Amazon JAPAN STOREは参加無料の米英出品支援。企業要件6つと申込3ステップを元Amazon出身者が解説。
「JAPAN STOREの募集を見たが、何をしてもらえるのか分からない……」
「うちの商品でも米英のAmazonに出せるのか判断がつかない……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazon JAPAN STOREの支援内容と参加条件、応募前の判断基準を解説します。参加料は無料ですが、出品作業を代行してくれる制度ではなく、自ら学び自ら実践する企業に向けた支援です。特集ページで露出は補強されますが、売れるかは商品ページとレビュー、在庫で決まります。本記事は2026年度の募集要項をもとに、支援の中身と参加条件、申込3ステップを整理しました。読み終えるころには、応募前に確かめる4項目に沿って、自社が今年度に応募すべきかを判断できるはずです。
この記事のまとめ
- JAPAN STOREは、ジェトロ(日本貿易振興機構)とAmazonが組み、日本企業の米国・英国Amazonへの出品を支援するプログラムです。参加料は無料で、Amazonの出品費用は自己負担です。
- 支援は「学習・実践の機会提供」と「特別プロモーション」の2つです。出品作業の代行はありません。
- 参加条件は、大口出品(Amazonの月額制の出品プラン)の契約と、事前準備チェックの合格などです。
- 2026年度の第二期は11月30日が締切で、定員に達し次第終了します。
- 応募前に、利益・在庫・市場・体制の4項目を自社で確かめましょう。
ここからは、JAPAN STOREの仕組みから順に整理していきます。
Amazon JAPAN STOREとは?ジェトロとAmazonが組む米英Amazonへの出品支援の仕組み

Amazon JAPAN STOREは、ジェトロとAmazonが組む出品支援のプログラムです。日本企業の米国・英国Amazonへの出品を後押しします。参加料は無料です。
ただし、「JAPAN STORE」という名前は、売場と支援プログラムの2つを指します。混同すると調べる情報がずれるため、まず2つを分けます。
「JAPAN STORE」は米英Amazonの特集ページと、出品者向け支援プログラムの2つを指す
買い物客が見る特集ページと、出品者が申し込む支援プログラムは別物です。
米国のAmazon.comと英国のAmazon.co.ukには、日本の商品を集めた特集ページがあります。そこに掲載されるための枠組みが、出品者向けのJAPAN STOREプログラムです。米国は2021年11月、英国は2022年10月に始まりました。
規模も公表されています。Amazonの発表による2024年の実績は次のとおりです。
- 利用企業:約1,100の日本企業が利用しました。
- 販売個数:320万点を超え、前年比17%以上増えたとされています。
- 上位のカテゴリー:販売個数のランキングでは、食品やホームなどが上位に入りました。
(出典:About Amazon Japan、2025年4月21日発表)
特集ページが担うのは露出の補強です。購入につなげる方法は、参加後の運用手順の章で扱います。
対象国は米国・英国、参加料は無料【Amazonの出品費用は自己負担】
2026年度の対象国は米国と英国の2か国で、プログラムの参加料は無料です。
2026年度の実施期間は、2026年4月1日から2027年3月31日までです。無料なのはプログラムへの参加費であり、Amazonでの販売にかかる費用は自己負担になります。ここを誤解したまま応募すると、後から資金計画が崩れます。
自己負担になるのは、大口出品の月間登録料、販売手数料、FBA手数料などです。加えて国際物流費、関税、VAT(付加価値税)、現地認証の費用もかかります。日本のアカウントと統合して作成した場合、月間登録料は複数の国を合わせて税別39.99米ドル相当額です。出品中の商品がある国ごとに案分され、現地通貨で請求されます。
グローバルセリングとの違い【JAPAN STOREは出品の仕組みの上に乗る支援】
グローバルセリングが出品の仕組みで、JAPAN STOREはその上に乗る支援です。
| 何をするものか | 運営 | かかる費用 | 受けられる支援 | |
|---|---|---|---|---|
| Amazonグローバルセリング | 海外のAmazonに出品するための仕組み | Amazon | 月間登録料と販売手数料などが発生 | 出品ツールと公式ヘルプ |
| Amazon JAPAN STOREプログラム | 米英Amazonでの販売を後押しする支援の枠組み | ジェトロとアマゾンジャパン | 参加料は無料(出品費用は別途自己負担) | 個別伴走、診断、特集ページ掲載など |
つまり、アカウント開設と出品作業はグローバルセリングの手続きとして自社で行います。JAPAN STOREは、その上に露出と学びの機会を足すものです。順番としては、出品の前提を整えてからプログラムに応募することになります。
JAPAN STOREの支援内容【学習・実践の機会提供と特別プロモーション】

2026年度の募集要項は、支援を「学習・実践の機会提供」と「特別プロモーション」に分けています。学習・実践の機会は、これから出品する企業、継続的に販売している企業、参加者共通の3つに分かれます。自社がどれに当たるかで、使えるメニューが変わります。学習・実践の機会の主なメニューは次の表のとおりです。
| 支援メニュー | 対象となる企業 | 定員と回数 | 申し込み方法 |
|---|---|---|---|
| 出品準備 個別伴走 | これから出品する企業 | 記載なし | 参加企業向けに提供 |
| 出品準備 少人数制セッション | これから出品する企業 | 最長3ヵ月で最大5回のWeb面談 | 参加企業向けに提供 |
| スタートダッシュ成功パック | 2026年1月1日以降に出品開始 | 定員100社程度 | 申込制(商標の保有とブランド登録が条件) |
| パフォーマンス診断 | 2025年12月31日以前に出品開始 | 定員600社から700社程度 | 申込制 |
| 定期戦略レビュー | 診断を受けた企業 | 50社から70社程度 | 申込制・審査あり |
| 売上拡大ポイントウェビナー、アマゾンジャパンへの問い合わせ窓口、お役立ち情報のメール配信 | 参加企業全体(参加者共通) | ウェビナーは年10回程度(予定)、メールは月1回程度 | 参加企業向けに提供 |
ジェトロの2026年度募集要項より作成しました。正式名称は「2026年度 JAPAN STOREを活用した越境EC促進事業(米国・英国)」です。確認日は2026年9月23日です。定員とメニューは年度ごとに変わります。
これから出品する企業向け【個別伴走・少人数制セッション・スタートダッシュ成功パック】
出品前の企業には、準備を相談しながら進めるメニューが用意されています。
- 個別伴走:アカウント登録から出品開始までを相談しながら進める支援です。商品登録、バリエーション、納品プラン、ブランドストア、広告、Vine(レビュー獲得の公式プログラム)の設定が対象です。英国VAT登録の手続きの助言も受けられます。
- 少人数制セッション:最長3ヵ月で最大5回のWeb面談が予定されています。
- スタートダッシュ成功パック:1対1の支援で、定員は100社程度です。2026年1月1日以降に出品を開始し、商標を保有してブランド登録を済ませた企業が対象です。
ここに実務上の注意があります。ブランド登録がないと使えないメニューが含まれます。応募と並行して、自社の商標の出願状況を確認しておきましょう。
すでに販売している企業向け【パフォーマンス診断・定期戦略レビュー】
すでに米英で販売している企業には、現状を点検するメニューが用意されています。
パフォーマンス診断の定員は600社から700社程度です。2025年12月31日以前に出品を開始した企業が対象になります。品揃え、転換率、流入、広告、在庫のスコアカードと面談が提供されます。定期戦略レビューは50社から70社程度で、診断を受けた企業から審査で選ばれます。
診断は受けて終わりにすると価値が半分になります。スコアカードの読み方は、この記事の後半で3つのKPIに分けて整理します。
特別プロモーション【特集ページ・Amazon内広告・カテゴリー別集中プロモーション】
特別プロモーションは、参加企業全体に対する露出の支援です。
- JAPAN STORE特集ページへの掲載(Best Sellerページ、新規出品者や商戦イベント参加でのバナー掲載)
- ジャパン関連のキーワードで検索したユーザーに向けたAmazon内広告
- Amazonユーザー向けのPRメール(英国のみ)
- カテゴリー別の集中プロモーション(Amazon内広告やPRメール)
- 米国を中心とした現地イベントでの展示(予定)
ただし実施内容は予告なく変わると公式に注記されています。掲載やバナーは確約された枠ではありません。応募前に最新の募集要項で内容を確認してください。
ジェトロとAmazonが代行しないこと【出品作業・認証・輸出規制は自社で行う】
ジェトロとAmazonは、出品作業そのものを代行しません。
募集要項は、参加をすすめる企業像として「自ら学ぶ、自ら実践する、自ら解決する」を挙げています。個別伴走も、相談しながら準備を進める支援であって作業の代行ではありません。輸出可否の確認、現地の認証、規制への対応は事業者の責任です。英国VATは助言を受けられますが、登録そのものは事業者が行います。
自社だけで抱え込む必要もありません。参加企業には、海外配送、外貨受取、現地認証、VATなどの専門サポート提供事業者のリストが提供されます。使う前提で人と時間を見積もっておきましょう。
だから応募前に「自社で回せるか」を確かめる必要があります。確かめる4項目は、参加条件と申込方法を押さえたあとで整理します。
海外に出す前に、国内Amazonの伸びしろを使い切れていますか。
LINK株式会社は、Amazonの商品ページ、広告、在庫、利益構造を横断して確認しています。
- 売れているキーワードと競合の強さから見る、出す商品の絞り込み
- メイン画像やA+など、クリック率・購入率に直結する商品ページの改善
- 原価から逆算する広告費の上限設計と、在庫を切らさない発注の考え方
ご相談では、国内の商品ページや広告のどこから整えるかの考え方を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
JAPAN STOREの参加条件【企業要件6つと対象カテゴリー・対象外の商品】

参加条件は「企業」と「商品」の両方にかかります。どちらかを満たさないと参加できません。企業側から順に確認していきます。
企業の参加条件は6つ【日本企業・大口出品・事前準備チェック合格など】
2026年度の募集要項は、企業側の要件を6つ挙げています。
- 日本企業、または在米・在英の日系企業であること
- 米国・英国のAmazonで「大口出品」を契約していること
- 海外販売事前準備チェックに合格していること
- 報告書とアンケートを提出できること(過去に参加した事業の提出を含む)
- ジェトロとAmazonからの連絡に応答し、情報を提供できること
- 募集要項、参加要綱、規約に同意すること
細かい定義も押さえておきます。個人事業主は開業届の提出が条件です。日系企業は、日本企業の資本が10%以上で、日本企業の商品を扱うことが条件になります。小口出品では要件を満たしません。
見落としやすいのは4番目です。報告書とアンケートの提出は義務で、参加後の工数として発生します。誰が書くかを決めずに応募すると、社内で押し付け合いになります。
対象は8カテゴリー【食品は日本製のみ・酒類と冷蔵冷凍品は対象外】
対象は8カテゴリーで、食品は日本で製造された商品に限られます。
| 区分 | 含まれるカテゴリー | 商品の条件 |
|---|---|---|
| 食品 | 食品(酒類・冷凍・冷蔵を除く) | 日本で製造された商品であること |
| 食品以外の7カテゴリー | ファッション(ベイビー含む)、ビューティー・ヘルスケア、キッチン、ホーム、オフィス、スポーツ・アウトドア(カー用品含む)、ホビー | 日本で製造、または日本企業等が規格を決定し保証した海外製造品 |
| 対象外 | 酒類、冷蔵・冷凍品、中古品、アダルト、Amazonデバイスなど | 英国では脂肪・塩分・糖分が多い食品も対象外 |
自社で製造していない商品にも条件があります。仕入れ品は、正規ルートで調達したことの証明を求められます。商品の定義は自己申告制で、合致しないと判断されれば掲載が取り下げられます。
商社・代理店が申し込むときの注意【製造者の承諾と現地代理店との調整】
製造者・生産者以外が申し込む場合は、製造者の承諾が必要です。
Amazonまたはジェトロから求められた場合は、承諾を証明する書面を提出します。販売国にすでに代理店がいる場合は、事前の了承など必要な対応をとることが参加要綱に定められています。
この調整は相手のある話で、想像より時間がかかります。締切から逆算して、申込の前に着手してください。
FDAなど現地の認証は自社で確認する【参加後の取得も可】
食品を米国で販売するなら、FDAなど必要な認証を取得できることが条件です。
認証は参加後の取得も認められています。ただし取得できる見込みがあることが前提です。輸出規制(リスト規制・キャッチオール規制)に該当するかどうかの判定も、自社で行う必要があります。
この感覚は、国内で商品を企画するときと同じです。食品や化粧品を扱うなら、景品表示法と薬機法は当たり前に押さえます。表現や成分が使えるかを先に確かめてから設計する、という順序は海外でも変わりません。ただし米国や英国の規制の判定は国内法とは別物です。必ず現地の公式情報と専門機関で確認してください。
JAPAN STOREの申込方法3ステップと2026年度の募集期間

申込は3ステップで進みます。先に今年度の締切と定員を確認しておきましょう。
2026年度の募集は第二期が11月30日まで【定員は米国1,200社・英国400社程度】
2026年度の第二期は、2026年11月30日17時が締切です。
第一期は4月下旬から6月末まででした。定員は米国が1,200社程度、英国が400社程度です。この定員には、2025年度からの継続参加も含まれます。定員に達した場合は、締切前でも受付が終了します。
定員と支援メニューは年度ごとに変わります。ジェトロ「JAPAN STOREプログラム(米英Amazon出品販売)」のページで最新の情報を確認してください。(確認日は2026年9月23日です)
Step0 海外販売事前準備ガイドを読む【物流と認証の準備事項を押さえる】
最初に、Amazonグローバルセリングのサイトにある海外販売事前準備ガイドを読みましょう。
このガイドは、プログラム参加前の準備に必要な知識をまとめた資料です。募集要項も、物流実務や認証対応などの準備事項を事前に資料で確認するよう求めています。次のStep1のチェックを受ける前に、目を通しておきましょう。
※VATや海外FBAの手順は、「Amazonグローバルセリングとは?対応国・費用・VATと始め方」もどうぞ。
Step1 事前準備チェックを受ける【基礎知識と実行準備の両方80%以上で合格】
合格条件は、基礎知識と実行準備の両方で80%以上を取ることです。
片方だけ高得点でも合格にはなりません。合否はアマゾンジャパンからメールで届きます。不合格でも再受験できます。再受験の前に、問い合わせフォームで相談することもできます。
Step2 申込フォームを出し、ジェトロとAmazonの審査を待つ
合格メールの手順に沿って申込フォームを提出し、審査結果を待ちます。
ジェトロの事業を利用するのが初めてなら、お客様登録が必要です。提出後は、ジェトロとアマゾンジャパンが審査します。不採択になった場合、その理由は回答されません。
理由が分からない以上、落ちてから改善するという進め方はとれません。出す前に、自社で確かめられることを済ませておくほうが確実です。
どの商品から海外に出すか、社内で決め切れていませんか。
LINK株式会社は、国内Amazonの実績データから売れる商品と伸びしろを整理しています。
- キーワードの検索需要と競合の強さから見る、主力商品の見極め
- 原価と手数料を積み上げた、商品ごとの利益構造の確認
- 国内の運用を止めないための、業務の棚卸しと優先順位づけ
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上、ベストセラー1位多数獲得です(※お客様実績に基づく参考値)。ご相談では、どの商品から出すかと、国内の運用を手薄にしない体制の考え方を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
JAPAN STOREに応募すべきかの判断基準【応募前に確かめる4項目】
事前準備チェックが見るのは知識と準備で、利益が出るかまでは見てくれません。そこは自社で確かめる部分です。応募前に、利益・在庫・市場・体制の4項目を順に点検しましょう。なかでも利益と在庫は、満たさないと応募しても回収できないため先に見ます。満たさないときにどう動くかも合わせて示します。
| 確かめる対象 | 確かめること |
|---|---|
| 1. 利益 | 送料と関税まで積んで、広告費込みの利益が残るか |
| 2. 在庫 | 販売ペースの2ヶ月分を切らさず送れるか |
| 3. 市場 | 米英に売れる余地があり、競合に見合う差別化があるか |
| 4. 体制 | 国内の運用を落とさずに海外の工数を足せるか |
1. 送料と関税まで積んで、広告費込みの利益が残るか

出すか出さないかは、突き詰めると原価計算で決まります。
私たちが国内で新商品の参入を判断するときも、最後に見るのは原価です。やめる判断になるのは次の2つの場合です。
- 広告で戦えない:想定CPC(1クリックあたりの広告費)が高すぎるときです。
- 利益が残らない:メーカーの見積もりを取ったら、利益が残らなかったときです。
確かめるときの手順は、次の3段階です。
- 競合を調べる:競合のCVR(購入率)、CPC、広告経由の売上比率を先に調べます。
- 見積もりを取る:メーカーから見積もりを取り、想定販売単価を置きます。
- 原価を積む:上代から原価率、広告費、販売手数料、送料、保管費用まで積みます。
止める基準の目安も持っています。広告費を含めた最終的な利益率が10%を下回るなら止める、という置き方です。これは固定の基準ではなく、判断の目安として使っているものです。
米英に出すなら、ここに国際物流費、関税、VAT、現地の手数料が乗ります。国内より利益が薄くなる前提で積んでください。
利益が出ない事業者に多いのは、そもそもの製品原価が高いケースです。粗利が薄い商品は、どれだけ運用を磨いても取り返せません。
この項目を満たさないときは、出す商品を変えるか、価格と原価を見直してから応募しましょう。
2. 販売ペースの2ヶ月分の在庫を切らさず送れるか

在庫切れは、Amazon運用で最も避けたい失敗です。
公開されているロジックではありませんが、Amazonの検索順位は直近の販売個数の影響を強く受けると見ています。在庫を切らすとその実績が止まり、順位が大きく下がります。一度下がった順位は元に戻りにくい、というのが支援現場の実感です。
そこで、次の基本ルールを決めています。
- 置く量:直近の販売ペースで2ヶ月分程度をFBAに置きます。
- 追加納品:残り1ヶ月分程度になったら追加納品します。
- 成長期:販売速度が過去実績を上回るため、過去平均のままの発注では足りません。最低1ヶ月分の在庫を持ちつつ、週次で向こう1ヶ月の販売見込みを更新してください。
FBAには納品のリードタイムと受領作業があります。海外はさらに輸送の期間が長くなるため、国内より余裕を多めに見ておくほうが安全です。これは国内の実感からの推測で、国ごとの日数は自社の実績で確かめてください。
発注ロットも「切らさない数」から逆算します。最低ロットはメーカーによって大きく変わります。国内の目安としては、1商品で月商100万円以上を狙う規模なら、初期発注1,000個以上でないと切れる恐れがあります。
この項目を満たさないときは、納品量を小さく始められる商品に絞りましょう。あわせて、追加生産にかかる期間を先に確かめておきましょう。
3. 米国・英国の市場に売れる余地があるか【市場規模・競合売上・競合の強さ】

市場は、定量と定性の両方で見ます。
私たちが商品を選ぶときに必ず見るのは3つです。市場規模、上位商品の売上、そして競合の強さです。前の2つは数字で測れる定量の評価、競合の強さは定性の評価になります。3C分析や4P分析の整理も、この3つに落として判断しています。
競合の強さは、クリエイティブ、広告、レビュー数と評価、サブ画像やA+(商品紹介コンテンツ)の作り込みで見ます。上位がどれだけ手をかけているかを見れば、自社が並ぶまでの距離が分かります。定量データはAmazon本体のランキングと、セラースプライトなどの市場調査ツールから取ります。
セラースプライトは、割引コード「AI4784」で30%オフになります。なお当該リンクはアフィリエイトリンクです。
※ツールでできることから確認したい方は、「Amazonセラースプライトとは?できること・活用方法・評判を解説」もどうぞ。
売れ筋のヒントも公表されています。Amazonの発表では、抹茶やだし、和菓子、のこぎりなどの家庭用工具、ボールペンや水彩絵の具、手帳が挙げられています。日本らしさが購入理由になっている例として参考になります。
この項目を満たさないときは、国内の改善を優先しましょう。競合の強さに見合う差別化を作れないまま出しても、広告費が増えるだけです。
4. 国内の運用と並行できる体制があるか
国内の運用を落とさずに、海外の工数を足せるかを見ます。
私たちは、立ち上げ期に販路を同時に広げることを勧めていません。商材に合う場所をひとつ決めて、そこから伸ばすほうが結果が出やすいためです。米国と英国を同時に始めない、という選択肢も持っておいてください。
見落とされがちな費用と工数も2つあります。
- 兼務者の人件費:担当者の工数は見えにくく、管理から漏れやすい費用です。Amazon・楽天・自社ECを兼務しているなら、社会保険料を含めた人件費を販路ごとに按分しましょう。そのうえで、海外にどれだけリソースを振るかを先に決めておきましょう。
- プログラムの工数:報告書やアンケート、Web面談の工数も発生します。担当者の稼働に上乗せされる前提で見積もってください。
この項目を満たさないときは、米国か英国の片方から始めましょう。もうひとつの手は、国内の運用を外部に出して社内の手を空けることです。
4項目のうち、どこが弱いか自社で判断しきれていませんか。
LINK株式会社は、国内Amazonの数字から利益と在庫、運用体制の弱点を整理しています。
- 原価と手数料を積み上げた、商品ごとの利益率の確認
- 販売ペースから逆算する在庫の持ち方と、欠品の兆候の見つけ方
- 担当者の工数配分と、外部に出す業務範囲の切り分け
ご相談では、4項目のうちどこが弱いかを国内Amazonの数字から一緒に確かめます。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
JAPAN STORE参加後に売上を作る運用手順【露出を購入につなげる5つの打ち手】

特集ページとバナーは入口を増やす仕組みで、購入は商品ページとレビュー、在庫で決まります。ここからは国内Amazonの支援現場で使っている考え方を、5つの打ち手として整理します。米英でも、検索と商品ページで売れるという仕組みは同じです。個別伴走やパフォーマンス診断で相談するテーマとしても使えます。
出品時に決め切るカテゴリー設計とバリエーションの組み方
カテゴリーは、後から変更が効かない前提で初回に決め切りましょう。
販売実績が積み上がった後にカテゴリーを変えると、検索順位に大きく響きます。変更前のカテゴリー名にあたるキーワードで、検索の対象から外れることがあります。カテゴリーを変更した結果、狙いたいキーワードで表示されないまま戻らなかった事例もあります(2021年ごろ)。カテゴリー名は検索需要が大きいことが多く、失うものが大きい変更です。
カテゴリーのほかに、出品時に整えておきたいものが2つあります。
- バリエーション:組めるだけ組むのが基本です。販売個数とレビューが親ASIN(バリエーションをまとめる単位)で評価されるためです。ただし統合してもレビューが共有されないことがあります。統合後に各子ASINのレビュー件数を確認し、揃っていなければテクニカルサポートに共有を依頼してください。
- A+と動画:公開されているロジックではありませんが、実装すると順位が上がる実感があります。A+の利用にはブランド登録が前提です。スタートダッシュ成功パックの条件とも重なるため、商標とブランド登録は早めに整えておきましょう。
レビュー0件から抜ける【Vineとレビューリクエストで10件の壁を越える】

レビュー数とCVRの関係は直線ではなく、階段状に上がります。
跳ねるのは、まず0件から1件へ、次に9件から10件へ変わるタイミングです。最優先は「10件の壁」を越えることです。その先は時間をかけて100件を目指します。
新規出品のレビューゼロを抜けるために、Amazon Vineはやらない選択肢がないと考えています。Vineは、Amazonが認定したレビュアーに商品を提供し、レビューを書いてもらう公式プログラムです。あわせて、セラーセントラルのレビューリクエスト機能を一括で使います。なお、特典や割引を付けてレビューを依頼することは規約違反です。
Vineの費用と利用条件は、国と時期によって変わります。出品する国の公式ヘルプで最新の条件を確認してください。
※国内の料金体系は、「Amazon Vineの費用はいくら?3区分と総額の計算方法」もどうぞ。
広告はオートから始め、原価から上限の%を決める
最初はオートターゲティングを回し、数字が出てから調整しましょう。
進め方は次の3つです。
- 1〜2週間はオートで回す:その期間の売上と広告費からTACOS(広告費÷アカウント全体の売上)を出します。
- 入札は小刻みに動かす:TACOSが目標に届いていなければクリック単価を上げ、目標を超えていれば下げます。国内では10円、20円といった刻みで動かします。米英はドル建てなので、同じ考え方で小刻みに調整してください。
- 1週間単位で判断する:日次の上下で入札を動かすと、学習が安定しません。
握る指標はTACOSひとつで足ります。上限は原価計算から逆算します。上代から原価、販売手数料、送料、残したい利益を引いた残りが広告に使える枠です。支援現場での目安はTACOS 10%から20%程度ですが、原価率が高い商材ほど絞らないと利益が残りません。
売上が伸びないときは3つのKPIに分ける【パフォーマンス診断の結果を読む】

売上は、セッション、CVR、平均単価の3つに分けてから打ち手を選びましょう。
セッションは商品ページの訪問数です。どこが原因かで打つ手は変わります。流入が足りないのに商品ページを直しても動きませんし、その逆も同じです。施策から選ばず、課題から選んでください。
この分け方は、診断のスコアカードを読むときにも使えます。5項目では、流入と、流入を増やす広告がセッション、転換率がCVRにあたります。品揃えは平均単価とセッションの両方に効き、在庫は3つすべての前提です。
読むときの注意もあります。順位が上だから一番売れている、とは限りません。順位は流入の先行指標で、販売個数は結果です。単月の上下ではなく、以前は例外だった水準が通常になったかどうかで見てください。
商戦イベントの参加は、期間中の売上だけで評価しない
セールの価値は、期間中の売上より後に残るものにあります。
JAPAN STOREの特集ページでは、商戦イベントへの参加でバナー掲載の機会があります。参加の評価は3点で見ます。期間中の売上、期間後のキーワード順位、そして期間後の通常時の売上水準です。比べる相手は通常期ではなく、前回参加したセールにします。
在庫とも直結します。大型セールの前はFBAの在庫反映が遅れることもあります。イベント参加を決めたら、納品を前倒ししてください。
露出は増えたのに、購入まで届いていないと感じていませんか。
LINK株式会社は、商品ページ、レビュー、広告、在庫を横断して改善の順番を整理しています。
- カテゴリー設計とバリエーション構成の点検
- レビュー獲得の進め方と、購入率に効く商品ページの改善
- TACOSを軸にした広告の設計と、日々の調整の型づくり
売上向上実績100社以上、1年以上継続率90%以上、売上平均上昇率420%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。ご相談では、カテゴリー設計やレビュー、広告の進め方の考え方を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
JAPAN STOREは自社で進めるか、外部に頼むか【判断の基準と依頼先の確認点】

プログラムが用意するのは学ぶ機会と相談先までで、手を動かすのは自社です。社内で回らない部分をどう埋めるかを、応募の段階で決めておきましょう。
自社で進められる会社と、外部の手を借りたほうがよい会社の違い
違いは、英語の実務と工数、そして調べる力の3点に表れます。
- 英語での商品登録と問い合わせ対応を、社内で回せる人がいるか
- 国内運用の担当者に、海外の工数を足す余地があるか
- 認証、物流、税務を自社で調べて判断できるか
3つとも埋まっていれば、自社で進められます。埋まらない部分がある場合、外部の選択肢は2方向です。ひとつは、支援内容の章で触れた専門サポート提供事業者リストを使う方法です。
もうひとつは、国内Amazonの運用を外に出して、社内の手を海外に回す分け方です。海外の実務は社内に残るため、国内の負荷を下げるほうが動きやすい場合があります。どちらを選ぶかは、社内に残したい業務から逆算して決めてください。
外部に頼む前に確かめる3点【実務の担当者・体制・責任者の経歴】
商談の場で聞けば答えが返ってくる質問を、3つ用意しておきましょう。
- 営業担当と実務担当が同じ人か:営業には知識も印象も良い人が出てくることが多く、運用が始まると別の担当者がつくことは珍しくありません。誰が実際に運用するのかを確かめてください。
- 何名体制で支援するのか:1名のフリーランスか、組織のチームかで、対応の速さと止まりにくさが変わります。組織のほうが安心ですが、その分の費用はかかります。
- 責任者がこれまで何を担当してきたか:肩書きだけでは判断できません。売上だけでなく、利益や在庫、ブランドまで一緒に考えられる相手かを見てください。
3点とも、契約前に聞けば確かめられます。答えを濁された場合は、体制をもう一段踏み込んで確認しましょう。
海外に手を伸ばす分、国内の運用が手薄になりそうですか。
LINK株式会社は、国内Amazonの運用を引き受け、社内の手を空ける支援をしています。
- 商品ページと広告の改善を含む、アカウント運用の代行
- 在庫と売上の週次モニタリングと、打ち手の優先順位づけ
- 社内に残す業務と外に出す業務の切り分け
ご相談では、国内の運用をどこまで外に出せるかの考え方を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
Amazon JAPAN STOREに関するよくある質問
- JAPAN STOREの参加に費用はかかりますか?
プログラムへの参加料は無料です。ジェトロとアマゾンジャパンが実施する事業で、2026年度も参加料はかかりません。
ただし、Amazonでの販売にかかる費用は自己負担です。大口出品の月間登録料、販売手数料、FBA手数料に加え、国際物流費、関税、VAT、現地認証の費用が発生します。参加料が無料でも、出品と販売には費用がかかる前提で資金計画を立ててください。
- 個人事業主でも参加できますか?
開業届を提出済みの個人事業主は対象に含まれます。2026年度の募集要項では、日本企業の定義に開業届を提出した個人事業主が含まれています。
ただし、他の要件は法人と同じです。米英Amazonで大口出品を契約し、海外販売事前準備チェックに合格する必要があります。報告書とアンケートの提出義務も同じように発生します。
- 米国と英国の両方に出品できますか?
2026年度は米国と英国の両方が対象国です。定員は米国が1,200社程度、英国が400社程度で、それぞれ定員に達し次第終了します。
ただし、両方を同時に始めるかは別の判断です。立ち上げ期に販路を一気に広げると、どちらも中途半端になりやすいためです。国内の運用と並行できる工数を確かめたうえで、片方から始める選択肢も検討してください。
- すでに米国Amazonで販売していても参加できますか?
すでに販売している企業も参加できます。継続販売中の企業向けには、パフォーマンス診断や定期戦略レビューが用意されています。
ただしメニューごとに対象が分かれます。パフォーマンス診断は2025年12月31日以前に出品を開始した企業が対象で、定員は600社から700社程度です。スタートダッシュ成功パックは2026年1月1日以降に出品を開始した企業が対象になります。
- 事前準備チェックに落ちたらどうなりますか?
不合格でも再受験できます。合否はアマゾンジャパンからメールで通知されます。基礎知識と実行準備の両方で80%以上が合格条件です。
再受験の前に、合否結果メールに記載の問い合わせフォームで相談することもできます。物流実務や認証対応など、海外販売事前準備ガイドの内容を読み直してから受け直してください。
- 審査に落ちた理由は教えてもらえますか?
不採択の理由は回答されません。申込フォームの提出後、ジェトロとアマゾンジャパンが審査し、結果が通知されます。
理由が分からない以上、落ちてから直すという進め方はとれません。企業要件と商品の条件を満たしているか、対象カテゴリーに当てはまるかを、提出前に自社で確認しておくことが重要です。
- 海外で製造した商品も対象になりますか?
食品は日本で製造された商品に限られます。食品以外の7カテゴリーは、日本企業等が規格を決定し保証した海外製造品も対象です。
また、仕入れ品は正規ルートで調達したことの証明を求められます。商品の定義は自己申告制で、合致しないと判断された場合は掲載が取り下げられます。判断に迷う商品は、申込前に募集要項の定義と照らし合わせてください。
- JAPAN STOREに載れば商品は売れますか?
掲載で増えるのは入口で、購入は商品ページ・レビュー・在庫で決まります。掲載と並行して、この3つを整えておきましょう。
まとめ:Amazon JAPAN STOREは参加無料の出品支援。応募前に利益と在庫を確かめる
Amazon JAPAN STOREは、参加料無料で米英Amazonへの出品を後押しする支援です。ただし出品作業の代行はなく、手を動かすのは自社です。2026年度の第二期は11月30日17時が締切で、定員に達し次第終了します。
応募すべきかは、利益・在庫・市場・体制の4項目で判断しましょう。なかでも先に見たいのは利益と在庫です。送料と関税まで積んで広告費込みの利益が残るか、販売ペースの2ヶ月分を切らさず送れるかを確かめてください。
最初の一歩は、海外販売事前準備ガイドを読むことです。そのうえで主力商品を1つ選び、原価と送料、関税を積んで利益を計算してみてください。数字が残るなら、事前準備チェックに進む価値があります。
海外に出す前に、国内Amazonの数字を一度整理しませんか。
LINK株式会社は、Amazonの商品ページ、広告、在庫、利益構造を横断して支援しています。
- 原価と手数料から見る、出す商品の絞り込みと利益の確認
- 在庫の持ち方と、欠品を防ぐ週次のモニタリング
- 商品ページとレビュー、広告の改善による購入率の引き上げ
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上、ベストセラー1位多数獲得です(※お客様実績に基づく参考値)。ご相談では、応募前に整える原価・在庫・商品ページの考え方を一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
- 参照した一次情報・公式情報
- ジェトロ「JAPAN STOREプログラム(米英Amazon出品販売)」(対象国、第二期の締切と定員、申込の流れ。確認日2026年9月23日)
- ジェトロ「2026年度 JAPAN STOREを活用した越境EC促進事業(米国・英国)募集要項」(実施期間、参加料、企業要件6つ、対象カテゴリー、支援メニュー、特別プロモーション、申込3ステップ。確認日2026年9月23日)
- Amazon出品サービス「Amazon.com JAPAN STORE Program」(大口出品の月間登録料の扱い、申込の窓口。確認日2026年9月23日)
- About Amazon Japan「JAPAN STOREでの出品者支援」(2024年の利用企業数、販売個数と伸び、上位カテゴリーと売れ筋商品。2025年4月21日発表。確認日2026年9月23日)
- 記事監修
- 公開日:2026年9月26日 / 最終更新日:2026年9月27日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- LINK株式会社はAmazon公認パートナー(Adsパートナー認定)で、元楽天ECCも在籍しています。
- 本記事はジェトロとAmazonの公式情報、およびLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
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