Amazonプライムビデオ広告出稿の方法と2つの買い方、費用の決まり方と動画の仕様を元Amazon出身者が解説。
「Prime Videoに広告を出してみたいけど、うちの規模で出せるの……」
「費用を調べても、金額がばらばらで分からない……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazonプライムビデオ広告の出稿方法と費用の決まり方を解説します。プライムビデオ広告は、Prime Videoの番組や映画の前と途中に流れる、スキップできない動画広告です。日本では2025年から始まり、Amazonで商品を出品していない企業も出稿できます。買い方はマネージドとセルフの2つで、マネージドには通常5万米ドルの最低支出額があります。検索広告と商品ページを整えたあとに打つ認知の広告として、自社が出すべきかの判断から、動画の仕様まで整理します。
この記事のまとめ
- プライムビデオ広告は、番組や映画の前と途中に流れる、スキップできない動画広告です。
- 日本では2025年から始まり、Amazonで出品していない企業も出稿できます。
- 買い方はマネージドとセルフの2つで、マネージドは通常5万米ドルが最低支出額です。
- 動画は、15秒か30秒の16:9の横型が条件です。
- 検索広告と商品ページを整えてから、広告費の比率の枠で出す認知の広告です。
まず、プライムビデオ広告がどんな広告なのかから見ていきます。
Amazonプライムビデオ広告とは?番組の前と途中に流れる、スキップできない動画広告

Amazonプライムビデオ広告は、Prime Videoで番組や映画を見る人に、全画面の動画広告を流せる広告です。Amazon Adsでの正式名は「Prime Video広告」です。
役割は、まだ商品を探していない人に、テレビCMのように商品やブランドを知ってもらうことです。届ける相手は、年齢などの属性や、ペット好き・車好きといった生活の関心で選べます。ここでは流れる場所、日本で出せる条件、ほかのAmazonの動画広告との違いを順に見ていきます。
番組の前(プレロール)と途中(ミッドロール)に流れる【スキップもクリックもできない】
広告が流れるのは、番組や映画の本編の前と途中です。
本編の前に流れるものをプレロール、途中に流れるものをミッドロールと呼びます。作品によっては、本編の前だけに流れます。対象は、プライム会員が見られるAmazonオリジナル作品や、ライセンスを受けたほかの会社の作品です。
視聴者は、この広告をスキップできません。全画面で最後まで流れる形です。その代わり、ふつうの動画広告はクリックできない環境で配信されます。広告から直接、商品ページへ人を送る広告ではない点を押さえておきましょう。
日本では2025年から。Amazonで出品していない企業も出稿できる
日本のPrime Videoでは、2025年から番組と映画に広告が表示されています。
Amazonは2024年10月15日に、2025年から日本などで広告の提供を始めると発表しました。いまはAmazon Adsの製品ページで、日本が配信できる国の一つに挙がっています。
出稿できるのは、利用資格のあるブランド、出品者、取引企業、代理店です。Amazonで商品を出品しているかどうかは問われません。Amazonの外で売っているメーカーや、サービスの会社も出稿できます。
スポンサーブランド動画広告との違い【流れる場所・課金・出せる会社】
同じ動画の広告でも、スポンサーブランド動画広告とは流れる場所も払い方も違います。
| 動画の広告 | 流れる場所と課金のしかた | 出せる会社 |
|---|---|---|
| プライムビデオ広告 | Prime Videoの番組・映画の前と途中。表示1,000回あたりの単価(CPM)で払う | 出品の有無を問わない |
| スポンサーブランド動画広告 | Amazonの検索結果。クリックされたときだけ払う | 大口出品でブランド登録をした出品者 |
スポンサーブランド動画広告は、検索している人に向けて流し、クリックで商品ページやストアへ送ります。プライムビデオ広告は、まだ検索していない人に知ってもらうための広告です。同じ「動画の広告」でも、効く場面が違うと考えましょう。
プライムビデオ広告を出すべき会社・まだ早い会社【検索広告の次に打つ認知の広告】

プライムビデオ広告は、検索広告と商品ページを整えた会社が次に打つ広告です。
認知の広告で興味を持った人は、あとでAmazonで商品名やブランド名を検索します。そのとき検索結果に自社の商品が出ないと、関心を競合に取られます。広告を出す前に、受け皿が整っているかを確かめましょう。
先に整えるのは、検索広告と商品ページ
私たちは、まず検索の面を押さえ、そのあとで認知の広告に広げる順番で考えます。
検索の面とは、スポンサープロダクト広告やスポンサーブランド広告が出る検索結果のことです。スポンサー広告は、次の4つを漏れなく出すのが基本です。スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告とその動画、ディスプレイ広告です。「効率が悪いから出さない」と面を空けると、そこを競合に取られます。
そのうえで、商品ページを見直しておきましょう。認知の広告で呼んだ人が商品ページで買わなければ、広告費は回収できません。
出してよいかを決める4つの確認【指名検索・商品ページ・広告費の枠・横型の動画】
次の4つがそろっていれば、プライムビデオ広告を検討する段階です。
- 指名検索とカテゴリー検索:ブランド名や主要なキーワードの検索結果に、スポンサー広告で自社が出ている
- 商品ページ:検索から来た人が買っている。購入率(CVR)が下がり続けていない
- 広告費の枠:最低支出額を出しても、売上に対する広告費の比率が決めた枠に収まる
- 横型の動画:15秒か30秒の、16:9の動画を用意できる
どれかが欠けているなら、まだ早いと考えましょう。特に検索の面が空いたままなら、先にスポンサー広告を出し切るほうが売上に直結します。動画の仕様と最低支出額は、このあとの章で説明します。
予算は金額ではなく、売上に対する広告費の比率(TACOS)の枠で決める
認知の広告の予算も、売上に対する広告費の比率で決めましょう。
私たちが握るのは、TACOSだけです。TACOSは、広告費を広告経由だけでなく、アカウント全体の売上で割った比率を指します。「月◯万円」と金額で決めると、売上が落ちた月も同じ額を使い、比率が跳ね上がって赤字で売上を作ることになります。
あわせて、どの時期に何%まで踏むかを先に決めておきます。立ち上げの時期は強めに踏み、売上が育ったら比率を下げて利益を残す、という切り替えです。プライムビデオ広告は最低支出額が大きいので、その額を足しても比率が枠に収まるかを先に計算しましょう。
プライムビデオ広告の出稿方法【マネージド型とセルフ型の2つの買い方】

プライムビデオ広告の買い方は、マネージド型とセルフ型の2つです。
Amazon Adsの製品ページは、Amazon Adsエージェントの2つのパッケージで購入できると案内しています。マネージド型は問い合わせから、セルフ型は登録から始めます。
マネージド型:Amazon Adsのアカウントチームに相談して運用を任せる
マネージド型は、Amazon Adsのチームにキャンペーンの管理を任せる買い方です。
Amazon Adsの問い合わせ窓口から相談し、担当のアカウントチームと配信の計画を決めます。Amazon Adsのガイドは、出稿の経験が少ないうちはこちらを勧めています。ただし、最低支出額があります。金額は次の費用の章で説明します。
セルフ型:自社や代理店が設定する【固定CPM・目標は認知】
セルフ型は、自社か代理店がAmazon Adsの管理画面で配信を設定する買い方です。
Amazon Adsのガイドでは、Prime Videoの広告枠を選び、動画の配信を作ります。目標は認知に置き、見る数字には完全視聴率やリーチを選びます。単価は、表示1,000回あたりの固定の単価(固定CPM)を入れる形です。
自社で設定する人がいなければ、代理店に頼む形もあります。製品ページのよくある質問でも、代理店は購入できる相手に挙がっています。
2026年9月29日にAmazon Adsエージェントへの統合が発表された【既存の設定と価格体系は引き継がれる】
2026年9月29日、Amazon DSPのAmazon Adsエージェントへの統合が発表されました。
Amazon DSPは、Amazonの購買データを使って動画や画像の広告を配信する仕組みです。プライムビデオ広告も、この仕組みで買う広告です。Amazon DSPの製品ページは、既存のキャンペーンは中断なく配信され、設定や配信の履歴も引き継がれるとしています。価格の体系も変わりません。
※Amazon DSPの最低出稿額と始め方は、Amazon DSPとは?最低出稿額と費用の決め方、始め方と代理店の選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】で解説しています。
プライムビデオ広告の費用の決まり方【CPMと手数料・最低支出額・動画の制作費】

費用は、配信の費用と手数料、最低支出額、動画の制作費の3つで決まります。
Amazon Adsは、プライムビデオ広告の料金表を出していません。動画広告の料金は、形式や広告枠によって変わると案内しています。そのため、決まった金額より、費用がどう組み立てられるかを押さえておくほうが見積もりを比べやすくなります。
配信の費用は、表示1,000回あたりの単価(CPM)に手数料が加わる
配信の費用は、表示1,000回あたりの単価で決まります。この単価をCPMと呼びます。
クリックで払う検索広告と違い、表示されれば費用がかかります。固定CPMの単価は、需要と供給をもとに決まり、事前に交渉できます。
Amazon Adsの価格透明性ガイドによると、配信の費用には次のような手数料が加わります。
- 技術手数料:配信の仕組みを使う手数料。配信費の割合で決まり、設定のときに示される
- オーディエンス手数料:Amazonのデータで届ける相手を選ぶときの手数料
- マネージドサービスの手数料:マネージド型で運用を任せるときの手数料
見積もりを比べるときは、配信費と手数料が分けて書かれているかを確かめましょう。
マネージド型は、通常5万米ドルが最低支出額
Amazon Adsのチームが担当するマネージド型の動画広告は、通常5万米ドルが最低支出額です。
Amazon Adsのよくある質問が、動画広告などのマネージド型について案内している金額です。米ドルでの案内なので、円での額は為替で変わります。日本での条件は、相談のときにアカウントチームに確かめましょう。この額を足しても、広告費の比率が枠に収まるかを先に計算しておきましょう。
見落としやすいのは、仕様に合う横型の動画の制作費
配信の費用とは別に、動画を作る費用がかかります。
プライムビデオ広告の動画は、テレビの大きな画面でも粗く見えない画質が求められます。商品ページ用の動画をそのまま使えないことも多く、作り直しの費用を見込んでおく必要があります。どんな動画が要るかは、次の章で説明します。
プライムビデオ広告の動画の仕様と作り方【15秒・30秒・16:9・最小15Mbps】

動画は、15秒か30秒の、16:9の横型で用意しましょう。
画質の基準は、テレビで流すことを前提にしています。仕様を外れた動画は、流せないか、見栄えが落ちます。撮影や編集を頼む前に、次の仕様を制作会社に渡しましょう。
日本の尺は15秒と30秒。16:9・1920×1080以上・最小15Mbps
日本のプライムビデオ広告で使える長さは、15秒と30秒です。Amazon Adsの広告仕様では、ほかに次の基準があります。
- 画面の比率:16:9の横型
- 解像度:1920×1080以上
- 動画の画質(ビットレート):15Mbps以上(推奨は50Mbps)
- 音声:192kbps以上
- ファイルの大きさ:500MBまで
ビットレートは、1秒あたりの映像のデータ量で、大きいほど画質が上がります。プライムビデオの最低ラインは、同じ仕様表にあるほかの配信先より高く設定されています。
商品ページの縦動画は使い回せない。左右の黒い帯(ピラーボックス)も避ける
商品ページ用に作った縦動画は、そのままでは使えません。
私たちも、商品ページの縦動画を広告に回すときは横型に作り直します。ただし、縦動画の左右を色やロゴで埋める作り方は、プライムビデオ広告には向きません。仕様は、左右や上下に帯がある形式(ピラーボックス・レターボックス)を使わないよう強く勧めています。
横型の画面で撮り直すか、横型の画面いっぱいに組み直す前提で用意しましょう。
※動画を自社で作るか外注するかの判断は、Amazon動画制作とは?費用相場と自作・外注の選び方【2026年最新版・元Amazon出身者監修】で整理しています。
作り方の注意:「詳細はこちら」のようなクリックを促す絵は入れない
動画の中に、ボタンのような「詳細はこちら」の絵を入れないようにしましょう。
ふつうのプライムビデオ広告は、クリックできない環境で配信されます。押せそうな絵があると、視聴者を迷わせます。伝えたいことは、商品名やブランド名を覚えてもらう形にまとめましょう。あとで検索してもらうための広告だからです。
プライムビデオ広告の効果の測り方【完全視聴率・リーチと、売上はTACOSで見る】

効果は、認知の数字、見た人のその後の購入、売上全体の3つで確かめます。
クリックされない広告なので、広告経由の売上だけでは効果が見えません。順に見ていきます。
目標は認知。見る数字は完全視聴率(VCR)とリーチ
Amazon Adsのガイドは、目標を認知に置き、完全視聴率とリーチを見るよう勧めています。
完全視聴率(VCR)は、動画が最後まで再生された割合です。リーチは、広告が届いた人の数です。あわせて、最後まで見られた1回あたりの単価も見ておくと、ほかの施策と比べやすくなります。
見た人がその後Amazonで買ったかは、ブランドリフトとAMCで調べる
広告を見た人の、その後の変化を調べる手段もあります。
Amazon Adsのガイドが挙げる手段は、Amazonブランドリフトと、AMCです。ブランドリフトは、広告を見た人と見ていない人で、ブランドの認知や好意の差を調べます。AMC(Amazon Marketing Cloud)は、広告に触れた人のその後の購入を、個人を特定しない形で分析できる環境です。
※AMCで何が分かるかは、Amazon Marketing Cloud(AMC)とは?仕組みと活用法・導入判断を解説【2026年最新版・元Amazon出身者監修】で解説しています。
売上への効き方は、ACoSではなくTACOSで見る
売上への効き方は、アカウント全体の売上に対する広告費の比率(TACOS)で見ましょう。
ACoSは、広告経由の売上に対する広告費の比率です。クリックされない認知の広告は、広告経由の売上がほとんど付かないので、ACoSで見ると失敗に見えます。私たちは、広告費は必ずアカウント全体の売上で割って見ます。
配信の期間に、指名検索からの売上や全体の売上が伸び、TACOSが枠に収まっていれば効いていると判断できます。比べる相手は、配信前の同じ長さの期間にしましょう。
視聴者からはどう見える?広告フリー・子ども用プロフィール・ライブ配信

視聴者はプライムビデオ広告をスキップできません。ただし、広告フリーに登録した人と、子ども用プロフィールには出ません。
出稿する側から見ると、届く相手には最初から外れる人がいるということです。配信の計画を立てる前に、視聴者側の仕組みを押さえておきましょう。
広告フリーに登録した視聴者には届かない【月額の追加料金のオプション】
広告フリーは、月額の追加料金で広告を消せる、プライム会員向けのオプションです。
登録すると、アカウントにつながるすべてのプロフィールで、プライムの映画や番組の広告が出なくなります。広告フリーに入った人には、プライムビデオ広告は届きません。料金と申し込み方は、Prime Videoのアカウントの設定で確かめられます。
Amazonは、従来のテレビや他の動画配信より、広告の表示回数を有意に減らすことを目指すとしています。テレビCMのように何度も同じ人に流れる前提では、計画を立てないほうがよいでしょう。
広告が出る条件:子ども用プロフィールには出ない。スポーツなどのライブ配信には広告フリーでも出る
子ども用プロフィールで作品を見ている間は、広告は表示されません。
子ども向けの商品を出したい場合も、子ども自身ではなく、親のプロフィールに向けて計画しましょう。
一方、スポーツなどのライブ配信には、広告フリーに登録していても広告が表示されます。広告付きの無料の番組やライブのテレビ番組も同じです。ライブ配信への出稿の扱いは、マネージド型ならアカウントチームに確かめましょう。
Amazonプライムビデオ広告に関するよくある質問
- Amazonプライムビデオ広告は誰が出稿できますか?
利用資格のあるブランド、出品者、取引企業、代理店です。
Amazonで商品を出品しているかどうかは問われません。Amazonの外で売っているメーカーや、サービスの会社も出稿できます。
- プライムビデオ広告はいくらから出稿できますか?
マネージド型は、通常5万米ドルが最低支出額です。
Amazon Adsのよくある質問が案内している金額で、日本での条件はアカウントチームに確かめましょう。配信の費用は表示1,000回あたりの単価(CPM)に手数料が加わり、ほかに動画の制作費がかかります。
- 広告代理店に頼んで出稿できますか?
できます。代理店も、購入できる相手に挙がっています。
自社で設定する人がいなければ、代理店に頼む形があります。頼む前に、配信費と手数料が分けて示されるかを確かめましょう。
- プライムビデオ広告の長さは何秒ですか?
日本では15秒と30秒です。
動画は16:9の横型で、1920×1080以上、ビットレート15Mbps以上が求められます。
- 視聴者はプライムビデオ広告をスキップできますか?
スキップできません。
全画面で最後まで流れる形です。ただし、広告フリーに登録した人と、子ども用プロフィールには表示されません。
- Prime Videoに広告が入るようになったのはなぜですか?
コンテンツへの投資を続け、長く広げていくためと、Amazonは説明しています。
日本では2025年から、番組と映画に制限付きで広告が表示されています。広告を消したい視聴者には、月額の追加料金で入れる広告フリーがあります。
まとめ:プライムビデオ広告は、検索広告の取りこぼしをなくしてから、TACOSの枠で出す認知の広告
プライムビデオ広告は、まだ商品を探していない人に知ってもらう、スキップできない動画広告です。出す前に検索広告と商品ページを整え、最低支出額を足しても広告費の比率が枠に収まるかを計算しましょう。効果は、完全視聴率とリーチ、そしてTACOSで売上全体への効き方を見て判断しましょう。
LINKのEC支援サービスは、動画でも紹介しています。
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- 記事監修
- 公開日:2026年11月4日 / 最終更新日:2026年11月4日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- 本記事はAmazon Adsの公式情報、およびLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
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