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Amazonを中心としたEC事業の支援を通して、 お客様の事業成長に本気で伴走します。
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  3. ネット販売の始め方7ステップ|販路の選び方・費用・許可と利益が残る設計【2026年最新版・元Amazon出身者監修】

ネット販売の始め方7ステップ|販路の選び方・費用・許可と利益が残る設計【2026年最新版・元Amazon出身者監修】

2026 8/03
2026年8月3日 2026年8月3日

ネット販売の始め方を7ステップで解説。モール型・自社EC・フリマの選び方、販路別の費用と手数料、食品や酒類など商材別に必要な許可、原価から広告費の上限を逆算する採算設計、公開後90日の運用まで。元Amazon出身者がEC支援の現場知見で整理します。

「商品はあるのに、どこで売り始めるか決まらない……」
「無料で始められると言われても、事業になるのか分からない……」

元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、ネット販売の始め方を解説します。販路もサービスも多く、各社が「うちが一番簡単」と言うため、比較しているうちに1ヶ月が過ぎたという相談をいただきます。結論から言うと、ネット販売は①どの販路で売るか、②原価から見た採算、③商材の許可とモール規制、の3つを先に固めます。ここが決まってから開設作業に入り、公開後の90日で初速をつくる流れです。本記事では販路3形態の選び方と費用、商材別の許可、開設の7ステップ、公開後の運用まで、実務の順に整理します。

販路の比較で止まったまま、時間だけが過ぎていませんか。

LINK株式会社では、Amazon・楽天市場を中心にEC事業を支援しています。販路の当たりのつけ方、原価から見た採算の考え方、開業直後にやり直しが効かない設定の押さえ方が対象です。無料相談では、何から着手するかの考え方をご状況に合わせて一緒に整理します。

無料相談・アカウント診断を申し込む

この記事はこんな方におすすめ
  • 食品・日用品・アパレルなど自社商材を持ち、これからネット販売を始めたい法人・個人事業主の方
  • 実店舗や卸の販路はあるが、EC販路がまだなく、価格や在庫の持ち方に迷っている方
  • 開設サービスの比較で止まっていて、販路と採算の意思決定基準がほしい方

この記事のまとめ

  • ネット販売の販路はモール型・自社EC・フリマ/ハンドメイド系の3つ。集客を自前で持てるかで選びます。
  • 費用は初期・月額・手数料より、撮影や画像、広告費、物流、人件費の見落としが効きます。
  • 値付けの前に原価から逆算します。手数料と配送料を引き、最終利益を15%〜20%残すなら、広告費の上限はおおむね売上の25%が目安です。
  • Amazonのカテゴリー登録・商品名・バリエーションは開業時に決め切るのが基本。後から大きく変えると順位が落ちます。

なお、利益が残らないEC事業者に共通する3つのつまずきについては、LINKの解説動画でも扱っています。本記事の採算設計の章と重なる内容です。

利益が出ないEC事業者の共通点3選

※ 記事だけ読み進めたい方は、そのまま下へお進みください。

目次

ネット販売とは。始め方の前に押さえる3つの販売形態と市場規模

最初に、自分がどの形態で売ろうとしているのかを確定させます。

販路の名前とサービス名が入り混じったまま比較を始めると、判断軸がぶれます。ここでは言葉の整理、3つの販売形態、市場の大きさ、そして個人と法人で変わる点を順に押さえます。

ネット販売と通信販売、EC、ネットショップの違いを整理する

実務上はほぼ同じ意味で使われています。

ネット販売は一般語、ECは業界語です。ECはelectronic commerce(電子商取引)の略で、ネットショップは自社サイト側を指すことが多い語です。呼び方が違うだけで、やることは変わりません。

ただし法律上の正式な呼び名は「通信販売」です。特定商取引法が定める取引類型の一つで、この後で扱う広告の表示義務もこの名前で規定されています。書類や規約で「通信販売」と書かれていたら、ネット販売のことだと読み替えてください。

販売形態は3つ。モール型と自社EC、フリマ・ハンドメイド系の違い

ネット販売の形態は、大きく3つに分かれます。

  • モール型(Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング)…モール自体が集客を持っています。出品すれば商品を見てもらえる代わりに、手数料が対価としてかかります。
  • 自社EC(BASE、STORES、Shopify、カラーミーショップなどのカート・ASP、およびパッケージやフルスクラッチ)…集客は自前で用意します。手数料は低い代わりに、広告やSNSへの投資が前提です。
  • フリマ・ハンドメイド系(メルカリShops、minne、Creema)…始めるのが最も手軽です。ただし事業として拡大していく器としては制約があります。

この記事では、最後までこの3分類で通します。どれを選ぶかは次の章の判断基準で決め、いくらかかるかはその次の章で確認します。

ネット販売の3つの販路(モール型・自社EC・フリマ/ハンドメイド系)の集客の出どころと向く事業者を比較した図解

上の図は、3つの販路を「集客をどこから引いてくるか」で並べたものです。自社の現状に近い列を1つ選び、そのうえで次章の4つの基準で検算してください。

いま始めても遅くないのか。EC市場規模とEC化率のデータで確認する

市場は伸びており、しかもEC化はまだ1割に届いていません。

2024年の物販系分野のBtoC-EC市場規模は15兆2,194億円で、前年比3.70%増でした。物販系分野のEC化率は9.78%で、前年から0.40ポイント増えています。出典は経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月26日公表)です。

この数字は「まだ9割はEC化していない」とも読めます。とくに食品・飲料・酒類は3兆1,163億円(前年比6.36%増)と、金額でも伸び率でも物販の最上位です。食品や生産品を扱う事業者にとっては追い風の市場と言えます。

ただし伸びている市場ほど、出品者も増えます。「遅くないか」より「利益が残る形で入れるか」が実際の分かれ目です。だからこの記事は、開設手順と同じ重さで採算設計を扱います。

個人で始める場合と法人が始める場合の違いと、運転資金の考え方

個人は身軽さ、法人は既存事業との整合が論点になります。

個人事業として始めるなら、開業届を出し、屋号を決め、少額の在庫から試せます。判断が早いのが強みです。一方、法人やメーカー、生産者の場合は論点が変わります。既存の卸価格や店頭価格との整合、担当者のアサイン、在庫の持ち方、稟議が先に来ます。

すでに実店舗や卸で売っている商品を、そのままECにも出す場合は、価格を送料込みにして、やや高めに設定するのが基本です。目安は既存価格の110%〜120%程度。モールの販売手数料や決済手数料が乗るため、店頭価格をそのまま持ち込むと利益が残りません。なお、ECのために新しく作る商品は、既存価格ではなく原価と競合の価格帯から値付けを決めます。

運転資金は、実際にかかる費用を積み上げて出します。①初期在庫の仕入れ、②撮影・画像・動画の制作費、③開設後の広告費、④販路の固定費、⑤担当者の人件費。この5つを足し、売上が入金されるまでの期間分を上乗せした額が必要資金です。

入金までの時間差も資金繰りに効きます。たとえばAmazonでは、売上は2週間ごとに銀行口座へ振り込まれます(出典:Amazon「出品にかかる費用」)。仕入れの支払いが先、入金が後になる期間を、手元資金で埋められるかを先に確認してください。必要額は商材の原価と初期ロットで大きく変わるため、次章と原価計算のステップで自社の数字に置き換えます。

ここから先は、自社商材を持つ事業者を前提に書き進めます。

自社に合う販路の選び方。3形態の比較表と4つの判断基準

比較表で全体像を掴んだあと、4つの基準で自社の答えを1つに絞ります。

モール型と自社EC、フリマ・ハンドメイド系を5つの軸で比較する

まず、3つの販路がどこで違うのかを並べます。

販路集客の出どころ費用のかかり方顧客データ向いている事業者
モール型
Amazon/楽天市場/Yahoo!ショッピング
モールの集客に相乗り月額や出店料に加え、売れた分の販売手数料モール側に帰属し、自社には残りにくい集客の担当や予算がまだない事業者
自社EC
BASE/STORES/Shopify/カラーミーショップ
広告・SNS・検索で自前で集める月額は安いが、集客費が別に継続してかかる自社に蓄積でき、再販促に使えるブランドやリピートで売る事業者
フリマ・ハンドメイド系
メルカリShops/minne/Creema
アプリ内の回遊とレコメンド初期費用が小さく、販売手数料中心ほぼ残らないまず反応を見たい小ロットの作り手

表のとおり、違いの本質は「集客を誰が持つか」です。モールは集客を貸してもらう代わりに手数料を払い、自社ECは手数料を抑える代わりに集客を自分で買う。この交換条件をどう選ぶかが販路選定です。

もう一点、実務でつまずきやすいのが素材の使い回しです。同じ1枚目の商品画像でも、Amazonでは「メイン画像」、楽天市場では「サムネイル」と呼びます。設置場所も推奨される作りも違います。販路を増やすときに、画像や動画をそのまま流用できると考えないでください。

【判断基準1】その商材は、すでに名前で検索されているか

すでに言葉として検索されている商材は、モール先行が向きやすいと考えています。

モールは「検索して、並んだ候補を比べて買う」場所だからです。買い手は「ひげ剃り」のように商品名やカテゴリー名を検索窓に入れ、表示された商品を価格・レビュー・画像で見比べて選びます。

逆に、まだ世の中に呼び名がない新しいカテゴリーの商品は、モールでは見つけてもらいにくくなります。検索窓に入れる言葉が存在しないためです。世界観やブランドへの共感で選ばれる商品も同じです。この場合はSNSや広告で認知から作る必要があり、自社ECの価値が出やすくなります。

ただし、これは優劣の話ではありません。判断がつかないうちは、まずモールで需要の実在を確かめるのが無難な進め方です。モールは検索数という形で需要が見えるため、売れるかどうかを比較的短期間で判定できます。そこで手応えを掴んでから自社ECを足す順序なら、投資の失敗も小さく済みます。

【判断基準2】集客を自前で用意できるか

「無料で開設できる」と「無料で売れる」は、まったく別の話です。

自社ECのカートは月額数千円から使えますが、そこに人を連れてくるのは自分の仕事になります。広告、SNS、検索対策のいずれかに継続して投資できる体制がなければ、開設しても訪問者がゼロのままです。開設費用の安さだけで判断せず、集客にいくらかかるかを必ずセットで見積もってください。

集客費がいくらになるかは、商材と自社の資産で変わります。すでにSNSのフォロワーや実店舗の顧客リスト、メディア掲載の実績があるなら、広告に頼らず立ち上げられる場合もあります。逆に、認知がゼロで競合が広告を回している市場なら、広告費は重くなります。集客の予算も担当も今はいない、という状況ならモール型が候補になります。手数料は高く見えますが、その中には集客の対価が含まれています。

【判断基準3】リピートして買われる商材か

リピート商材は、1回売る設計ではなく2回目を取る設計で販路を選びます。

食品、サプリ、日用品のように繰り返し買われる商材では、定期購入の仕組みが効きます。モール側にも定期購入の機能があり、私たちがよく使うのは初回だけ価格を下げて定期購入へ引き込む「定期クーポン」です。リピートしやすい商材ほど、初回の割引が後から回収できます。

一方、単発購入が中心の商材なら、リピート設計より新規流入の設計を優先します。どちらの型かを先に決めると、販路も広告の踏み方も選びやすくなります。

【判断基準4】社内リソースと立ち上げ期間はどれだけあるか

立ち上げ期は、商材に合うモールを1つに絞るのがおすすめです。

Amazonと楽天市場を同時に立ち上げたい、というご相談はよくいただきます。ただし販路が増えるほど、画像も商品情報も在庫も運用も二重になります。外部に委託する場合も、モールごとに工数が積み上がるため費用が見合わないケースがあります。逆に、その工数に見合う予算を確保できるなら、同時に進める判断も成立します。まず商材に合う1つで売上を作り、型ができてから広げる進め方が、社内リソースが限られる場合には現実的です。

ここまでの4つを、自社の答えとして並べてみてください。すでに検索されている商材で、集客の担当がおらず、立ち上げ期間も短いなら、答えはモール型に寄ります。逆に、ブランドで選ばれリピートが見込め、集客に投資できるなら自社ECが候補に入ります。まず反応だけ見たいならフリマ・ハンドメイド系です。

ネット販売の開業費用と月額コスト。販路別の目安と見落としがちな費用

販路が決まったら、次はいくらかかるかです。ただし本当に効くのは、表に出てこない費用のほうです。

モール3社の初期費用・月額・販売手数料を比較する

以下は2026年8月3日時点で各社が公表している金額です。料金は改定されるため、申し込み前に必ず公式ページで当日の金額を確認してください。表中のFBA(フルフィルメント by Amazon)とは、Amazonの倉庫に在庫を預け、梱包・発送・返品対応を任せる仕組みです。

モール初期費用月額売れたときにかかる費用
Amazon不要2プランから選ぶ。月に49点以上売るなら大口出品プラン4,900円(税抜)、それ以下なら月額なしで1商品100円の小口出品プラン売れた分だけかかる販売手数料が中心で、多くの場合5%〜15.4%。FBAを使う場合は配送代行手数料(小型288円〜、標準318円〜)と在庫保管手数料が加わる
楽天市場初期登録費用60,000円売上規模で3プランから選ぶ。小さく始めるがんばれ!プラン25,000円、月商178万円以上ならスタンダードプラン65,000円、商品点数が非常に多い場合はメガショッププラン130,000円(いずれも問い合わせ機能R-Messeの3,000円または5,000円が別途)システム利用料が売上の2.0%〜7.0%(月額が高いプランほど料率は下がる)。加えて楽天ポイント原資が通常1.0%、アフィリエイト経由分が2.6%〜5.2%、楽天ペイ利用料が2.5%〜3.5%
Yahoo!ショッピング無料月額システム利用料は無料(2026年9月に出店プランの変更が告知されている)売上ロイヤリティは無料で、販促の原資負担が中心。ストアポイント原資1%〜15%(1%が必須)、キャンペーン原資1.5%(必須)、アフィリエイト報酬1%〜50%(1%〜4%が必須)とその30%の手数料、決済サービス手数料が決済金額の3.0%(税別)から

※楽天市場・Yahoo!ショッピングの金額は税別表記。AmazonはFBA配送代行手数料のみ消費税込みで、他は税抜(出典:Amazon「出品にかかる費用」、楽天市場「プラン・費用」、Yahoo!ショッピング「出店のご案内」)

表を見て分かるとおり、3社は費用のかかり方の形がまったく違います。Amazonは月額が小さく、売れた分の販売手数料が主。楽天市場は固定費が大きい代わりに、売上に対する料率は相対的に低い。Yahoo!ショッピングは固定費がなく、ポイントやアフィリエイトなど販促の原資負担が中心です。

もう少し実務的な補足を3点入れます。

  • Amazonの出品プランは月に何個売るかで選びます。小口出品プランは1商品ごとに100円がかかるため、販売点数が増えるほど月額4,900円の大口出品プランが有利になります。大口出品プランでないと使えない機能(広告の出稿、独自の配送料設定など)もあります。
  • 楽天市場はプランの切り替え点が公表されています。楽天市場の案内では、目標月商178万円以上ならスタンダードプランが有利とされています。がんばれ!プランは年間一括払い、スタンダードプラン以上は半年ごとに2回分の前払いで、契約期間はいずれも1年です。
  • Yahoo!ショッピングは2026年9月に出店プランが変わります。公式サイト上でプラン変更が告知されているため、これから出店を検討する場合は、変更後の条件を公式の案内で確認したうえで採算を組んでください。

販売手数料は商品カテゴリーごとに料率が異なります。自社の商材がどのカテゴリーに入り、料率が何%かは、必ず公式の料金ページで確認してください。この1つの数字が、後の採算設計の前提になります。

※ Amazonのカテゴリー別料率とFBA費用の内訳はAmazonに出品する手数料はいくら?販売手数料・FBA費用の全内訳と計算方法で詳しく解説しています。

自社ECとフリマ・ハンドメイド系の費用構造

この2つは固定費が小さく、売れたときの手数料が中心です。

販路初期費用月額売れたときにかかる費用
自社EC
BASE/STORES/Shopify/カラーミーショップ
0円から始められるサービスが多い月額0円のプランから、機能や手数料率に応じた有料プランまで幅がある決済手数料とサービス利用料。たとえばBASEの月額0円プランは決済手数料3.6%+40円とサービス利用料3%。加えて集客の広告費が別途かかる
フリマ・ハンドメイド系
メルカリShops/minne/Creema
基本的に不要基本的に不要販売手数料。売れたときだけ発生する形が中心

自社ECのカートは、月額を上げると決済手数料が下がる料金設計が一般的です。BASEにも月額制のプランがあり、月額0円のプランより決済手数料が低く設定されています。月商がいくらを超えたら有料プランのほうが安いのかは各社が試算を公開しているので、自社の想定月商で確認してください。

見落としがちな費用は撮影・画像・動画・広告・物流・人件費

初期費用ゼロで始まるのは「箱」だけで、中身には実額がかかります。

私たちが外注するときの費用感を、項目ごとに並べます。金額は依頼先と作り込みの度合いで変わるため、相場のイメージとして見てください。

  • 商品説明用の画像…1枚あたり1万円前後が目安。簡易な作りなら1枚4,000円〜5,000円程度のケースもあります。
  • 商品撮影の代行…手元に素材がない場合の選択肢です。1万〜2万円程度で100枚近い商品素材が、2週間ほどで揃うケースもあります。
  • 動画…手持ち画像のスライドショー中心なら2万〜3万円程度。作り込むと3万〜5万円程度。制作会社にフルで依頼すると10万〜20万円程度です。
  • 広告費…モールの検索連動型広告が中心。金額ではなく売上に対する比率で管理します(次の項目で計算方法を扱います)。
  • 物流費…送料と梱包資材。倉庫に預ける場合は保管料と入出庫の費用が加わります。
  • 在庫の仕入れ…初回ロットの支払いは、売上が入金される前に発生します。
  • 人件費…担当者の稼働時間。社内工数は見えにくく、あとから利益を圧迫しやすい項目です。

この中で削りやすく見えて削ってはいけないのが撮影です。商品画像も紹介動画も、元になる撮影素材の質で仕上がりが決まります。どのみち撮影は必ず発生する工程なので、社内のスマホ撮影で済ませず、プロに依頼するのがおすすめです。そしてこれらを積み上げると「初期費用ゼロ」は成立しません。だからこそ、開設作業に進む前に採算の検算が要ります。

売上が立っても利益が残るか。原価から広告費の上限を計算する手順

売上が立っているのに利益が残らない事業者には、3つの共通点があります。

私たちが見てきた範囲では、原因は①製品原価が高い、②広告費のかけすぎ、③人件費のいずれかに収束します。そして3つとも、開業時の設計でかなり防げます。①の防ぎ方は「ネット販売の始め方7ステップ」の原価計算のステップで扱います。②と③は「よくある失敗5つと回避策」の章です。

ここでは②に直結する、広告費の上限の出し方を実演します。仮に原価率20%、販売手数料が10%程度、配送料が10%〜15%程度だとします。ここから最終利益を15%〜20%残したいと考えると、広告費に使える上限はおおむね売上の25%程度です。月商100万円なら広告枠は25万円程度、という考え方になります。

売価から原価・販売手数料・配送料・最終利益を引いて広告費の上限を逆算する3ステップの図解

この上限は、原価率が変われば当然変わります。原価率は30%程度が一つの目安ですが、食品は高めです。低くて30%程度、高いと60%程度で、パッケージまで含めるとおおむね40%〜50%に落ち着くことが多い。その場合は広告費比率を10%以下まで絞らないと、利益が残りません。

握る指標は1つで十分です。広告費は金額ではなく、全体売上に対する比率で管理します。この指標の使い方は、公開後の運用の章で詳しく扱います。

そして、この計算が合わないなら、開設作業には進まないのが正解です。値付けか、原価か、商材そのものを先に直します。ここで止まれる事業者が、結果的にいちばん早く黒字化します。

原価と手数料を並べたとき、広告費をいくらまで踏めるか出せていますか。

LINK株式会社は、Amazon・楽天市場を中心にEC事業を支援しています。原価率と手数料、配送料から広告費の上限を置き、値付けの下限を決めるまでが日常の仕事です。無料相談では、ご自身の数字で採算を組み立てる考え方から一緒に整理します。

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ネット販売に必要な許可・届出と法律。商材別の一覧と表示義務

採算が合うと分かったら、法的に売れる商材かを確認します。ここは後戻りが効かない領域です。

商材別に必要な許可・免許の一覧

最大の落とし穴は、自社で作って売るのか、仕入れて売るのかで要否が変わることです。

商材必要な許可・届出根拠法申請・確認先
一般雑貨・アパレル原則として不要ーー
食品(製造して売る場合と、仕入れて売る場合で異なる)営業許可または営業届出、食品衛生責任者の設置食品衛生法管轄の保健所
酒類通信販売酒類小売業免許(扱える酒類に条件あり)酒税法所轄の税務署
中古品古物商許可古物営業法都道府県公安委員会(警察署)
化粧品・医薬部外品製造販売業許可など(自社ブランド製造か仕入れ販売かで異なる)医薬品医療機器等法都道府県の薬務担当窓口
一般用医薬品店舗販売業などの許可と、特定販売の届出医薬品医療機器等法都道府県の薬務担当窓口
コンタクトレンズ(カラーコンタクトを含む)高度管理医療機器等販売業の許可、営業所管理者の設置医薬品医療機器等法都道府県の薬務担当窓口

各行の右端に確認先を置いたのは、自分で調べ切ろうとせず、必ず所管の窓口に当てて確認してほしいからです。とくに食品は、自社の厨房で製造するのか、完成品を仕入れて転売するのかで、必要な手続きがまったく変わります。

酒類も同様です。通信販売酒類小売業免許は、扱える酒類の種類そのものに条件があります。「免許を取れば何でも売れる」ではありません。申請前に国税庁の案内で条件を確認してください。

コンタクトレンズは、視力補正用もおしゃれ用カラーコンタクトレンズも高度管理医療機器にあたります。販売には都道府県知事の販売業許可と管理者の設置が義務づけられています(出典:厚生労働省)。雑貨に見える商材でも、法律上の分類が違うことがある点にご注意ください。

開業届・法人化・インボイスなどの事務手続き

個人事業なら開業届、法人なら定款の事業目的が最初の確認点です。

個人事業として始める場合は、事業を開始したら納税地の税務署へ開業届を提出します。提出時期は国税庁の手続案内に定めがあるため、開業前に確認しておくと安心です。青色申告の承認申請とは提出期限が別なので、あわせて確認してください。

既存の法人でネット販売を始める場合は、定款の事業目的に小売や通信販売が含まれているかを確認します。加えて、取引先が課税事業者中心なら、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録要否も判断が必要です。

全ショップ共通の表示義務と、広告表現で注意する法律

商材を問わず、通信販売には広告の表示義務があります。

特定商取引法は、通信販売の広告に表示すべき事項を定めています。表示事項は、販売価格(送料も表示が必要)、代金の支払時期と方法、商品の引渡時期などです。あわせて、申込みの撤回や解除に関する事項(返品特約を含む)、事業者の氏名または名称・住所・電話番号も必要です。出典は消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」です。

表現面では、景品表示法の優良誤認・有利誤認に注意します。さらにステルスマーケティングは2023年10月1日から景品表示法違反です(出典:消費者庁)。依頼したレビューやインフルエンサー投稿の扱いに直結します。

食品、化粧品、健康食品を扱うなら、景品表示法と薬機法は当然の前提として押さえるものだと考えてください。私たちが商品企画に入るときも、成分と訴求の可否確認は最初の工程です。判断に迷う表現は、公式の解釈や所管窓口に当ててから公開します。

法律の許可とは別に、モール側の出品規制がある

法律をクリアしても、モールの規制で出せない商材、事前承認が必要な商材があります。

理由は、モールが購入者保護と法令順守を自社の責任で担保しているためです。出品者が許可を持っているか、商品が安全基準を満たしているかを、モール側が書類で確認します。法律上の許可とは別枠の手続きなので、切り分けて確認してください。

Amazonは「制限のあるカテゴリー」を公式に一覧化しています。具体的には次のような商材です(出典:Amazon「Amazonで出品を始めるには」)。

  • 酒類、食品&飲料…食品衛生法上の営業許可や表示の確認が必要になるため。食品は制限対象カテゴリーに含まれます。
  • 医薬品、医薬部外品および化粧品、栄養補助食品…薬機法上の許可・承認と、表示内容の確認が求められるため。
  • 医療機器および関連商品…販売業の許可が必要な区分があるため。コンタクトレンズのように、一般には雑貨に見える商材も含まれます。
  • 電化製品・電子機器…電気用品安全法などの技術基準に適合している必要があるため。たとえばモバイルバッテリーは2019年2月1日以降、PSEマークのないものは流通在庫を含めて販売できません(出典:経済産業省)。
  • 自動車用品、化学物質・農薬および肥料、レーザーポインター、タバコ関連商品…安全性や個別法令の確認が必要なため。

加えて、出品できるコンディションが「新品」に限られるカテゴリーもあります。ドラッグストア、ビューティ、食品&飲料、ジュエリー、腕時計、服、シューズ&バッグが該当します。中古品を扱う計画なら、この制約は事前に効いてきます。

楽天市場やYahoo!ショッピングにも、それぞれ取扱禁止商材と出店ガイドラインがあります。参入前に「自社の商材が承認制かどうか」「必要な書類は何か」を各モールの公式ヘルプで確認してください。そのうえで、審査にかかる時間を開業スケジュールに織り込んでおきます。

※ Amazonの出品規制と解除申請の具体手順はAmazon出品規制の原因・解除手順と申請却下対策で解説しています。

ネット販売の始め方7ステップ。商材の確定から公開までの流れ

ここからが実務です。7つのステップを順番に進めます。

各ステップには「目的」と「完了条件」を置きました。完了条件を満たしてから次へ進むと、後戻りが起きにくくなります。ECのために新しく商品を開発する場合も、すでにある商品を出す場合も、出発点は市場調査です。なお、STEP5以降でモール特有の設定に触れる箇所は、Amazonを例に説明します。

ステップやること完了条件
STEP1市場を定量と定性で調べる参入カテゴリーと競合3〜5商品の数値が並んだシートがある
STEP2売る商品とコンセプト、価格を決める商品・対象顧客・価格・既存チャネルとの関係が1枚にまとまっている
STEP3原価計算をして参入可否を決める参入する/しないの判断と、根拠になった1枚の試算がある
STEP4販路を確定して出店・出品を申し込むアカウントの審査が通り、商品登録ができる状態になっている
STEP5商品ページの初期設定を決めるカテゴリー・商品名・バリエーションが確定している
STEP6商品ページの中身と、決済・配送・在庫を準備する受注から発送までを社内で1回通しで試せている
STEP7公開して初回売上をつくる公開と初回受注が完了している

【STEP1】市場を定量と定性の両輪で調べる

STEP1の目的は、参入する市場の大きさと、競合の強さを数字で把握することです。

調べる目的は、商品が決まっているかどうかで変わります。ECのために新しく商品を作るなら、市場調査は「どのカテゴリーで、どんな商品を作るか」を決めるための調査です。何を作るかは市場を見ないと決まらないため、必ずここから始めてください。

すでにある商品をECにも出す場合は、目的が変わります。「その商品がどの棚に並び、いくらで、誰と戦うのか」の確認です。商品は決まっていても、勝てる棚を選び損ねると立ち上がりません。どちらの場合も、次の3点を数字で押さえます。

  • 市場規模…そのカテゴリーが年間いくらの市場か
  • 競合の売上…上位商品が月にいくら売れているか
  • 競合の強さ…画像や広告の作り込み、レビュー数と評価、商品紹介コンテンツ、セール参加の状況

私たちが新製品の市場選定をするときは、3C分析と4P分析を土台に、この3点を必ず数字で並べます。使うツールは、ラッコキーワード、セラースプライト、Nint、Keepaです。Nintは市場調査専用なので、必要ない方もいます。Keepaは拡張機能を入れて、商品ページ上で価格推移を追う使い方をしています。ツールは調べる目的が決まってから入れてください。

売る商品自体がまだ決まっていない場合は、市場選定から製品開発、販売までを一気通貫で進める座組みもあります。私たちは工場の選定や、成分・仕様の折衝まで入ることがあります。相談開始から発売までは最短で6ヶ月程度、通常は8〜10ヶ月程度を見ておくのが現実的です。

完了条件は、参入候補のカテゴリーと、競合3〜5商品の数値が並んだシートができていることです。

【STEP2】売る商品とコンセプト、価格を1枚にまとめる

STEP2の目的は、誰のどんな困りごとを解決する商品かを1枚に落とすことです。

STEP1で見た市場をもとに、商品・対象顧客・価格を確定させます。新しく商品を作る場合は、ここで仕様の方向性まで決めます。すでにある商品を出す場合は、どの棚で誰に向けて売るかを言葉にする作業です。

価格の決め方は、商品の出どころで分かれます。実店舗や卸で売っている商品をECにも出すなら、送料込みで既存価格の110%〜120%程度に置くのが基本線です。モールの手数料が乗るため、店頭価格をそのまま持ち込むと利益が残りません。

ECのために新しく作る商品は、STEP1で調べた競合の価格帯と、次のSTEP3で出す原価から売価を決めます。上位商品がいくらで売れているかを見て、その価格帯の中で原価が合う位置を探しましょう。

完了条件は、商品・対象顧客・価格・既存チャネルとの関係が1枚にまとまっている状態です。

【STEP3】原価計算をして、参入するかを決める

このステップの成果物は「参入する/しない」の判断そのものです。

上代、原価、広告費、販売手数料、カテゴリー成約料、送料、在庫保管費を積み上げ、広告前と広告後の利益率を出します。私たちが企画段階で「やめたほうがいい」と伝えるのは、突き詰めると原価計算が合わないときです。

見送りの判断はこの3つで下ろします。想定クリック単価が高すぎて広告で戦えない。メーカー見積もりで原価が合わない。広告費まで含めた最終的な利益率が10%を下回る。

営業利益が1桁パーセントに留まるなら、広告費も在庫リスクも吸収しにくくなります。加えて、市場そのものが伸びていない商材は新規参入に不利です。需要が拡大していない土俵では、後から入る側が構造的に不利になります。

原価が合わないときは、値付けを疑う前に原価を疑ってください。OEMメーカーは、自社ブランド品の製造を請け負う工場のことです。最初の見積もりを高めに出してくることが多く、心を鬼にして最低2回は仕切り値を交渉します。

ただし、値切り交渉より効くのは経済ロットです。1,000個や3,000個を境に原価がぐっと下がることが多いためです。メーカーには「原価が下がる数量の境目はどこか」を聞き、数量別で見積もりを取ってください。完了条件は、参入可否の判断と、その根拠になった1枚の試算です。

【STEP4】販路を確定し、出店・出品を申し込む

STEP4の目的は、販路を1つに確定し、売れる状態のアカウントを用意することです。

販路は、この記事の「4つの判断基準」で決めます。使い方はこうです。4つの答えがモール寄りに揃えばモール型、自社EC寄りに揃えば自社ECと読みます。

たとえば①すでに検索されている商材で、②集客の予算も担当もいない場合。③単発購入が中心で④立ち上げ期間も短いなら、モール型を1つ選びます。逆のパターンもあります。①まだ呼び名がない商材やブランドで選ばれる商材で、②広告やSNSに継続投資でき、③リピートが見込め、④時間をかけられるなら自社ECです。まず反応だけ見たい段階ならフリマ・ハンドメイド系から試します。

4つが割れた場合は、②の集客を優先してください。集客の手当てがつかない販路を選ぶと、開設しても訪問者が来ないためです。モール型に決まったら、次は商材が売れている棚があるモールはどこかで1社を選びます。

申し込みには審査があり、開店までに時間がかかります。たとえばYahoo!ショッピングは、申込からストア構築を経て最短約2週間で出店可能と案内しています(出典:Yahoo!ショッピング出店のご案内)。Amazonの場合は、出品用アカウントの登録に加えて本人確認と割賦販売法の審査があります。この審査が終わらないと、商品を登録しても販売ページに表示されません(出典:Amazon「Amazonで出品を始めるには」)。

必要書類はモールごとに違います。Amazonの登録では、顔写真付きの身分証明書と、過去180日以内に発行された取引明細書が必要です。あわせて有効なクレジットカードと銀行口座も用意します(出典:Amazon「Amazonで出品を始めるには」)。Yahoo!ショッピングは電子契約のため、紙の書面や押印は不要です。ただし審査内容によっては、書類の提出を求められると案内しています。

共通しているのは、どのモールにも審査があり、書類の不備がそのまま開業スケジュールの遅延になる点です。申し込む前に、出店先の公式ページで必要書類の一覧を確認して揃えておいてください。完了条件は、審査が通り、商品登録ができる状態になっていることです。

【STEP5】商品ページの初期設定を決める

どのモールにも、公開後に変えると売上に響く設定があります。

共通するのは3種類です。①商品がどの棚に並ぶかを決める設定、②検索でどの語に当たるかを決める設定、③色やサイズ違いをどうまとめるかの設定。呼び名はモールによって違います。ただしいずれも、実績が積み上がった後に変えると、それまでの評価や検索での見つかりやすさを失う可能性があります。

だからこのステップは、後から直せる前提で作らないでください。ここから先は、Amazonの場合の具体的な設定名で説明します。

1つ目はカテゴリー登録です。販売実績が積み上がった後にカテゴリーを変えると、変更前のカテゴリー名にあたるキーワードで検索対象外になることがあります。カテゴリー名は検索ボリュームが大きい語であることが多く、失うものが大きい。登録してみて駄目なら戻す、ができない領域です。

2つ目は商品名です。大幅な変更は順位を大きく落とすため、初回で決め切ります。変更が必要なら、末尾に語を足す程度に留めてください。

あわせて、Amazonでは2026年7月27日から仕様が変わっています。メディアを除く全カテゴリーが対象です。買い物客側の見え方は、商品名(75文字)と商品のハイライト(125文字)の二段構成になりました。75文字を超えている商品名は順次AIによって短縮されます。個別の通知は無いため、出品者用の管理画面であるセラーセントラルを自分で確認しに行く必要があります。

ハイライトは半角カンマ区切りで5つの特徴を入れる形が推奨されています。ハイライト側にも検索での効果があるため、商品名から正しく移し替えられていれば影響は出にくいと見ています。ただし狙ったキーワードが消えていないかは、目視で確認してください。

3つ目はバリエーションです。色違いや容量違いは、組めるだけ組んだほうが有利になりやすい。販売実績の評価が親単位になり、レビューも統合されるためです。ただし、統合してもレビューが共有されないことがあります。統合後に各商品のレビュー件数が揃っているか確認し、揃っていなければテクニカルサポートに共有を依頼してください。

完了条件は、カテゴリー・商品名・バリエーションが確定していることです。

※ Amazon単体の出品手順はAmazon出品の始め方完全ガイド|費用・手順・売上化まで徹底解説もどうぞ。

【STEP6】商品ページの中身と、決済・配送・在庫を準備する

STEP6の目的は、商品ページの中身と、注文を捌く体制を同時に整えることです。

画像の大原則は2つです。規約に違反しないこと、そして実際の荷姿と一致していること。この2つを外すと、後の改善がすべて無駄になります。

優先順位も明確です。1枚目のメイン画像はクリック率(CTR)と購入率(CVR)の両方に効きます。だから最初に投資するのはメイン画像です。補足用に並べる画像が効くのは購入率だけなので、後回しで構いません。

動画も、未設定なら優先度が高い要素です。商品ページの情報量が多いほど検索順位が上がりやすい傾向があります。私たちがコンサルティングに入るときも、最初に確認するのが動画の有無です。最初から100点を目指す必要はありません。60点から70点の出来でも、設定されていること自体に価値があります。

※ 画像の規約・構成・改善の具体手順はAmazon商品画像の完全ガイド!規約・CVR改善・著作権・A+連動まで徹底解説で詳しく解説しています。

後半は、注文を捌く準備です。決済は、クレジットカード、コンビニ払い、後払い、キャリア決済などの手段ごとに手数料が違います。配送は、送料込み価格にするかどうか、梱包資材、出荷までのリードタイムを決めます。ここは公開後に変えると顧客体験に響くため、先に固めてください。

初期在庫はよく相談を受ける論点です。「作れる数」ではなく「切らさない数」から逆算します。最低ロットはメーカーによって大きく変わります。1商品で月商100万円以上を狙う規模なら、初期発注は1,000個以上ないと在庫が切れる恐れがあります。売れ始めてからの追加発注にはリードタイムがあるためです。

ツールは開業時に積みすぎないでください。在庫や価格の管理は基本的に自動で回るので、専用ツールへの課金は必須ではありません。完了条件は、受注から発送までを社内で1回通しで試した状態です。

【STEP7】公開して初回売上をつくる

公開はゴールではなく、初速をつくる90日のスタートです。

公開直後にやることは3つです。①最初のレビューを取りに行く、②モール内の広告を少額で回し始める、③在庫の追加発注ラインを決めておく。この3つはAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピング・自社ECのどれでも変わりません。

違うのは、使う機能の名前と数字の見方です。レビュー依頼の手段も、広告メニューの種類も、在庫の見え方も販路ごとに異なります。次の章で、この3つを具体的な運用に落とします。完了条件は、公開と初回受注です。

カテゴリーや商品名を決め切れないまま、公開日が近づいていませんか。

LINK株式会社は、Amazon・楽天市場を中心にEC事業を支援しています。カテゴリー登録、商品名とハイライト、バリエーション、画像と動画といったやり直しの効かない初期設計が対象です。無料相談では、どこを最初に固めるべきかの考え方をご状況に合わせて一緒に整理します。

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公開後90日でやること。レビュー・広告・在庫の初期運用チェック

開設ガイドの多くは公開までで終わります。しかし売上が立つかどうかは、この90日で決まります。

やることの枠組みは販路を問わず同じです。①レビューを積む、②広告を計測しながら回す、③在庫を切らさない。この3つが揃うと初速がつきます。ただし具体的な機能名や判断に使う数字はモールごとに違います。ここではAmazonを例に具体化し、他モールとの違いは都度ふれます。

Amazonではレビュー10個の壁を最優先で越える

Amazonでは、レビュー数と購入率の関係が直線ではなく階段状になります。

購入率が跳ねるのは0個から1個、9個から10個、49個から50個、そして100個のタイミングです。最優先は10個の壁。まず1件目を貪欲に取り、次に10件を目指します。最終的には100件が一つのゴールです。

手段は2つあります。1つ目は、注文管理画面の「レビューをリクエストする」ボタンです。1件ずつ押すのは手間なので、ツールで一括送信し、毎週決まった曜日に送るルーティンにします。この一手だけで、レビュー獲得率はおおむね3%〜5%程度まで上がる感触があります。

2つ目はAmazon Vineです。Amazon Vineは、Amazonが選定したレビュアーに商品を提供してレビューを集めるプログラムのこと。新商品を出したら必ず実施します。レビューが30個未満であれば、ローンチ直後の商品に限らず利用できます。費用体系と利用条件は改定されるため、申し込む前にAmazonの公式ヘルプで最新の内容を確認してください。

数だけでなく、星の表示も見ておきます。表示は0.5刻みで、平均3.7〜4.2は星4、4.3〜4.7は星4.5と表示されます。星4から星4.5に変わると、購入率はおおむね1.2倍程度になります。平均4.2の商品は大きなチャンスなので、あと何件で表示が変わるかを逆算して取りに行ってください。

最後に禁止事項です。Amazonでは、レビューに特典や割引などのインセンティブを付けることが規約違反にあたります。絶対にやらないでください。依頼した投稿の扱いは、ステルスマーケティング規制にも関わります。

※ レビューが増えない原因と規約内で使える施策はAmazonレビューが増えない理由と正規施策5選で詳しく解説しています。

楽天市場とYahoo!ショッピングのレビューは仕組みが違う

他モールでもレビューは重要ですが、集め方のルールが異なります。

楽天市場のレビューは「商品レビュー」と「ショップレビュー」の2種類に分かれます。商品レビューは商品の使用感、ショップレビューは店舗対応への評価です。評価される対象が違うため、梱包や連絡の丁寧さはショップレビューに、商品そのものの満足度は商品レビューに反映されます。

依頼の仕組みも用意されています。楽天市場では、注文時に「レビューのお願いメール」にチェックが入っている場合があります。この場合、楽天からレビューを依頼するメールが配信されます。また商品レビューは、商品到着後に投稿するルールです。投稿内容によっては非表示になる場合もあります(出典:楽天市場「みんなのレビュー」投稿ガイドライン)。

店舗が独自にレビュー特典を用意する施策については、モールごとに認められる範囲と禁止事項がガイドラインで定められています。Amazonのようにインセンティブ付与が一律で規約違反となるモールもあれば、条件付きで認められるモールもあります。実施前に、必ず出店先の最新のガイドラインで可否を確認してください。ルールは改定されるため、他社がやっているから大丈夫、という判断は危険です。

広告は少額で回して計測してから、比率で調整する

開業直後の広告は、決め打ちではなく計測から入ります。

販路を問わず共通する原則は2つです。広告費は金額ではなく売上に対する比率で握ること、そして最初は少額で回してデータを取ること。モール内の検索連動型広告はAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングのいずれにもあり、考え方は変わりません。

手順の骨格はこうです。原価計算から広告費の上限比率を出し、まず自動でターゲティングされる設定を1〜2週間回します。その期間の全体売上と広告費から比率を算出し、目標に届いていなければ入札を上げ、超えていれば下げる。1ヶ月から2ヶ月かけて、効率の良いキーワードを手動の設定に切り出していきます。

ここで最も間違えやすいのが、見るべき比率をどちらに取るかです。Amazonでは、広告経由売上に対する広告費の比率をACOS、アカウント全体売上に対する比率をTACOSと呼びます。判断に使うのはTACOSです。

たとえば全体売上100万円、うち広告経由が40万円、広告費が20万円のケース。ACOSは50%で、原価計算上かなり厳しく見えます。しかしTACOSは20%で、事業としては成立しています。広告経由だけを見て広告を止めると、自然検索の売上まで連鎖して落ちます。呼び名が違うだけで、全体売上に対する比率で見る考え方は他モールでも同じです。

※ 広告の種類・入札設計・ACoS改善の具体手順はAmazon広告で利益最大化!種類・費用・ACoS改善の全手法で詳しく解説しています。

在庫は切らさない数から発注量を決める基準をつくる

在庫切れは、開業後にやってはいけないことの第1位です。

ダメージが二重だからです。売れていたはずの売上を失うだけでなく、モール内の検索順位まで落ちます。Amazonの場合、検索順位に最も効く直近の販売実績が一定期間ゼロになり、さらに在庫切れそのものにペナルティがあります。一度落ちた順位は、簡単には戻りません。

基本ルールはこうです。直近の販売ペースで2ヶ月分程度を常時持ち、残り1ヶ月分になったら追加納品する。これだけで大半の欠品は防げます。

ただし成長期は話が別です。販売速度が過去実績を上回るため、過去平均ベースの発注では構造的に切れます。最低1ヶ月分を確保しつつ、少なくとも週次で販売数量を見て、向こう1ヶ月の見込みを更新してください。逆に持ちすぎると保管費用がかさむため、切らさない量と持ちすぎない量の両方に線を引くのが実務です。

※ 在庫切れペナルティと過剰在庫の詳しい防ぎ方はAmazon在庫管理の極意|在庫切れペナルティと過剰在庫を防ぐ方法で解説しています。

売れないときはセッション・購入率・平均単価に分解する

施策先行ではなく、課題先行で打ち手を選びます。

売上は「アクセス数×購入率×平均単価」に分解できます。流入が足りないのか、購入率が低いのか、単価が低いのか。どの変数が動いているかで、打つべき手はまったく変わります。

この分解は販路を問わず使えます。指標の呼び名だけが違い、Amazonの管理画面では「セッション」、楽天市場では「アクセス人数」にあたります。

あわせて、検索順位と販売個数を混同しないでください。順位は「これから売れる力」を示す先行指標で、販売個数は結果です。順位が上がっても、売上への反映には時間差があります。

購入率が課題なら、広告をいじるより商品ページを直すほうが速い。単価1万円の商品で、クリック単価100円、購入率10%なら、広告費1,000円で売上1万円です。購入率が2倍になれば、同じ広告費で売上2万円。広告効率が2倍になります。広告アカウントの中だけで効率を追うと、すぐ頭打ちになります。

最後に、なぜ初速づくりがここまで効くのかを補足します。支援現場での実感として、検索順位に最も影響するのは直近の販売個数です。しかもその評価は、バリエーションの親単位で行われていると見ています。Amazonが公開しているロジックではありませんが、レビュー・広告・在庫を90日で揃える理由はここにあります。

※ 公開後の集客をチャネル別に詰めたい方はECサイト集客できない?原因と「チャネル別施策」完全解説もどうぞ。

ネット販売の始め方でよくある失敗5つと回避策

ここまでの内容を、つまずき方の側から整理します。失敗1と失敗4はモール型、とくにAmazonで起きやすいもので、失敗2・3・5は販路を問わず起こります。5つとも回避策とセットで書きます。

※ 集客・在庫・運営体制まで含めた失敗の全体像はネットショップ開業でよくある失敗と回避策|6系統で解説・開業前チェックリスト付きで整理しています。

【失敗1】商品名やカテゴリーを後から変えて順位を落とす

何が起きるか…Amazonで月商100万円程度の商品に、商品名の大幅変更を加えたとします。その後1ヶ月程度は、月商70万〜80万円程度まで落ちることがあります。狙っていたビッグワードの順位も1位から2〜3位程度まで下がり、1ヶ月ほどかけて戻っていくイメージです。カテゴリー変更の場合は、変更前のカテゴリー名にあたるキーワードで検索対象外になることがあります。

回避策…初回登録時に決め切ります。修正が必要なら末尾への語の追加程度に留めてください。季節需要の語を足すなら、検索が増える1ヶ月ほど前に済ませます。なお楽天市場は商品ページの作りも検索の仕組みも異なるため、影響の出方は同じではありません。販路ごとに「何が変えにくい設定か」を先に確認してください。

【失敗2】広告費を固定額で握り、止め時を間違える

何が起きるか…月商100万円なら、広告費の目安は10%〜20%です。金額にすると10万円から20万円の幅があります。これを「月10万円」と固定すると、売上が伸びている月は上限に縛られて機会を逃し、落ちている月は比率だけが跳ね上がります。どちらに転んでも損をしやすい握り方です。

回避策…金額ではなく比率で握り、フェーズと期間を先に決めます。原価計算から出した上限(原価率20%の例なら25%程度)の内側で、いま踏む水準を決めるイメージです。立ち上げ・投資フェーズは20%程度まで厚めに踏み、利益を残すフェーズに入ったら10%前後へ切り替える。粗利率が高い市場なら5%〜7%まで絞る場合もあります。

大事なのは、投資フェーズの期間を先に決めることです。立ち上げから3ヶ月、あるいは半年と区切らずに踏み続けると、赤字が固定化しやすくなります。下げるときは1ヶ月から2ヶ月かけて徐々に戻してください。

【失敗3】人件費が見えず、利益を圧迫する

何が起きるか…EC担当の工数は見えづらく、管理から漏れやすくなります。売上が伸びていないのに担当者の稼働だけが増え、利益が削られる。これは私たちの社内でも起きる、典型的なパターンです。

回避策…削減ではなく、売上に対する適切な比率を決めて配分します。まず自社の担当者の時間単価を出してください。年間の給与に社会保険料の会社負担分を足し、年間の実働時間で割ります。この単価にEC業務の月間工数を掛ければ、隠れていた人件費が金額になります。

担当者がAmazonと楽天市場を兼務しているなら、その金額をモールごとに按分します。「このモールには売上の何%までリソースを振る」と決めておくと、工数の膨張を抑えやすくなります。

【失敗4】販売ページを自分で直せない形で始める

何が起きるか…売れない原因が商品ページにあると分かっても、編集権限がなければ手が出せません。よくあるのは2つのパターンです。1つは、他社がすでに作ったページに同じ商品を出品する形(Amazonの相乗り出品)。画像や商品紹介コンテンツを自分で変更できません。

もう1つは、卸や販売代理店のアカウントで売ってもらう形です。この場合、商品ページもレビューも販売実績も相手側に貯まります。取引が終わっても引き継げないため、自社には何も残りません。こちらはモールを問わず起こります。

回避策…ページ改善を伴う運用をするなら、自社が編集権限を持つ形で始めます。自社アカウントで新しく商品ページを作る、あるいはブランドの権利者として登録して編集権限を確保する方法です。ただし、在庫を捌きたいだけなら相乗りや卸経由でも成立します。安さで選ばず、目的で構成を選んでください。

【失敗5】作れば売れると考えて公開し、初速をつくる設計がない

何が起きるか…レビュー0件、販売実績0件のまま数ヶ月が過ぎます。販売実績が積み上がらないので順位も上がらず、上がらないから売れない。この負のループから抜け出すのに、後から何倍もの広告費がかかります。

回避策…公開前に、90日計画(レビュー・広告・在庫)をセットで用意しておきます。公開日は、その計画の実行開始日です。

公開したものの、レビューも順位も動かないまま数ヶ月が過ぎていませんか。

LINK株式会社は、Amazon・楽天市場を中心にEC事業を支援しています。レビューの積み上げ、広告費比率の設計、欠品を出さない在庫の見方まで横断して確認します。無料相談では、いまどこが詰まっているのかの見立て方から一緒に整理します。

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自社で運用するか外注するか。判断基準と費用相場、支援会社の選び方

最後は体制の話です。どちらが正解というより、人件費と立ち上げ期間で答えが変わります。

内製と外注のコスト比較。どちらが安いかは人件費で決まる

分岐点は、EC専任を1名置けるかどうかです。

内製の費用は、給与だけではありません。採用にかかる費用、立ち上がるまでの教育コスト、そして辞めたときに知見が消える退職リスクが乗ります。担当者の時間単価に、これらを足したものが実際の内製コストです。

外注の主なメリットは、採用費や教育コストが発生せず、担当者の入れ替わりに左右されにくいことです。担当が1人辞めても運用が止まりません。運用が安定期に入れば、広告費比率は10%〜15%が適正のイメージなので、そこに外注費を乗せて利益が残るかで判断します。

振り分けの目安はこうです。商材数が少なく、目標月商も控えめで、社内に手が空いている人がいるなら内製から。商材数が多い、立ち上げ期間が短い、専任を置けない、のいずれかに当てはまるなら外注か併用が現実的です。

支援会社に依頼する前に確認する4点

発注前に聞くべきことは4つです。誰が担当するか、何名体制か、自社に近い支援実績があるか、そして売上以外の論点まで見られるかです。

1つ目の誰が担当するか。営業担当と実務担当がまったくの別人というのは、この業界ではよくあることです。商談で信頼した人と、実際に運用する人が違う。だから「実際に運用する方の経歴」と「品質管理者が入るか」を必ず聞いてください。

ここを濁されたら要注意です。発注者にとって最大の損失は、思うように売上が上がらないまま3〜4ヶ月を失うことです。トラブルよりも、動かない時間のほうが高くつきます。

2つ目の何名体制か。フリーランスや個人で活動するコンサルタントは、複数社を並行して支援していることが多くなります。そのため実力がある人ほど稼働が埋まり、対応が後ろ倒しになりやすい傾向があります。もちろん、契約時に稼働時間や対応範囲を握れていれば問題は起きにくくなります。

支援会社に依頼する場合の理想は、品質管理者、フロントに立つディレクター、実務を担当するアシスタントの3名体制です。組織的なほうが止まりにくい一方、当然費用は上がるのでバランスで判断します。

3つ目の自社に近い支援実績があるか。ここが4つの中で最も判断材料になります。見るべきは支援社数の多さではなく、自社と同じ商材カテゴリー、近い売上規模、同じ販路での実績があるかです。食品と機械部品では売り方が違います。月商100万円の立ち上げと月商5,000万円の改善でも、必要な打ち手はまったく変わります。

あわせて、その実績で何をやって、何が変わったのかを具体的に聞いてください。「売上が伸びた」ではなく、どの指標をどう動かしたかを説明できる相手なら、自社でも再現される可能性が高くなります。

4つ目は売上以外の論点まで一緒に考えられるか。PL上の利益がどれだけ残るか、在庫リスクをどう見るか、セールでブランドが毀損しないか、といった観点です。売上を伸ばすだけなら、広告費を積むか値下げすれば一時的には動きます。利益と在庫まで一緒に見られる相手かどうかが、1年後の差になります。

なお、実際に運用する担当者や、その会社の代表者の経歴を確認するときは、肩書きだけで判断しないでください。「大手モール出身」「大手代理店出身」といった看板があっても、同じ社内でどの部署にいたかで身につく能力はまったく違います。前職の名前ではなく、どの業務をどの立場で担当していたかを聞くほうが実態に近づきます。

最後に、対応範囲の確認も加えておきます。商品ページの改善が対応範囲に含まれているかです。広告だけを切り出すと、広告アカウントの中で効率が頭打ちになりやすい。購入率を上げたほうが広告効率に直結するためです。

外注の費用相場と契約形態の選び方

依頼する型によって、月額の桁が変わります。

依頼の型月額の目安体制の目安向いている状況
コンサルティングのみ15万円程度からコンサル担当が中心実務は社内で回せるが、戦略の壁打ち相手がほしい
コンサルティング+運用代行月30万〜50万円程度が中心コンサル担当、ディレクター、アシスタントの最低3名ネット販売の立ち上げから運用まで任せたい
フル伴走型月80万〜100万円程度が市場の相場観品質管理、PM、ディレクター、広告運用者、アシスタントの4〜5名複数モールや複数ブランドを本格展開する
広告運用代行のみ広告費の20%、または固定費+売上の3%〜5%広告運用者が中心ページは社内で作れるが、広告だけ任せたい

ネット販売をこれから始める事業者が最初に検討するのは、多くの場合コンサルティングと運用代行がセットになった型です。この場合の月額は30万〜50万円程度が中心で、体制が4名になると月100万円を超えることもあります。下限はコンサルティングのみで15万円、運用まで入ると20万円以上が目安です。

契約形態にも触れておきます。LINK社での契約は、固定+成果報酬の掛け合わせがほとんどです。純粋な固定額だけ、成果報酬だけという契約もありますが、少数派です。

「売上ベースの成果報酬だと広告費が膨らんで利益を圧迫する」という話を聞くかもしれません。ただ、これは広告費比率の上限を契約で握れば回避できます。形態そのものを避けるより、上限の握り方を確認するほうが実務的です。

最後に、モール数と委託先の関係を整理します。立ち上げ期は、商材に合うモール1つに絞るのがおすすめです。一方、すでに複数モールを運用している事業者が委託先を選ぶ場合は、1社が対応できるなら全モールをまとめたほうが効率的です。段階が違うので、混同しないでください。

※ 支援会社の選び方をさらに詳しく知りたい方はECコンサルとは?費用相場と選び方・「使えない」の真相を解説もどうぞ。

内製と外注、どちらが自社に合うか判断がつかないままになっていませんか。

LINK株式会社は、Amazon・楽天市場を中心にEC事業を支援しています。体制はコンサル担当、ディレクターと広告運用者、アシスタントの最低3名です。無料相談では、内製と外注のどちらから着手すべきかの考え方をご状況に合わせて一緒に整理します。

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ネット販売の始め方に関するよくある質問

ネット販売は個人でも始められますか。法人と手続きはどう違いますか。

個人でも始められます。個人事業として始める場合は、事業開始後に納税地の税務署へ開業届を提出します。屋号を決め、少額の在庫から試せるのが利点です。

既存の法人で始める場合は、定款の事業目的に小売や通信販売が含まれているかを先に確認します。加えて、既存の卸価格や店頭価格との整合、担当者のアサイン、在庫の持ち方といった論点が加わります。届出そのものは重くありませんが、既存事業との調整に時間がかかるケースが多く見られます。どちらの負荷が大きいかは、社内の体制によって変わります。

ネット販売を始めるのに資格や許可は必要ですか。

商材によります。一般雑貨やアパレルは原則として不要です。食品は営業許可または営業届出と食品衛生責任者、酒類は通信販売酒類小売業免許が必要です。中古品は古物商許可、化粧品や医薬品、コンタクトレンズは医薬品医療機器等法に基づく許可が要ります。

最も間違えやすいのは、自社で製造して売るのか、完成品を仕入れて売るのかで要否が変わる点です。とくに食品と化粧品はここで分かれます。判断は自分で完結させず、管轄の保健所や都道府県の窓口に確認してください。

開業資金はいくら必要ですか。無料サービスだけで始めても大丈夫ですか。

金額の相場を探すより、積み上げて出すほうが確実です。①初期在庫の仕入れ、②撮影・画像・動画の制作費、③開設後の広告費、④販路の固定費、⑤担当者の人件費。この5つを足し、売上が入金されるまでの期間分を上乗せした額が必要資金になります。

無料サービスで開設すること自体は可能です。ただし「無料で開設できる」と「無料で売れる」は別の話で、集客費、画像や動画の制作費、在庫の仕入れは別途かかります。開設費用の安さだけで判断しないでください。

モール型と自社EC、どちらから始めるべきですか。

集客の予算と担当が今ないなら、モール型から始めるのが現実的です。モール型は手数料が高く見えますが、その中に集客の対価が含まれています。自社ECは手数料が低い代わりに、広告やSNSへの継続投資が前提になります。

また立ち上げ期は、商材に合うモールを1つに絞るのがおすすめです。複数モールの同時立ち上げは、画像も在庫も運用も二重になり、外部委託の費用も膨らみます。その工数と費用を確保できる場合を除き、まず1つで型を作り、売上が安定してから広げる順序が安全です。

開業届はいつまでに出せばいいですか。法人の場合はどうなりますか。

個人事業の開業届は、事業を開始したら納税地の税務署へ提出します。提出時期は国税庁の手続案内に定めがあるため、開業前に確認しておいてください。青色申告の承認申請は別の手続きで、提出期限も異なります。

法人の場合、ネット販売を始めるために新たな届出が必要になるわけではありません。ただし定款の事業目的の確認と、インボイス(適格請求書発行事業者)の登録要否の判断は必要です。取引先が課税事業者中心かどうかで判断が変わります。

公開してからどのくらいで売上が立ちますか。

公開直後の90日を、初速をつくる期間として設計してください。公開しただけでは、レビューも販売実績もゼロのままです。レビューの1件目を取り、広告をオートで1〜2週間回して比率を測り、在庫の追加発注ラインを決める。この3つを同時に進めます。

とくにAmazonではレビュー10件を最優先で越えてください。購入率は階段状に上がるため、この壁を越えるかどうかで立ち上がりの速度が変わります。検索順位が上がっても売上への反映には時間差があるので、単月の数字で一喜一憂しないことも大切です。

ドロップシッピングとは何ですか。在庫を持たずに始められますか。

ドロップシッピングとは、第三者が出品者に代わって注文商品を配送する販売形態のことです。自社で在庫を持たず、注文が入ってからメーカーや卸から直接購入者へ発送してもらう形を指します。受注生産や委託販売と同じく、在庫リスクを抑えられるのが利点です。

ただしモールでは条件が定められています。Amazonの場合、自身が販売者であることを明示するなどの要件があります。別のオンライン小売業者から商品を購入し、その小売業者から購入者へ直接出荷させる形は禁止です。自身以外の販売者名や連絡先を記載した納品書での出荷も認められていません(出典:Amazon「出荷と配送」)。要件を守らないと出品権限が停止される可能性があります。

また、出荷までのリードタイムが伸びやすく、利益率も薄くなりがちです。モールでは出荷の遅れや在庫切れの判定が検索順位に響きます。在庫を持たない形態を選ぶなら、出荷リードタイムを守れる体制があるかを先に確認してください。

ネット販売と通信販売、EC、ネットショップは何が違いますか。

実務上はほぼ同じ意味で使われています。ネット販売は一般語、EC(電子商取引)は業界語、ネットショップは自社サイト側を指すことが多い語です。

ただし法律上の正式な呼び名は「通信販売」です。特定商取引法が定める取引類型の一つで、広告の表示義務もこの名称で規定されています。規約や書類で「通信販売」と書かれていたら、ネット販売のことだと読み替えて問題ありません。

まとめ。ネット販売の始め方で最初に決める3つのこと

ネット販売は、①どの販路で売るかを決める、②原価から採算を設計する、③商材に必要な許可とモールの出品規制を確認する、の3つを先に固めます。この3つが決まってから、7ステップの開設作業に入ります。

販路は、集客を自前で持てるかで決まります。モール型は集客を借りて手数料を払う形、自社ECは手数料を抑えて集客を買う形です。立ち上げ期は、商材に合う1つに絞るのがおすすめです。

採算は、原価率と手数料、配送料から広告費の上限を先に置きます。この計算が合わないなら、開設作業に進まないのが正解です。値付けか原価か商材を、先に直します。

そして、モールには後から変えにくい初期設定があります。Amazonならカテゴリー登録・商品名・バリエーションがこれにあたり、公開後に大きく変えると順位が落ちます。出店先ごとに「何が変えにくい設定か」を、公開前に洗い出してください。公開はゴールではなく、レビュー・広告・在庫を揃える90日の始まりです。

次の一手は3つです。比較表で販路を仮決めする。原価から広告費の上限と値付けの下限を出す。自社の商材に許可が要るかを窓口に確認する。この3つが揃えば、開設作業は迷わず進みます。

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参照した一次情報・公式情報
  • 経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(2025年8月26日公表)
  • 消費者庁「通信販売|特定商取引法ガイド」
  • 消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」
  • 国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
  • 国税庁「E1-3 酒類の販売業免許の申請」
  • 厚生労働省「営業規制(営業許可・営業届出)」
  • 厚生労働省「おしゃれ用カラーコンタクトレンズについて」
  • 警察庁「古物営業・質屋営業について」
  • 経済産業省「電気用品安全法 トピックス」(モバイルバッテリーの規制対象化)
  • Amazon「出品にかかる費用」
  • Amazon「Amazonで出品を始めるには」(商品カテゴリーと制限のあるカテゴリー)
  • Amazon「出荷と配送」(ドロップシッピングの要件)
  • 楽天市場「プラン・費用」
  • Yahoo!ショッピング「ネットショップ出店のご案内」
  • 楽天市場「【みんなのレビュー】投稿ガイドライン」
この記事の監修者
  • 公開日:2026年7月31日 / 最終更新日:2026年8月3日
  • 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
  • 本記事は経済産業省・消費者庁・国税庁・厚生労働省・警察庁の公表資料およびAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングの公式情報、ならびにLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。費用・手数料は2026年8月3日時点の公表値です。

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