Amazonビジネスレポートのカスタム分析とは?年末の切り替えへの備え方と指標134個を元Amazon出身者が解説。
「ビジネスレポートに『年末までに切り替えを』と出たけれど、何が変わるの……」
「指標が200以上と言われても、どれを見ればいいのか……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、Amazonビジネスレポートのカスタム分析を解説します。2026年9月時点で、ビジネスレポートの画面にカスタム分析への切り替えを促すお知らせが出ています。カスタム分析は、売上や在庫、検索、レビューの指標を1画面に組める分析画面です。Amazonは年末までの切り替えを案内していますが、提供終了日は発表されていません。本記事では、違いと準備、使い方、指標一覧、SP-APIで取れる範囲を整理し、年末までに何を移すかが決まる構成にしました。
この記事のまとめ
- カスタム分析は、売上やトラフィック、在庫、検索、レビューなどの指標を選んで1画面に組めるセラーセントラルの分析画面です。
- Amazonはビジネスレポートからの切り替えを「年末までに」と案内しています。提供終了日は未発表のため、見ている項目と過去データを先に整理しておくと安心です。
- 指標は多いので、売上をセッション(商品ページへの訪問数)、ユニットセッション率(購入率)、平均単価の3つに分けて選びます。
- 広告費と原価は入らないため、TACOS(全体売上に占める広告費の割合)や利益は、別の画面のデータと合わせて出します。
カスタム分析で売上は追えても、利益は原価と広告費を合わせないと見えません。監修の南雲には、利益が出ないEC事業者の共通点を扱った解説動画があります。
ここからは、カスタム分析とは何かから順に見ていきます。
Amazonビジネスレポートのカスタム分析とは?売上や在庫、検索などの指標を1画面にまとめる新しい分析画面
カスタム分析とは、売上や在庫、検索、レビューなどの指標を選び、1画面に並べて見られる分析画面です。
ビジネスレポートは、決まった表を開いて期間や商品で絞る画面でした。カスタム分析は、見たい指標を自分で選んで組み合わせます。Amazonは2024年9月に、事業のさまざまな領域の指標を1つにまとめるツールとして発表しています。
カスタム分析とビジネスレポートの違い。集計済みの表を見る画面から、指標を選んで組む画面へ
一番の違いは、画面の形をAmazonが決めるか、出品者が決めるかです。
ビジネスレポートでは、売上とトラフィックの表を期間やASIN(Amazonの商品ごとの識別番号)で絞って見ます。カスタム分析では、在庫や検索、返品の指標も同じ画面に並べられます。セラーセントラルのほかの分析画面と並べると、役割の違いは次のとおりです。
| 分析画面 | 主に見られるデータ | 画面の作り方 | 使える条件 |
|---|---|---|---|
| ビジネスレポート | 売上、注文、セッション、ユニットセッション率、カート獲得率 | 決まった表を期間とASINで絞る | セラーセントラルのレポート閲覧権限 |
| カスタム分析 | 売上とトラフィックに加え、在庫、検索、プロモーション、返品、レビュー、アカウント健全性 | 指標と切り口を選び、画面に並べて組む | セラーセントラルのレポート閲覧権限(一部の指標は条件で変わる可能性あり) |
| ブランド分析 | 検索用語の順位、検索クエリごとの成果 | 決まったレポートを開く | ブランド登録済みのブランド |
| 広告レポート | 広告費、広告経由の売上、ACOS(広告経由の売上に占める広告費の割合) | 広告コンソールでキャンペーン別に見る | 広告を出しているアカウント |
表のとおり、カスタム分析はビジネスレポートの範囲を広げた切り替え先です。検索の指標まで入るため、ブランド分析の一部と重なります。一方で、広告の数字は今も広告レポートでしか見られません。

図の左が今までの見方、右がこれからの見方です。社内の担当者に切り替えを説明するときの整理に使ってください。
カスタム分析で見られないデータ。広告費と原価は別の画面で確認する
カスタム分析だけでは、広告の費用対効果と利益は分かりません。
2026年9月に当社が確認した日本の画面では、広告費やACOSの指標はありませんでした。Amazonの2024年の発表では広告の成果も対象に挙げていたため、今後の追加はありえます。ただし現時点では、広告の数字は広告コンソールで見る前提で考えます。
原価を入力する場所もないため、原価を引いた利益も出ません。広告費と原価をどう補うかは、後半の注意点の章で手順を示します。
新しいカスタム分析で、何を見ればよいか決めかねていませんか。
LINK株式会社は、Amazonの数字の読み方から商品ページ改善、広告運用までを一貫して支援しています。
- 今の報告で見ている数字と、カスタム分析の指標の対応づけ
- 売上を3つの要素に分けたレポートの組み方
- 広告費と原価を合わせた利益の見方
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、ご状況に合わせた指標の選び方から一緒に整理します。
ビジネスレポートは2026年末までにカスタム分析へ切り替え。移行前に準備する3つのこと
Amazonは、ビジネスレポートの画面上で、年末までにカスタム分析へ切り替えるよう案内しています。
まずお知らせの中身を確認し、そのうえで切り替え前にやっておきたい準備を3つに分けて説明します。
セラーセントラルのお知らせは「年末までに切り替えましょう」。提供終了日は未発表で、おすすめは大型セール前の移行
2026年9月27日に当社が確認したビジネスレポートの画面には、次のお知らせが出ていました。

見出しは「カスタム分析で200以上の指標を開放」です。本文には、ビジネスレポートの機能に加えて多くの機能が使えること、そして「年末までに切り替えましょう」と書かれています。
ただし、ビジネスレポートの提供終了日は、2026年9月時点で公式に発表されていません。年末を過ぎると見られなくなるのかは、まだ分からない状態です。カスタム分析そのものは、Amazonが2024年9月に発表した出品者向けの分析ツールです。
移す時期は、ブラックフライデーなど年末の大型セールの前をおすすめします。セールの振り返りを新しい画面で行えるうえ、繁忙期に画面の操作で迷わずに済みます。
準備1 いま見ているビジネスレポートの項目を書き出し、カスタム分析の指標と対応させる
最初にやるのは、社内で実際に使っている数字の棚卸しです。
週次や月次の報告に載せている項目を、表計算ソフトに1行ずつ書き出します。売上、注文数、セッション、ユニットセッション率などです。次に、カスタム分析の指標一覧で同じ意味の指標を探し、隣の列に書きます。
名前が違う指標は、対応表に残しておくと引き継ぎで迷いません。見つからない項目があれば、その数字を別の画面から取る必要があると分かります。
準備2 前年比較に使う過去期間のCSVを手元に保存しておく
比較に使う過去のデータは、ビジネスレポートが見られるうちにCSVで保存しておきます。
ビジネスレポートの画面には「ダウンロード(.csv)」のボタンがあります。前年の同じ月や、前回参加した大型セールの期間は、来年の比較で必ず使います。日付別とASIN別の両方を落としておくと安心です。
保存しておけば、新しい画面で集計の仕方が変わっても、元の数字と照らし合わせられます。
準備3 同じ期間の売上とセッションを新旧の画面で並べ、数字の差を確認する
切り替えたあとに数字がずれて慌てないよう、先に新旧を並べて確かめます。
同じ期間と同じASINで、売上、注文数、セッションを両方の画面から出します。直近の数日は外してください。ビジネスレポートにも「データはまだ完全に使用できない場合があります」と出ます。直近の数字は確定前のことがあるためです。
差が出たら、親ASINと子ASINのどちらで集計しているかを先に確認します。原因が分かれば、社内報告に注記を1行添えるだけで済みます。
年末の切り替えで、社内のレポートが止まらないか心配ではありませんか。
LINK株式会社は、数字の共有だけで終わらせず、翌月の打ち手までをセットで考えています。
- 今のレポートで見ている項目の棚卸し
- カスタム分析で同じ数字を出す方法の確認
- 新旧の画面で数字がずれたときの原因の切り分け
売上向上実績100社以上、1年以上継続率90%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、切り替えの進め方から一緒に整理します。
カスタム分析の使い方。開き方からテンプレート選び、指標の追加までの3つの手順
カスタム分析は、開く、テンプレートを選ぶ、指標を足すの3つの手順で使い始められます。
最初から白紙で組むより、テンプレートを土台に足し引きするほうが早く形になります。
手順1 セラーセントラルの「レポート」からカスタム分析を開く
一番確実なのは、ビジネスレポートのお知らせから開く方法です。
セラーセントラル上部のメニューで「レポート」から「ビジネスレポート」を開きます。画面上部のお知らせにある「新機能を見る」を押すと、カスタム分析に移れます。「レポート」のメニューから直接開ける場合もあります。
メニューの名前や位置は変わることがあります。見つからないときは、セラーセントラル上部の検索窓で「カスタム分析」と入れてください。
手順2 目的に近いテンプレートを選んで土台にする
カスタム分析には、目的別のテンプレートが用意されています。
たとえば、プライムデーの振り返りや、売上と価格の推移を見るものです。まずは売上とトラフィックを並べたものに近いテンプレートを開きます。今のビジネスレポートと同じ数字が出るかを確かめてから、指標を足していくと安全です。用意されるテンプレートは、時期やアカウントで変わる可能性があります。
手順3 「指標を追加または変更する」でディメンションと指標を選ぶ
レポートの中身は、「指標を追加または変更する」から開く一覧で選びます。
一覧には、ディメンションと指標の2種類があります。ディメンションは集計の切り口で、ASINごと、日ごと、検索クエリごとなどです。指標は数字そのもので、売上やセッションなどです。
先に「何ごとに見たいか」を決めてディメンションを選び、次に見たい数字を指標から選びます。この順で選ぶと、表やグラフの形が崩れにくくなります。
カスタム分析の指標一覧。ディメンション23個と指標134個をカテゴリ別に整理
2026年9月に当社が確認した日本の画面では、ディメンションが23個、指標が134個ありました。
お知らせの「200以上」とは数が合いません。Amazonは内訳を公表しておらず、アカウントの条件や今後の追加で変わる可能性があります。自社の画面の一覧でも確かめてください。ここでは、確認できた項目を分類して紹介します。
ディメンション(集計の切り口)の一覧。ASINや日付、検索クエリ、プロモーションで分けられる
ディメンションは、次の6つの分類に分けると把握しやすくなります。
| 分類 | ディメンション(画面の表示名) | 使う場面 |
|---|---|---|
| 商品 | ASIN、親ASIN、SKU、ブランド名、商品グループ | 商品やブランドごとの売上を比べる |
| 日付 | Record Day、Record Month | 日ごと、月ごとの推移を見る |
| 検索 | 検索クエリ | どの検索語から売れているかを見る |
| プロモーション | ID、タイプ、タイトル、開始時間、終了時間、承認ステータス、ASINステータス、価格 | セールやクーポンごとの成果を比べる |
| 価格、配送、返品 | 元の価格、配送経路、出品者出荷の返品エラー、出品者出荷の返品リーズンコード | 値引きの前後や配送方法、自社出荷の返品理由で比べる |
| レビュー | カスタマーレビュー数、全体的な星の数、未加工の星の数 | レビューの状態と売上を並べる |
SKUは出品者が商品に付ける管理番号です。商品の切り口で迷ったら、評価の単位は親ASIN、原因探しは子のASINと分けて考えます。公開されているロジックではありません。ただ支援現場での実感として、検索順位は親ASIN単位の販売個数で評価されている印象があります。
たとえば3色の商品が各100個ずつ売れた場合、親ASINで見れば300個です。全体の勢いは親ASINで、どの色が落ちたかは子のASINで見ると整理がつきます。
指標のカテゴリ一覧。売上とトラフィックから返品、アカウント健全性まで
指標は、画面上でカテゴリごとにまとまっています。主なカテゴリと中身は次のとおりです。
| カテゴリ(画面の分類をまとめたもの) | 主な中身 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 売上(B2Bを含む) | 売上金額、注文や販売個数の数 | 全体の成果を見る |
| トラフィック | セッション、ページビュー、購入率、カート獲得率 | 集客と購入のどちらが弱いかを見る |
| 検索クエリと検索ファネル | 検索での表示から購入までの各段階の数 | 検索のどの段階で落ちているかを見る |
| プロモーションと価格設定 | プロモーションごとの成果、価格 | セールやクーポン、値付けを振り返る |
| 在庫と返品 | 商品の在庫状況、返品や返金の数、出品者出荷の返品、Claims | 欠品や返品の多い商品を見つける |
| アカウント健全性と評価 | アカウント健全性の指標、Seller Feedback、購入者からの評価 | 出品の停止につながる兆しを見る |
カート獲得率は、商品ページで自社の出品が「カートに入れる」ボタンを取れている割合です。表の中身は代表例で、カテゴリの名前や件数はアカウントや時期で変わることがあります。
指標が多すぎるときの絞り方。売上を3つの要素に分けて選ぶ
指標は、売上を分解した3つの要素にぶら下げて選びます。
売上は「セッション×ユニットセッション率×平均単価」に分けられます。私たちが支援先で数字を見るときも、まずこの3つのどこに課題があるかを切り分けます。施策から考えると、課題と合わない打ち手に時間を使いがちです。
セッションの下には検索クエリや検索ファネル、在庫状況をつなげます。ユニットセッション率の下にはレビューやカート獲得率、平均単価の下には価格やプロモーションです。こう並べると、134個の指標も見る順番が決まります。
※セッションやユニットセッション率の意味から確認したい方はAmazonビジネスレポートの見方|項目の意味と、売上が落ちた原因をASIN別に特定する手順もどうぞ。
指標が多すぎて、レポートの形が決まらないままになっていませんか。
LINK株式会社は、見る数字を増やすより、動かす数字を絞ることを大切にしています。
- 売上を3つの要素に分けた指標の選び方
- 親ASINと子ASINの使い分け
- 自社で見られる指標の範囲と、足りない数字の補い方
売上向上実績100社以上、売上平均上昇率420%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、ご状況に合わせて見る指標を絞るところから一緒に整理します。
カスタム分析のレポートの組み方。目的別に使える3つのレポート例
カスタム分析は、1つの万能な画面より、目的ごとに小さなレポートを分けて組むほうが使いやすくなります。
ここでは、毎週の定点観測、セール後の振り返り、毎月の商品ページの課題探しの3つを例に組み方を示します。

図の3つは、見る頻度と目的が違います。1つの画面に詰め込まず、分けて保存しておくと毎回の確認が短く済みます。
週次の定点観測レポート。売上をセッション、ユニットセッション率、平均単価に分けて並べる
毎週見るレポートは、売上と3つの要素、そして在庫を並べるだけで十分です。
ディメンションは日付と親ASINにします。指標は売上、セッション、ユニットセッション率、平均単価の4つです。平均単価が指標に見当たらなければ、売上を販売個数で割って出します。
売上が動いたら、3つのどれが動いたかで打ち手を変えます。セッション由来なら集客の施策を続け、ユニットセッション率由来なら商品ページの変更の効果を確かめます。単月の上下より、以前は例外だった水準が普通になったかで成長を見ると、社内報告もぶれません。
同じレポートに在庫の状況も置いてください。在庫切れは、直近の販売個数が止まる損失と、在庫切れそのものの不利の二重の打撃になります。FBAには、直近の販売ペースでおおむね2ヶ月分程度を置き、残り1ヶ月分程度で追加納品するのが一つの目安です。成長期は過去の平均より早く売れるため、週次で向こう1ヶ月の見込みを更新します。
メイン画像などを変えた効果は、1週間ほどあれば判断できます。セールの期間とその前後は比較から外してください。季節商材は、気温や日照など数字の外の要因もメモしておくと、翌月の打ち手につなげやすくなります。
セールとクーポンの効果を振り返るレポート。前回のセールと比較し、期間後の水準も見る
セールは、期間中の売上だけで評価しないことが大切です。
ディメンションにプロモーションのIDやタイプ、開始と終了の時間を入れ、プロモーションの指標と売上を並べます。私たちは、期間中の売上、期間後の検索順位、期間後の自然な売上の水準の3つで見ています。セールで売れた勢いが順位を押し上げ、その後の売上を底上げすることに価値があるからです。
比べる相手は、前回参加した同じ種類のセールです。通常の期間と比べると必ず良く見えてしまい、評価になりません。大型セールは事前に売上の見込みを作っておき、実績と並べます。
リピートされやすい商品なら、初回だけ価格を下げて定期おトク便に誘導する定期クーポンもよく使います。成果はプロモーションごとに分けて見ると、次に使うクーポンの型が決めやすくなります。
※クーポンの費用や発行の条件から確認したい方はAmazonクーポンの発行手順|手数料150円+1.5%の費用・条件と利益を削らない使い方もどうぞ。
商品ページの課題を探すレポート。検索クエリとレビュー、返品を並べる
月に一度は、検索とレビュー、返品を同じ画面に並べて、商品ページの弱いところを探します。
検索クエリの指標で、表示は多いのにクリックや購入が少ない語を探します。「この割合を下回ったら直す」という固定の基準は、私たちも持っていません。まず手を付けることが多いのはメイン画像です。メイン画像はクリック率と購入率の両方に効き、サブ画像が効くのは購入率だけだからです。
検索語は、商品単位ではなく「どんなニーズの語か」でまとめて月次で追います。季節で伸びる語が入れ替わるため、伸びている語へ広告を付け替える判断に使えます。商品名に入れる語を選ぶときは、ブランド分析の上位の検索用語を合わせて見ます。
レビューは、件数と星の平均を売上の横に置きます。星の表示は0.5刻みで、平均3.7〜4.2は星4、4.3〜4.7は星4.5と表示されます。支援現場での実感として、星4から星4.5に変わると購入率がおおむね1.2倍程度になる傾向があります。件数は、まず10件を超えることが大きな節目です。
なお、特典や割引と引き換えにレビューを依頼するのはAmazonの規約違反です。返品は理由のコードを見ると、商品ページの説明で防げる返品かどうかの手がかりになります。
※検索用語の順位の読み方から確認したい方はAmazonブランド分析とは?6レポートの読み方と使える権限の条件もどうぞ。
レポートは作ったものの、次の打ち手につながっていませんか。
LINK株式会社は、数字を見るところから、商品ページや広告の改善までを同じチームで進めます。
- 週次、セール後、月次のレポートの設計
- セールを前回のセールと比べる振り返り
- 検索とレビューから見つけた課題の優先順位づけ
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、今のレポートから次に動かす数字を一緒に整理します。
カスタム分析の注意点。広告費や原価を見るときの補い方と数字の確かめ方
カスタム分析は売上側の画面なので、広告費と原価は外から補う必要があります。
ここでは、広告費、原価、そして良すぎる数字の3つについて、補い方と確かめ方を順に説明します。
広告の成果は入らないため、TACOSを広告レポートの広告費と突き合わせて出す手順
広告費は、全体の売上に対する割合であるTACOSで見ます。
ACOSは広告経由の売上だけで割るため、広告を削りすぎる判断につながりがちです。たとえば全体売上100万円のうち広告経由が40万円、広告費が20万円とします。ACOSは50%ですが、TACOSは20%で、全体で見れば利益が残る水準です。
出し方は3段です。カスタム分析で月別の全体売上を出し、広告コンソールで同じ期間の広告費を出します。広告費を全体売上で割り、100を掛けるとTACOS(%)です。
目標20%に対して22%なら、少しずつ広告を緩めます。10%なら売り残している可能性があるので踏み込みます。急に変えず、1〜2ヶ月かけて調整するのが基本です。目標を超えた月は、翌月の着地目標を決め、まず主力キーワードのクリック単価から下げます。
原価を引いた利益は出ないため、自社の原価表と合わせて利益を管理する方法
利益は「売上−原価−販管費」で、カスタム分析が出せるのは最初の売上までです。
SKUごとの原価表を自社で持ち、カスタム分析の販売個数と掛け合わせます。販売手数料やFBAの手数料は、セラーセントラルの支払いのレポートから取ります。売上が伸びていても、原価や手数料、広告費を引くと赤字、という商品はここで見つかります。
広告費の割合は、事業の段階で目安が変わります。立ち上げ期は、全体売上に対しておおむね20%程度まで踏むこともあります。利益を残す段階では10%前後を一つの目安にします。原価率や商材によって上下するため、自社の原価から逆算して決めてください。
良すぎる数字は別の画面や実際の検索でチェックする
急に良くなった数字ほど、報告の前に確かめます。
直近の日付は確定前の場合があり、後から数字が変わることがあります。検索の指標が急に伸びたときは、シークレットモードで実際に検索し、表示を目で確かめます。私たちも順位の計測ツールで、取得のタイミングや広告枠の混入による誤表示を見てきました。
誤った好数値を報告すると、後の訂正で信頼を損ねます。新しい画面に切り替えたばかりの時期は、とくに旧画面のCSVとも照らし合わせてください。
売上は伸びているのに、利益が残っているか分からないままではありませんか。
LINK株式会社は、広告アカウントの中だけで完結しない、利益から逆算した運用を支援しています。
- 全体売上と広告費を突き合わせたTACOSの算出
- 原価と手数料を合わせた商品ごとの利益の見方
- 事業の段階に合わせた広告費の割合の決め方
売上向上実績100社以上、1年以上継続率90%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、利益の出し方と広告費の上限の考え方から一緒に整理します。
カスタム分析のデータを自動で取得する方法。SP-APIで取れる指標と取れない指標
カスタム分析専用のAPIは、2026年9月時点で確認できる範囲では公開されていません。
ただし、多くの指標はSP-API(Amazonが出品者向けに公開しているAPI)で分野ごとに取得できます。当社では2026年9月に、実際のアカウントで分野ごとの取得を1つずつ確かめました。自社の集計表やツールに自動で取り込みたい方は、次の結果を目安にしてください。
SP-APIで取れる指標。売上とトラフィック、アカウント健全性、プロモーション、返品
売上とトラフィックの中心となる数字は、SP-APIで日別やASIN別に取得できます。
| 分野 | SP-APIの取得先 | 当社の確認結果 |
|---|---|---|
| 売上とトラフィック | Data Kiosk(売上とトラフィックのデータ) | 売上、注文、セッション、カート獲得率などを日別、親子ASIN別、SKU別に取得できた |
| 手数料と広告費 | Data Kiosk(収支のデータ) | 販売手数料、FBAの手数料、スポンサープロダクト広告費をASINと日別に取得できた |
| アカウント健全性 | 出品者のパフォーマンスのレポート | 注文不良率、出荷遅延、キャンセルなどを取得できた |
| プロモーション | プロモーション成果のレポート | プロモーション別、対象ASIN別の成果を取得できた |
| 返品 | FBAの返品のレポート、出品者出荷の返品のレポート | FBAは返品日、数量、理由を取得できた。出品者出荷は項目のみ確認 |
| 検索クエリと検索ファネル、在庫 | ブランド分析のレポート、FBAの在庫のAPI | 項目を確認(実データは未確認)。検索系はブランド登録が必要 |
Data Kioskは、SP-APIで分析用のデータをまとめて取り出す仕組みです。詳しい仕様はAmazonの開発者向けドキュメント(Data Kiosk API)で確認できます。
注目したいのは、収支のデータに広告費が入っている点です。カスタム分析の画面では見られない広告費も、APIなら売上と同じ日付とASINでそろえられます。TACOSを商品ごとに毎日出したい場合は、APIのほうが向いています。
SP-APIで取れない、または代用が必要な指標。レビュー件数と星の平均、原価込みの利益
一方で、画面では見られるのにAPIでは取れない数字もあります。
レビューの件数と星の平均は、当社が確認したAPIには項目がありませんでした。レビューのAPIは、よく言及される話題やその推移は返しますが、総数や平均は返しません。これらはカスタム分析の画面で見るのが確実です。
原価を引いた利益も、そのままでは出ません。収支のデータの原価は、出品者が原価を登録した場合にだけ入ります。登録がなければ、自社の原価表と組み合わせます。
価格の数値は出品の情報を返す別のAPIで、元の価格は商品情報の定価で代用できます。自動化するなら、取れない数字だけを画面や自社データで補う設計にすると、手作業を最小限にできます。
Amazonビジネスレポートのカスタム分析でよくある質問
- カスタム分析は無料で使えますか?
2026年9月に当社が確認した時点では、追加の申し込みなしで開けました。セラーセントラルのビジネスレポートの画面から、そのまま移れます。
提供の条件は変わる可能性があります。使う前に、自社のセラーセントラルの画面で案内を確認してください。
- ビジネスレポートは年末で使えなくなりますか?
2026年9月時点で、ビジネスレポートの提供終了日は発表されていません。画面のお知らせは「年末までに切り替えましょう」という案内です。
見られなくなる時期は分からないため、比較に使う過去期間のCSVを早めに保存しておくと安心です。
- カスタム分析はどこから開きますか?
「レポート」から「ビジネスレポート」を開き、上部のお知らせの「新機能を見る」から開けます。「レポート」のメニューから直接開ける場合もあります。
メニューの名前や位置は変わることがあります。見つからないときは、セラーセントラル上部の検索窓で「カスタム分析」と入れてください。
- お知らせの「200以上」と、画面の指標の数が違うのはなぜですか?
指標の内訳は公表されておらず、差の理由は分かっていません。当社が2026年9月に確認した画面では、ディメンション23個と指標134個でした。
アカウントの条件や今後の追加で、表示される数が変わる可能性があります。自社の画面の一覧で確認してください。
- カスタム分析で広告費やACOSは見られますか?
当社が2026年9月に確認した日本の画面では、広告費やACOSの指標はありませんでした。広告の数字は広告コンソールで確認します。
Amazonの2024年の発表では広告の成果も対象に挙げていたため、今後追加される可能性はあります。それまでは、全体売上と広告費を突き合わせてTACOSを出してください。
- 作ったレポートをCSVでダウンロードできますか?
カスタム分析の出力の仕様は、公式のヘルプで確認できていません。自社の画面で、書き出しのボタンがあるかを確かめてください。
ビジネスレポートには「ダウンロード(.csv)」のボタンがあります。切り替えの前に、必要な期間を保存しておくのが確実です。
- 検索クエリの指標が表示されないのはなぜですか?
カスタム分析での表示の条件は公表されていません。ブランド分析の検索クエリのレポートは、ブランド登録が前提です。
カスタム分析でも同じ条件の可能性があります。表示されない場合は、ブランド登録の状況とアカウントの権限を確認してください。
- カスタム分析のデータをAPIで取得できますか?
カスタム分析専用のAPIは、確認できる範囲では公開されていません。ただし売上とトラフィックなど多くの指標は、SP-APIで分野ごとに取得できます。
当社の確認では、レビューの件数と星の平均、原価を引いた利益はAPIで取れませんでした。これらは画面や自社データで補います。
まとめ:カスタム分析は年末までに移し、売上を3つの要素に分けて組む
カスタム分析は、ビジネスレポートの範囲を広げ、在庫や検索、レビューまで1画面に組める分析画面です。Amazonは年末までの切り替えを案内していますが、提供終了日は発表されていません。
まずは今週、報告で使っている項目を書き出し、比較に使う過去期間のCSVを保存してください。次に、テンプレートを土台に、売上をセッション、ユニットセッション率、平均単価に分けた週次のレポートを組みます。広告費と原価は入らないため、TACOSと利益は別のデータと合わせて出します。
カスタム分析への切り替えを、見る数字を見直す機会にしませんか。
LINK株式会社は、元Amazon出身の代表のもと、分析から商品ページ、広告、在庫までを横断して支援しています。
- カスタム分析への切り替えと、社内レポートの作り直し
- 売上を3つの要素に分けた週次の定点観測
- TACOSと利益から逆算した広告費の設計
売上向上実績100社以上、売上平均上昇率420%以上、1年以上継続率90%以上です(※お客様実績に基づく参考値)。無料相談にて、ご状況に合わせた数字の見方から一緒に整理します。
- 参照した一次情報・公式情報
- Amazon「Amazon unveils powerful customer analytics tools to unlock seller growth」(2024年9月19日)
- Amazon Selling Partner API ドキュメント「Data Kiosk API」
- Amazonセラーセントラル「ビジネスレポート」画面のお知らせ(2026年9月27日に当社確認)
- 記事監修
- 公開日:2026年9月29日 / 最終更新日:2026年9月29日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- 本記事はAmazon公式情報・Amazonセラーセントラルの画面、およびLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
▶ Amazonビジネスレポートの見方|項目の意味と、売上が落ちた原因をASIN別に特定する手順【2026年最新版・元Amazon出身者監修】
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