 成果の集計だけに使う段階 |
| 月次繰り返し | その月の支出が上限に達したとき | 毎月1日 | ブランド別や商品カテゴリー別の常設の箱 |
| 期間 | 期間中の支出が上限に達したとき、または終了日 | なし(期間ごとに設定) | 大型セールや新商品の立ち上げ期間 |
常設は月次繰り返し、期間限定の投資は期間、と覚えておけば迷いません。では月の上限をいくらにするかは、自社の損益から出します。その出し方は、このあとの「ポートフォリオ予算の決め方」で具体化します。
広告費の天井をどこに置くか、決めきれていませんか。
LINK株式会社は、Amazon広告と商品ページを横断して支援しています。
- TACOSを軸にした広告費の上限設計と、月次での見直し
- ポートフォリオやキャンペーンの構成と、目的別の予算の振り分け
- 広告効率に効く、メイン画像やレビューなど商品ページの改善
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上、ベストセラー1位多数獲得です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、上限をどの単位でいくらに置くかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
ポートフォリオの分け方 ブランド別・商品カテゴリー別・目的別の3つの型と選び方

分け方の基本は、TACOSを出して判断したい単位に揃えることです。公式が挙げるシーズンは常設の軸にせず、セールの間だけ期間の予算上限を置いた箱を別に作ります。そこで本記事では、ブランド別、商品カテゴリー別、目的別の3型を比べます。
ブランド別【複数ブランドを持ち、ブランドごとに損益を見る会社に向く】
ブランドごとに責任者と損益が分かれている会社は、この型が最もシンプルです。
事業部やブランド担当ごとに月の広告費を割り当て、その枠内で運用してもらう形になります。請求明細書でもポートフォリオ別のコストを確認できるため、社内の配賦とも突き合わせやすくなります。逆に、単一ブランドしか持たない会社がこの軸で分ける意味はほとんどありません。
商品カテゴリー別【広告効率の合格ラインが違う商品を分けて判断する】
合格ラインが違う商品を同じ箱に入れると、良し悪しを判断できなくなります。
ROAS(広告費に対する売上の割合)の目安は、商材で大きく変わります。私たちの支援現場では、食品はおおむね300〜400%程度を下限の目安に見ています。雑貨ならおおむね300〜500%程度という感覚です。これは支援現場での目安であり、業界統計ではありません。合格ラインが違う商品を1つの箱で平均してしまうと、どちらが問題なのか分からなくなります。
原価率も効率の許容値を左右します。同じカテゴリーでも、単価と原価率が違えば基準は変わります。迷ったら「分けた結果、見る人か打ち手が変わるか」で判断してください。どちらも変わらないなら、分ける必要はありません。
目的別【新商品の投資・既存商品の利益確保・守りの広告で分ける】
同じブランドでも、踏む広告費の比率が違うものは分けます。
- 立ち上げ期の新商品:利益を後回しにして、高い比率で広告費を踏む
- 利益を残す局面の既存商品:比率を抑えて、利益を確保する
比率の目安は、後半の「フェーズで上限の比率を変える」で扱います。この2つを同じ箱に入れると、投資中の商品が既存商品の上限を食い、どちらの判断も鈍ります。
新商品の投資用の箱では、まずオートターゲティング(配信先をAmazonが自動で選ぶ設定)を1〜2週間回します。その期間の売上と広告費から、TACOSを出しましょう。判断は日次ではなく1週間単位で行いましょう。
もう1つ独立させたいのが、自社の商品ページに自社の別商品を出す「守りの広告」です。CPCが1桁円台に収まることもあり、攻めとは費用の性質が違います。攻めの箱が上限に達したときに守りまで止まらないよう、箱を分けておきます。
【比較表】3つの型の向き不向きと、2軸を組み合わせるときの書き方
3つの型を、分ける単位と見る数字で並べます。
| ポートフォリオの分け方 | 分ける単位 | 向いている会社 | 1つの箱で見る数字 |
|---|---|---|---|
| ブランド別 | ブランド、事業部 | 複数ブランドを持ち、ブランド単位で損益を見る会社 | ブランドの月商とTACOS |
| 商品カテゴリー別 | 商品群、カテゴリー | 原価率やROASの合格ラインが商品群で違う会社 | 商品群の月商とTACOS |
| 目的別 | 投資、利益確保、守り | 新商品と既存商品が混在し、踏む比率が違う会社 | 目的ごとのTACOS |
1つのキャンペーンは1つのポートフォリオにしか入れられません。そのため2軸を掛け合わせたいときは、箱を増やして名前で両軸を表します。「ブランドA_新商品」「ブランドA_既存」のように命名すれば、あとから一覧で判別できます。
広告の種類で箱を分けるかどうかも迷いやすい点です。スポンサープロダクト広告とスポンサーブランド広告を同じ箱に入れておけば、その商品群にかけた広告費を種類横断で見られます。支援現場の印象では、広告費の大半をスポンサープロダクト広告が占め、スポンサーブランド広告とスポンサーブランド動画広告は合わせて2割程度という配分が多いです。種類ごとに上限を置くより、商品群ごとに置くほうが実務に効きます。
どの単位で箱を分けるか、社内で意見が割れていませんか。
LINK株式会社は、商品構成と損益から広告の管理単位を設計しています。
- ブランドや商品群ごとの原価構造に合わせた管理単位の整理
- 目的別の予算配分と、投資期と利益確保期の切り替え
- キャンペーン構成の棚卸しと、命名ルールの設計
無料相談にて、自社の商品構成ならどの単位で分けるべきかの考え方から一緒に整理します。
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ポートフォリオの作り方と設定手順【作成・キャンペーンの移動・予算上限の変更】
分け方が決まったら、広告コンソールで箱を作ります。画面の表記は変わることがあるため、操作前に公式ヘルプで最新の手順を確認してください。
ポートフォリオを作成してキャンペーンを追加する手順
作成そのものは名前を付けるだけで、1分もかかりません。
- キャンペーンマネージャーに移動します。
- 左側のナビゲーションパネルから「ポートフォリオ」を開きます。
- 「ポートフォリオの作成」をクリックします。
- ポップアップで名前を入力し、「ポートフォリオを作成する」をクリックします。
- 作成後、キャンペーンの追加、箱の中での新規キャンペーン作成、予算上限の設定ができます。
公式ヘルプも、分かりやすい名前を一貫した形式で付けることを勧めています。作り始める前に命名ルールを決めておくと、箱が増えたときに迷いません。「ブランド_目的」のように要素の順番まで先に決めておくのが実務的です。
既存キャンペーンを移動する・外す手順【一括アクションと一括操作用ファイル】
すでに動いているキャンペーンは、一括アクションでまとめて移動できます。
- 「キャンペーンマネージャー」から「すべてのキャンペーン」に移動します。
- 移動したいキャンペーンの左側のボックスにチェックを入れます。
- 「一括アクション」から「ポートフォリオに移動」を選び、移動先を指定して保存します。
- 箱から外す場合は「ポートフォリオから削除」を選び、変更を保存します。
出品者や取引会社は、一括操作用ファイルでまとめて変更することもできます。数十本のキャンペーンを組み替えるときは、画面操作より確実です。
移動したキャンペーンのコストは、移動先の合計コストに加算されます。加算の結果その箱の予算上限を超えると、その時点でポートフォリオ内のキャンペーンは停止します。月の後半に大きなキャンペーンを移す場合は、移動先の消化済み額を先に確認しましょう。
予算上限を変更する手順と、月の途中で変えるときの注意
予算タイプと上限額は、「ポートフォリオの変更」からいつでも編集できます。
ポートフォリオ名をクリックし、「ポートフォリオの変更」を開きます。ドロップダウンから予算タイプを選び、上限額と期間または予算終了日を指定して保存します。
増額は、支出が新しい予算を下回っていればそのまま適用されます。減額の扱いは前述のとおりなので、消化ペースを確認してから行いましょう。
ポートフォリオ別の成果を見る手順【ポートフォリオビューとレポートの「ポートフォリオ」列】
成果の確認は、ポートフォリオビューとスポンサー広告レポートの2経路です。
- ポートフォリオビュー:キャンペーンマネージャーの「ポートフォリオ」で箱ごとの集計値を一覧表示。「エクスポート」でダウンロードでき、列のカスタマイズで指標も選べる
- スポンサー広告レポート:「ポートフォリオ」列でピボット集計すれば、箱ごとの数字を自由に組み替えられる
ここで見えるのは広告アカウント内の数字だけです。ACOS(広告経由の売上に対する広告費の比率)は、自然検索の売上を含みません。箱ごとの評価は、ビジネスレポートでその商品群の全体売上を確認し、同じ期間の広告費と突き合わせたTACOSで行いましょう。
ポートフォリオ予算の決め方 月商×目標TACOSから上限を計算する

箱ができたら、いよいよ上限額です。金額の勘ではなく、自社の損益から逆算します。
上限は「金額」ではなく「月商×目標TACOS」から計算する
ポートフォリオの上限は、その箱の見込み月商×目標TACOSで出します。
固定金額で握ると、どちらに転んでも損をします。月商100万円の商品群が150万円ペースで伸びた月に10万円で止めれば、伸びしろを捨てます。70万円ペースに落ちた月に10万円を使い切れば、TACOSが跳ね上がります。
目標TACOSは、上代から原価、販売手数料、配送料、残したい利益を引いた残りから出します。目安は次のとおりで、どれも原価率や配送条件で上下します。
- 広告に回せる枠:支援現場ではおおむね25%程度(月商100万円なら25万円程度)
- 原価が重い食品:TACOSを10%以下に抑えたいケースもある
私たちがお客様と握る数字も、TACOSの1つだけで、ROASや広告費の絶対額は握りません。
※ 利益率から目標値を出す手順から確認したい方はAmazonのACOSとは?目安に業界平均が使えない理由と、自社の利益率からの決め方もどうぞ。カテゴリー別の相場を先に知りたい方はAmazon広告のROASの目安は?カテゴリー別の相場と原価率からの逆算方法が参考になります。
フェーズで上限の比率を変える【投資期と利益確保期の目安】
同じ会社でも、箱のフェーズによって置く比率は変えます。
立ち上げやブランド構築の局面では、原価計算上トントンから多少の赤字までを許容します。TACOS20%程度まで踏み込むこともあります。立ち上がって利益を残す局面では10%前後、粗利率が高いマーケットなら5〜7%程度が、私たちの現場での目安です。
大事なのは、投資期の終わりをあらかじめ決めておくことです。立ち上げから3ヶ月、あるいは半年と期間を区切り、その間は広告費を織り込んだ原価計算で回します。フェーズ設計がないまま踏み続けることが、利益が出ない状態の典型的な原因です。目的別に箱を分けておけば、期限が来た箱の比率だけを切り替えられます。
月次で上限を見直す手順【TACOSが上振れ・下振れしたときの抑え方と踏み方】
上限は一度決めて終わりではなく、月次で見直す前提の数字です。
ビジネスレポートでその月の全体売上を、広告アカウントで同じ期間の広告費を確認し、割り算でTACOSを出します。目標20%に対して実績が22%なら抑える方向、実績が10%なら売り残しを疑って踏む方向です。
- 抑えるとき:1ヶ月から2ヶ月かけて徐々に下げる。一気に削ると自然検索の売上まで落ちる
- 踏むとき:数日で一気に上げる。手段はCPCを上げる、ターゲティングを増やす、キャンペーンや広告の種類を増やすの3つ
- 上限を上げても配信が増えないとき:詰まっているのはポートフォリオの上限ではなく、キャンペーンの予算や入札、ターゲティングの側
大型セール・季節の月は上限を事前に組み替える
セール月は、期間の予算上限を先に置いてから入札を上げます。
大型セールの前後はCPCが上がり、入札競争も激しくなります。入札を上げてもTACOSの目標内に収まる額を、上限として先に決めておきましょう。
セール用の箱は、次の2点を守って組みましょう。
- キャンペーンは、セール用の箱の中で新しく作って入れる
- 既存のキャンペーンは移さない。それまでのコストが移動先の箱に加算され、元の箱へ戻すときも月次の上限に達して止まることがある
季節性のある商材では、刺さる検索キーワードそのものが入れ替わります。主要キーワードを商品単位ではなくニーズ単位で月次に見て、伸びているキーワードのキャンペーンへ予算を寄せます。下がったキーワードを守るより、上がっているキーワードに配分を移すほうが成果につながります。
セール前の準備と、期間後の評価の仕方は、「プライムデーの出品者準備|参加方法と手数料(1件600円+売上1%)、ブラックフライデーまでの逆算スケジュール」で解説しています。
上限額を決める根拠が、勘のままになっていませんか。
LINK株式会社は、原価構造から広告費の枠を設計し、月次で運用しています。
- 原価率と手数料から逆算した、目標TACOSと広告費枠の設計
- 投資期と利益確保期でのフェーズ切り替えと、月次の見直し
- 大型セールや季節の山に合わせた、期間限定の予算の組み替え
無料相談にて、自社の原価構造から上限をどう置くかの考え方から一緒に整理します。
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ポートフォリオ運用でよくある4つの失敗と対処

失敗は「上限の置き方」で2つ、「分け方と数字の読み方」で2つに分かれます。それぞれ対処をセットで見ていきます。
上限に達して月の途中で広告が止まり、自然検索の売上まで落ちる
最も損失が大きい失敗です。止まるのは広告経由の売上だけではありません。
広告費を大きく削ると、広告経由に加えて自然検索経由の売上も落ちます。広告をかける最大の目的は、販売個数を伸ばして自然検索の売上を取ることにあるからです。公開されているロジックではありませんが、支援現場での実感として、直近の販売個数が落ちると検索順位にも響きます。月の途中で止まると、翌月の立ち上がりまで遅れかねません。
対処は3つです。第一に、上限を固定額ではなく月商×目標TACOSで置くこと。第二に、月の中頃に消化ペースを確認し、着地見込みを出すこと。第三に、守りの広告のように止めたくないキャンペーンを、別の箱に分けておくことです。
TACOSが超えた月に、上限を下げて広告を止めて調整する
超過を戻すレバーは上限ではなく、CPCです。
超過した月は、要因と翌月の着地目標、操作レバーの3点を先に決めましょう。戻す手順は、まずキャンペーンを広告費の消化が多い順に並べることから始めます。影響の大きいキャンペーンや広告グループのターゲティングから、メインキーワードのCPCを下げていきます。入札戦略を「動的な入札 – アップとダウン」にしている場合は「動的な入札 – ダウンのみ」へ切り替えます。これも広い意味でのCPC下げです。
役割を分けて考えると迷いません。上限は超えないための安全装置、TACOSの調整は入札で行うという整理です。上限を下げる操作は配信を一律に止めるだけで、効率の良いキャンペーンまで巻き込みます。
細かく分けすぎて、ポートフォリオの数字が判断に使えない
箱の数は、管理できる数まで絞ります。
商品ごとに箱を作ると、1つあたりの広告費が小さくなり、月次のTACOSが数値として安定しません。さらに、毎月見直す対象が増えて運用が止まります。分ける単位は、TACOSを出して上限を決める単位と一致させてください。
判断基準は、分け方の章で挙げた「見る人か打ち手が変わるか」です。どちらも変わらないなら、キャンペーン名で区別すれば十分です。
ポートフォリオの数字だけ見て、商品ページ側の原因を見落とす
箱の効率が悪い原因が、広告の外にあることは珍しくありません。
商品ページの改善で、CVR(クリックした人のうち購入に至った割合)が2倍になったとします。同じ広告費で、売上もROASも2倍になります。
箱の売上が動いたときは、セッション(商品ページの閲覧数)、CVR、平均単価の3つに分解してから原因を特定します。セッションが原因なら流入施策、CVRが原因なら商品ページの改善というように、打ち手が変わるためです。効率が頭打ちになったら、メイン画像やレビューなど広告の外にも目を向けてください。
※ 原因を表示・クリック・購入・利益の4段階で切り分ける方法は、「Amazon広告が効果ないときの原因は4段階で切り分ける|止める前に確認する判断基準と改善策」で解説しています。
広告が月の途中で止まる事故を、毎月くり返していませんか。
LINK株式会社は、予算の設計から月次の立て直しまで伴走しています。
- 消化ペースの確認と、着地見込みに基づく上限の調整
- 超過した月の戻し方と、CPCやターゲティングの優先順位づけ
- 広告効率に直結する、商品ページとレビューの改善
無料相談にて、止まる原因がどこにあるかの切り分け方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
ポートフォリオの設計と予算管理を社内で回すか、運用代行に任せるかの判断基準
設計は一度で終わりません。月次の見直しが続くため、回し切れるかどうかで判断しましょう。
社内で回せるかを判断する3つの条件【原価の把握・月次のTACOS算出・上限を動かす権限】
次の3つがそろっていれば、社内運用で十分に回せます。
1つ目は、商品群ごとの原価率と手数料を把握していることです。ここが曖昧だと目標TACOSが置けません。分からない場合は、主力商品の数点だけでも原価表を作るところから始めてください。
2つ目は、毎月ビジネスレポートと広告費を突き合わせてTACOSを出せることです。月末に集計が回らないなら、対象を主力の箱だけに絞ります。3つ目は、担当者が上限を動かす権限を持っていることです。稟議で数日かかる体制なら、セール前にあらかじめ期間の予算上限を置いておきましょう。
運用代行に任せるときに確認すること【予算の握り方・解約時に残る構成】
確認するのは、契約前に公開情報や商談で確かめられることだけで十分です。
まず予算の握り方です。月額の固定金額ではなく、TACOSの比率で握れるかを聞いてください。次に、上限の見直しを誰がいつ判断するのかも確認しましょう。
解約時に何が残るかも、契約前に必ず確認しましょう。契約終了時に広告キャンペーンをすべて削除するような契約も存在します。キャンペーン構成と運用履歴は次の運用の土台になる資産です。終了時に何を残し、何を引き渡すかを契約書に明記しておきましょう。
※ 各社の料金と選び方から比較したい方は、「Amazon広告運用代行の費用相場は?11社の料金比較と選び方7軸」もどうぞ。
月次の見直しまで社内で回し切れるか、迷っていませんか。
LINK株式会社は、広告と商品ページをまとめて預かる形で支援しています。
- TACOSの比率で握る予算管理と、月次レポートでの振り返り
- ポートフォリオとキャンペーン構成の引き継ぎと再設計
- 広告に閉じない、商品ページと在庫まで含めた改善
無料相談にて、社内で回す場合と任せる場合の線引きの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
Amazon広告のポートフォリオについてよくある質問
- ポートフォリオの利用に料金はかかりますか?
広告のコストは、キャンペーン側の配信で発生します。
ポートフォリオは、そのコストに上限をかけて集計するための枠組みです。
- 1つのキャンペーンを複数のポートフォリオに入れられますか?
入れられません。キャンペーンが属せるポートフォリオは、一度に1つだけです。
別の箱に移したい場合は、「すべてのキャンペーン」から一括アクションで移動します。移動しても、そのキャンペーンのパフォーマンス履歴には影響しません。移動先の箱にはコストが加算され、上限を超えると止まるため、消化済み額を先に確認しましょう。
- 上限を超えて配信された分は請求されますか?
設定した予算を超える金額は請求されません。超過配信があっても請求書が調整され、キャンペーンレベルかポートフォリオレベルのどちらかでクレジットが払い戻されます。
ただし例外があります。期間の途中で予算を減らし、支出がすでに新しい予算額を上回っている場合です。このときは配信が停止し、超過分のクレジットは発生しません。公式の例では、1,000円から500円へ減額したケースが挙げられています。すでに800円を使っていた場合、その全期間に対して800円が請求されます。
- 使わなくなったポートフォリオはどうすればよいですか?
使わなくなった箱は、キャンペーンを外して「予算上限なし」に戻しておけば実害はありません。
外すには、「すべてのキャンペーン」でキャンペーンを選びます。一括アクションの「ポートフォリオから削除」を実行しましょう。
- 未使用のキャンペーン予算の共有とは何ですか?
前日に使われなかったキャンペーン予算を、同じポートフォリオ内の他のキャンペーンに回す機能です。公式ヘルプによると、この機能はベータ版で、現時点では誰でも利用できるわけではありません。
1日の予算を使い切ったスポンサープロダクト広告のキャンペーンが対象です。同じ箱にある他のキャンペーンの未使用予算を、自動的に使えるようになります。ポートフォリオの予算上限は常にこの機能より優先されるため、上限を超えて支出することはありません。
- ポートフォリオに入れると入札や配信は変わりますか?
変わりません。入札やターゲティングの設定は、キャンペーン側で行います。
広告アカウント内のポートフォリオ同士が互いに競合することもありません。箱に入れる目的は、予算に上限をかけることと、まとめた単位で成果を読むことの2つです。
- 請求でポートフォリオ別のコストを確認できますか?
請求明細書で、ポートフォリオ別に割り当てられたコストを確認できます。各請求期間について、集計されたポートフォリオのコスト別に分類されます。
社内でブランド別や事業部別に広告費を配賦している場合は、その単位で箱を分けておくと突き合わせが楽になります。
まとめ:ポートフォリオはTACOSで判断する単位に分け、上限は月商×目標TACOSから決める
ポートフォリオは、複数のキャンペーンをまとめて予算上限と成果を管理する機能です。上限に達すると、配下のキャンペーンがすべて止まります。箱はTACOSで判断したい単位に分け、上限は見込み月商×目標TACOSから逆算して月次で見直しましょう。
まずは主力の1つだけでも、月商×目標TACOSで上限を置いてみてください。1ヶ月運用してTACOSを出せば、次の月の上限は自分で調整できるようになります。
ポートフォリオの構成と上限額を、一度きちんと設計し直しませんか。
LINK株式会社は、Amazon広告の予算設計から商品ページの改善まで一貫して支援しています。
- 商品構成と原価から決める、管理単位と目標TACOSの設計
- 予算上限の置き方と、月次での見直しやセール期の組み替え
- 広告効率に効く、メイン画像やレビューなど商品ページの改善
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上、ベストセラー1位多数獲得です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、自社ならどう分けていくら置くかの考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
- 参照した一次情報・公式情報
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオ」(定義、ブランドや商品カテゴリーごとの管理、請求明細書でのコスト確認。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオの予算」(予算上限3種類、上限到達時の停止、超過分のクレジット、減額時の扱い、公式の推奨。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオを作成する」(作成手順、1キャンペーンは1ポートフォリオのみ。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオを編集する」(予算タイプの変更、一括アクションでの移動と削除、移動時のコスト加算。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオビュー」(3つのビューと、所属がパフォーマンス履歴に影響しないこと。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオのレポートを表示する」(エクスポート手順、レポートの「ポートフォリオ」列。2026年9月23日確認)
- Amazon Adsサポートセンター「ポートフォリオ内の未使用のキャンペーン予算(ベータ版)」(ベータ版であること、対象、予算上限の優先。2026年9月23日確認)
- 記事監修
- 公開日:2026年9月27日 / 最終更新日:2026年9月27日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- 本記事はAmazon Adsの公式情報、およびLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
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