FBAマルチチャネルサービスの料金の決まり方と在庫切れを防ぐ運用、始め方5ステップを元Amazon出身者が解説。
「楽天と自社ECの出荷が回らない。FBAの在庫でまとめて出せないか……」
「料金表を見ても、自社だと高いのか安いのか分からない……」
元Amazon JapanでEC支援に携わってきた私、南雲が、FBAマルチチャネルサービスの料金と使い方を解説します。楽天市場や自社ECの出荷をAmazonの倉庫からまとめて出せれば、社内の出荷の手はかなり空くはずです。ただし在庫はAmazonの販売分と共有するため、使い方を誤るとAmazonで在庫切れを起こします。本記事は、料金の決まり方と自社出荷との比べ方、在庫を切らさない運用ルールまで整理した導入ガイドです。読み終えるころには、自社で使うべきかどうかと、使う場合の始め方が決まっているはずです。
この記事のまとめ
- FBAマルチチャネルサービス(MCF)は、Amazon以外で売れた注文をFBA倉庫から出荷するサービスです。FBAは、Amazonが商品の保管から出荷までを代行する仕組みです。
- 料金は配送オプション(通常配送・お急ぎ便・お届け日時指定便)とサイズ、点数で決まります。自社出荷の1件あたりコストと比べて判断しましょう。
- 在庫はAmazonの販売分と共有します。他チャネルの注文でAmazonが在庫切れを起こさないよう、見込みをチャネル別に分けて補充しましょう。
- 始める前に、出店先モールの規約と、問い合わせ・返品の窓口を決めておきましょう。
Amazon SEOで避けたい行為を解説した動画も、LINK株式会社で公開しています。あわせて参考にしてください。
FBAマルチチャネルサービス(MCF)とは?通常のFBAとの違いと使える販売チャネル

FBAマルチチャネルサービス(MCF)は、Amazon以外で売れた注文をFBA倉庫から出荷するサービスです。
対象は、楽天市場やYahoo!ショッピング、自社ECなどで入った注文です。MCFはマルチチャネルフルフィルメント(Multi-Channel Fulfillment)の略です。公式ページでも「マルチチャネルサービス」と「MCF」の両方が使われています。利用できるのは、FBAでAmazonに出品している商品だけです(出典:Amazon公式)。
以下、出荷の仕組み、通常のFBAとの違い、使える販売チャネルと連携の方法の順に整理します。
Amazon以外の注文をFBA倉庫から出荷する仕組みと、Amazonと共有する在庫
注文の流れは、他チャネルでの注文、出荷の依頼、FBA倉庫からの配送の3段階です。
楽天市場や自社ECで注文が入ったら、出品者がAmazonに出荷を依頼します。依頼はセラーセントラル(Amazonの出品者用の管理画面)などから出します。依頼を受けたFBA倉庫が商品を取り出して梱包し、購入者へ届けます。
ここで押さえたいのは、出荷に使う在庫が、Amazonで売っている在庫と同じという点です(Amazon公式のFAQより)。MCF専用の在庫を別に預ける仕組みではありません。
他チャネルで売れるほど、Amazonで売れる在庫は減っていきます。この点が、後半で扱う在庫切れ対策の前提になります。
通常のFBAや自社出荷との違い【料金・梱包・配送・問い合わせ窓口の4点】
違いは、料金・梱包・配送・問い合わせ窓口の4点で整理できます。
比べる相手は、通常のFBAのほか、自社で出荷する場合と発送代行です。発送代行は、物流会社に保管と出荷を任せる形を指します。
| 出荷の方法 | 料金のかかり方 | 梱包 | 配送の選択肢 | 購入者の問い合わせ・返品の窓口 |
|---|---|---|---|---|
| 通常のFBA(Amazonでの注文) | FBA配送代行手数料+在庫保管手数料 | Amazonが梱包 | Amazonの配送 | Amazonが対応 |
| FBAマルチチャネルサービス(Amazon以外の注文) | MCFの配送代行手数料(商品1点ごと)+在庫保管手数料 | Amazonが梱包(ロゴなしの無地ダンボール) | 通常配送・お急ぎ便・お届け日時指定便 | 商品を販売した自社ショップ |
| 自社出荷 | 人件費、資材費、送料、保管スペース | 自社で自由に決められる | 契約する配送会社による | 自社 |
| 発送代行(物流代行) | 契約内容による(保管料、作業料、送料など) | 契約内容による | 契約する配送会社による | 契約内容による |
表のとおり、FBAとMCFは倉庫と在庫が同じで、違うのは注文の入口です。そのためMCFには専用の料金体系があり、問い合わせの窓口は販売したショップ側に残ります。自社出荷は梱包の自由度が高い一方、人件費や資材費が見えにくくなります。
梱包の書き方は、Amazonの公式ページどうしで食い違っています。ヘルプの比較表は「すべて無地ダンボール(ロゴなし)」です。一方、MCFの紹介ページは「無地対応の倉庫を拡大している」という書き方です。ブランドの印象に関わるため、テスト出荷で実物の箱を確かめましょう。
楽天市場・Yahoo!ショッピング・自社ECで使うときの連携方法3つ

出荷依頼の出し方は、手動・受注管理システム・APIの3つです。どれを選ぶかは、他チャネルの注文件数と社内のシステム体制で決まります。
- セラーセントラルで手動依頼:注文ごとに管理画面から依頼する。ファイルでまとめて送る方法もある。件数が少ないうちや、テスト出荷に向く
- 受注管理システムやアプリとの連携:複数モールの注文をまとめて取り込み、MCFへ出荷依頼を送る。Shopify向けにはAmazonのMCFアプリがある。他のシステムの対応と費用は、各社の公式情報で確認する
- APIで自社システムと連携:API(システム同士をつなぐ仕組み)で、自社ECや基幹システムから直接依頼する。FBA倉庫の在庫をAmazon以外のECサイトにつなげられると、Amazon公式ページでも案内されている
手動は始めやすい反面、注文が増えると入力の手間とミスが増えます。件数が伸びる見込みなら、最初から自動化を前提に選ぶほうが手戻りは少なくなります。選び方は、始め方の章のステップ3で扱います。
FBAマルチチャネルサービスの料金は?配送代行手数料の決まり方と自社出荷とのコスト比較

MCFの料金は、出荷のたびにかかる配送代行手数料が中心です。ここでは金額の決まり方を押さえたうえで、自社出荷と同じ物差しで比べる手順を示します。
配送代行手数料の仕組み【配送オプション×サイズ×点数で決まる】
Amazonの公式ページでは、料金は商品1点ずつ、ピッキングと梱包、配送に対して発生すると案内されています。この料金体系は、Amazon以外の販売経路で注文された国内向けの配送に適用されます。金額を左右するのは、次の3つの要素です。
| FBAマルチチャネルサービスの手数料を左右する要素 | 金額の変わり方 | 自社で確かめること |
|---|---|---|
| 配送オプション | 通常配送・お急ぎ便・お届け日時指定便のどれを使うかで変わる | 他チャネルで提供したい配送の速さ |
| 商品のサイズ区分 | 寸法と重量で決まる区分ごとに単価が変わる | 主力商品がどの区分に入るか |
| 1回の出荷依頼に含まれる点数 | 商品1点ごとに発生し、2点以上なら1点あたりの単価が下がる | まとめ買いの多さ |
具体的な金額は、セラーセントラル ヘルプ「マルチチャネルサービス注文のFBA手数料」に載っています。ログインしなくても読めます。料金表を見るときは、次の3点に注意しましょう。
- 2026年9月29日から新しい料金に改定された:改定後の表で確かめる
- 遠隔地の追加料金:北海道・九州・沖縄・離島への配送は、注文1件あたり40円が加わる
- 販売手数料はかからない:ただし出品プランの費用は別で、大口出品は月額4,900円(税抜)
確認するときは、通常のFBA配送代行手数料と並べて見るのがおすすめです。同じ商品でも、Amazonでの注文とMCFの注文では適用される料金表が違います。差を把握しておくと、他チャネルの販売価格や送料設定を見直す材料になります。
※通常のFBA料金の出し方はFBA料金シミュレーターの使い方|入力のコツと、純利益に広告費・人件費を足して判断する手順で解説しています。
大口出品の新規出品者には、MCFで出荷する最初の100点のFBA手数料が20%割引になる特典もあります。対象は、2026年9月29日〜2027年9月28日に日本で販売する新規の大口出品者です。
※特典はAmazon新規出品者向け特典はいくら?最大787.5万円の手数料割引と、期限を逃さない最初の6ヶ月の進め方で解説しています。
自社出荷と比べる手順【1件あたりの総コストを自社の数字で出す】

MCFが高いか安いかは、自社出荷の1件あたりコストと並べて初めて判断できます。自社出荷の費用は、送料以外の部分が見えにくいからです。比べる手順は次の5つです。
- 1件の出荷にかかる作業時間を測る(ピッキング、梱包、伝票の発行まで)
- 自社スタッフの時給を出す(社会保険料を含む月の人件費÷月の労働時間)
- 担当者が複数のモールを兼務しているなら、人件費をチャネルごとに按分する
- 資材費、送料、保管スペースの費用を足す
- 1件あたりに割り、MCFの配送代行手数料と在庫保管手数料の合計と比べる
手順2と3の人件費は、特に見落とされやすい費用です。EC担当者の人件費は売上との結びつきが見えづらく、管理から漏れがちです。
按分した結果は、次のどちらかに分かれることが多くなります。
- 自社出荷が想定より高くつく:人件費を含めると、1件あたりのコストがMCFを上回る
- 自社出荷のほうが安い:件数が少なく、他の業務の合間で出荷が済んでいる
結果は商品と体制で変わるため、「月◯件ならMCF」という一律の基準は置かず、自社の数字で判断しましょう。
出た数字は、1個あたりの原価に積み直しましょう。利益が残らない事業者に共通する点の一つは原価の高さで、物流費もその一部です。LINKでも、深く関わっている案件では大手物流会社を紹介し、物流費を見直した例があります(通常の運用支援の範囲外)。物流費は動かせない費用ではありません。
配送料以外にかかる費用【在庫保管手数料・連携ツールの利用料・返品時の費用】
MCFの総コストは、配送代行手数料だけでは決まりません。次の3つを足して見積もりましょう。
- 在庫保管手数料:MCFで出す在庫もFBA倉庫に置くため、通常のFBAと同じく保管手数料がかかる
- 連携ツールの利用料:受注管理システムを使う場合は、その月額や従量の費用がかかる
- 返品時の費用と手間:返送先を自社にするかAmazonの倉庫にするかで、かかる送料や作業が変わる
これらは、他チャネルの利益計算にも同じ位置で積みましょう。Amazonの利益を出すときは、上代から原価・販売手数料・FBA配送料を引き、残りから広告費の枠を逆算します。楽天市場や自社ECで売る商品も同じ形にし、配送料の位置にMCFの手数料と保管料を入れてください。
商品を出す前の判断でも、考え方は変わりません。支援現場では新商品の参入を検討するとき、送料や在庫保管費用まで積んで利益率が立つかを確かめてから判断しています。
※Amazonの手数料の内訳から確認したい方はAmazonの手数料はいくら?カテゴリー別の料率一覧と計算方法もどうぞ。
他チャネルの利益、配送料まで積んで見えていますか。
チャネルが増えるほど、1商品あたりの利益は見えにくくなります。LINK株式会社は、Amazonを中心に次の3つを横断して確認します。
- チャネル別の販売見込みと在庫計画
- 商品ページと広告の改善
- 原価・手数料・配送料を含めた利益構造
無料相談にて、MCFの費用を含めたチャネル別の利益の見方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
FBAマルチチャネルサービスのメリット・デメリット【導入前に知っておく5つの注意】

料金の見方を押さえたところで、メリットとデメリットを整理します。
メリットは出荷作業・在庫の置き場所・配送スピードの3つ
メリットは、出荷の手間と在庫の置き場所、配送の速さの3点に集約されます。
- 出荷作業を外に出せる:他チャネルのピッキングや梱包をAmazonに任せ、社内の手を注文の確認と販売の仕事に回せる
- 在庫をFBAに集約できる:チャネルごとに在庫を分けて置かずに済み、自社の保管スペースを小さくできる
- 配送の選択肢を増やせる:他チャネルでも、お急ぎ便やお届け日時指定便を提供できる
3つとも、他チャネルの出荷が社内の負担になっている事業者ほど効果が大きくなります。自社出荷がまだ無理なく回っているなら、メリットは小さく感じるはずです。次のデメリットと並べて判断してください。
デメリットは配送料・在庫共有・梱包・在庫上限・問い合わせ窓口の5つ
デメリットは5つあり、どれも対処の方法があります。対処を詳しく扱う章もあわせて示します。
| デメリット | 起きること | 対処の方向 | 詳しく扱う章 |
|---|---|---|---|
| ①配送代行手数料が1件ごとにかかる | 出荷が増えるほど費用も増える | 自社出荷の1件あたりコストと比べる | 料金の章 |
| ②在庫をAmazonの販売分と共有する | 他チャネルの注文でAmazonが在庫切れを起こしうる | チャネル別に見込みを分けて補充する | 在庫切れを防ぐ章 |
| ③梱包を自由に決められない | 同梱チラシやギフト包装など独自の対応がしにくい | 独自梱包が売りなら自社出荷を残す | 向き不向きの章 |
| ④FBAの在庫上限の枠を他チャネル分も使う | Amazon用に置ける数が実質的に減る | 他チャネル分を含めて在庫枠を見る | 在庫切れを防ぐ章 |
| ⑤問い合わせと返品の窓口が自社に残る | 配送状況の確認や返品の受付を自社で行う | 窓口と返送先を先に決める | 始め方の章 |
5つのうち、Amazonの売上に直接響くのは②と④です。どちらも在庫の話なので、在庫切れを防ぐ章でまとめて対処法を示します。③は商材によって許容できるかが分かれるため、次の向き不向きの判断に直結します。
FBAマルチチャネルサービスが向いている事業者・向いていない事業者の判断基準

向き不向きは、デメリットの①と③を自社が許容できるかで分かれます。判断材料は、チャネル構成と商材の特徴です。
向いている事業者はAmazonが主力で、他チャネルの出荷が少量〜中量
Amazonが売上の中心で、他チャネル用に倉庫や人員を置くほどではない事業者に向きます。
- FBAの在庫が安定して回転している
- 楽天市場や自社ECの出荷が、社内の片手間では回らなくなってきた
- 他チャネルでもお急ぎ便や日時指定を出し、購入者の満足度を上げたい
この形なら、在庫をFBAに寄せたまま他チャネルの出荷だけを任せられます。在庫と出荷の拠点が1つになるため、チャネル間の在庫の移動も減らせます。
向いていない事業者は他チャネルが主力・独自梱包が必要・大型商品が中心
他チャネルの売上がAmazonを上回る事業者や、梱包も商品価値の一部である事業者には向きにくいと考えてください。
- 他チャネルが主力:出荷の大半をAmazonの倉庫に頼ることになり、Amazonの在庫計画が他チャネルに振り回される。発送代行で全チャネルを一本化する選択肢と比べる
- 独自梱包が必要:同梱チラシやギフト包装、ブランドの箱が購入体験の中心になっている
- 大型商品が中心:サイズ区分が上がるほど1件あたりの手数料が上がるため、公式の料金表で自社出荷との差を確かめる
自社出荷を一部に残す意味もあります。自社出荷(FBM)の在庫は、出品者が自分で在庫数を管理できます。一方でFBAは、納品から受領までの日数など、自社で動かせない要素が多い仕組みです。在庫を手元でコントロールしたいチャネルは自社出荷に残すという分け方も現実的です。
導入前の判断チェックリスト(6項目)
導入を決める前に、次の6項目を確認しましょう。
- チャネル別の月間出荷件数と、今後の伸びの見込みを把握している
- 自社出荷の1件あたりコストを、人件費を含めて出している
- 同梱物やギフト包装など、梱包の独自対応が必須ではない
- 主力商品のサイズ区分と手数料を、公式の料金表で確認した
- 出店しているモールの規約とガイドラインを確認した
- 他チャネルの問い合わせと返品を受ける担当者と、返送先を決めた
1つ目と2つ目は料金の章、3つ目と4つ目は向き不向き、5つ目と6つ目は始め方の章に対応します。答えに詰まった項目は、対応する章に戻って確認してください。
MCFを使うべきか、数字で判断できていますか。
出荷の負担だけで決めると、利益や在庫の問題が後から出てきます。LINK株式会社は、元Amazon Japan出身の代表が率いるAmazon運用の支援会社です。
- チャネル別の売上と販売見込みの整理
- 在庫の置き方と補充ルールの設計
- Amazonの商品ページと広告の改善
売上向上実績100社以上、1年以上継続率90%以上(※お客様実績に基づく参考値です)。無料相談にて、MCFを使う場合と使わない場合の在庫の持ち方の考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
FBAマルチチャネルサービスで在庫切れを防ぐ方法【Amazonの検索順位を守る在庫ルール】

導入を決めたら、最も注意したいのが在庫切れです。デメリットの②と④への対処を、仕組み、補充のルール、繁忙期の順に示します。
他チャネルの注文でFBA在庫が減り、Amazonで在庫切れを起こす仕組みと影響
MCFでは、他チャネルで売れた分だけFBAの在庫が減ります。Amazonの売れ行きだけを見て補充していると、想定より早く在庫が尽きます。
在庫切れは、Amazon運用で最も避けたい失敗です。当社の解説動画でも、一度在庫を切らすと検索順位を戻すのは非常に難しいとお伝えしています。支援現場での実感として、ダメージは次の2つが重なります。
- 順位に最も強く効く「直近の販売個数」が止まる
- 在庫切れそのものに対するペナルティがある
買いに来た顧客が買えずに、楽天など他のモールへ流れることも起きます。MCFで他チャネルの出荷を増やすほど、Amazonの順位を守る在庫管理が重要になります。
チャネル別に販売見込みを分け、合算で補充する方法

見込みはチャネル別に立て、補充は合算で決めましょう。チャネルによって、売れ行きを動かす要因が違うからです。
支援現場の実感として、Amazonは検索が起点のため、天候や季節など外部の要因に連動しやすい傾向があります。楽天市場はセールやポイント施策を起点にした購入が多く、モールの販促カレンダーが変動の主因になりがちです。1つの数字にまとめて予測すると、どちらの動きも読み違えます。
運用ルールは次の3つです。3つ目は、当社の解説動画で示している基本ルールです。
- 最低1ヶ月分の在庫を常に持つ
- 最低でも週に1回、チャネル別の販売数を確認し、向こう1ヶ月の見込みを更新する
- 直近の販売ペースで2ヶ月分程度をFBAに置き、残り1ヶ月分程度で追加納品する(販売ペースはAmazonと他チャネルの合算で出す)
解説動画で紹介している目安では、FBAは納品後、Amazon側の受領作業におおむね2〜3日かかります。発注は、この日数を足して前倒ししましょう。
※発注点の計算方法から確認したい方はAmazon在庫管理の完全ガイド!在庫切れゼロ・IPI改善・発注点計算までもどうぞ。
セールが重なる時期と在庫が細ったときの対策【積み増しとAmazon販売分の確保】
チャネルごとの山場が重なる時期は、見込みを二重に積みましょう。山場は次のとおりです。
- 楽天市場:お買い物マラソンやスーパーSALEと「5と0のつく日」が重なるタイミングに売上が集中する。MCFで楽天の注文を出しているなら、イベント前に楽天分を積み増す
- Amazon:大型セールでは、先行セールより本セールの期間に購買が集まりやすい(支援現場での実感)
大型セール前は受領の反映も大きく遅れやすいため、納品はさらに早めましょう。
それでも在庫が細ったときは、Amazonの販売分を先に守る判断をしましょう。たとえば他チャネルのMCFへの出荷依頼を一時的に止め、自社や別の倉庫にある在庫から出荷する方法があります。FBAの在庫上限の枠も、他チャネル分を含めた量で確認してください。
自社倉庫にも在庫があるなら、FBA用と自社出荷用の2つのSKUで備える【上級者向け】
自社倉庫に在庫を持っている事業者なら、もう一段の保険があります。同じ商品に、FBA用と自社出荷用の2つのSKU(在庫管理の単位)を登録する方法で、解説動画でも紹介しています。FBAの在庫が尽きたら、自社出荷のSKUが販売を引き継ぐため、在庫切れの状態を避けられます。
ただし自社出荷で売っている間はプライムマークが付かず、配送も遅くなります。そのためCVR(ここではユニットセッション率)が落ち、順位も下がる傾向があります。在庫切れよりは影響を抑えられるものの、SKUや注文の管理体制が整っていることが前提の上級者向けの方法です。
他チャネルが伸びるほど、Amazonの在庫が細っていませんか。
共有在庫の管理は、Amazonの順位と他チャネルの売上の両方に響きます。LINK株式会社は、1案件につき最低3名体制で次の3つを確認します。
- Amazonと他チャネルの販売見込みの分け方
- 大型セールとモールのイベントを重ねた在庫計画
- 在庫切れの影響を抑える商品ページと広告の運用
ベストセラー1位多数獲得、売上向上実績100社以上(※お客様実績に基づく参考値です)。無料相談にて、Amazonと他チャネルの販売見込みを分けた在庫の持ち方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
FBAマルチチャネルサービスの始め方5ステップ【申込みから出荷依頼・返品対応まで】

在庫のルールまで決めたら、実際の導入に進みます。手順は5つで、ここまでの判断をそのまま使います。
ステップ1〜2 利用条件と出店先の規約を確認し、FBAに在庫を納品する
最初に、MCFを使える条件と、出店先モールの規約を確かめます。
MCFはFBAで販売している商品が対象で、Amazonに出品せずMCFだけを使うことはできません。すでにFBAを使っている場合は、セラーセントラルから始めます(出典:Amazon公式)。
同時に、楽天市場やYahoo!ショッピングなど出店先の規約とガイドラインを確かめましょう。梱包や発送元の表示について、モールごとに定めがある場合があります。規約は改定されるため、最新版で確認しておきましょう。デメリット③の梱包の制約が問題にならないかも、ここで見ておきましょう。
確認が済んだら、他チャネル分を含めた量をFBAに納品します。納品の手順そのものは、通常のFBAと変わりません。
ステップ3〜4 出荷依頼の方法を決め、少量でテスト出荷する
出荷依頼の方法は、件数に合わせて手動・受注管理システム・APIから選びます。3つの違いは、最初の章の連携方法で整理しました。
選ぶときの考え方はシンプルです。在庫の管理のような定型作業は、基本的に自動で回して構いません。売上に直結しない作業に人の手をかけすぎず、その時間を商品ページや広告に回しましょう。ツールの良し悪しを一律に決める基準はないため、自社のチャネル構成と件数に合うかで判断してください。
※在庫の一元化から確認したい方はEC在庫管理とは?在庫切れと過剰在庫を防ぐ一元化の仕組みと外注の選び方もどうぞ。
方法を決めたら、いきなり全件を切り替えずに少量でテスト出荷しましょう。確認するのは次の4点です。
- 届いた箱にAmazonのロゴが入っていないか
- 注文から到着までの日数が、自社ショップでの案内と合っているか
- 納品書の記載(出品者名と購入者の情報)が、自社の運用に合っているか
- お問い合わせ伝票番号(追跡番号)が、他チャネルの注文管理画面に正しく反映されるか
発送されると、お問い合わせ伝票番号と、配送状況を追跡できるSwishipのページへのリンクが表示されます。購入者にどう案内するかも、テスト出荷の段階で決めておきましょう。
ステップ5 問い合わせと返品の窓口を決めて定期運用に移る

最後に、購入者からの問い合わせと返品を誰が受けるかを決めます。他チャネルで買った購入者にとって、窓口は商品を買ったショップだからです。
返品の希望は、まず購入者から販売したショップに届きます。返送先は、出品者が指定する場所とAmazonの倉庫から選べます(出典:Amazon公式)。ヘルプの比較表では、Amazonの倉庫への返品はベータ版の扱いです。再販できる状態かを誰が確認するかも、あわせて決めておきましょう。
定期運用に入ったら、在庫切れを防ぐ章で決めた週次のルールを業務に組み込みましょう。チャネル別の販売数を週に1回確認し、合算の見込みで補充を判断する流れです。
導入後の在庫と販売計画、社内で回せそうですか。
出荷を任せたあとに残るのは、何をいつどれだけ補充するかと、売上をどう伸ばすかの判断です。LINK株式会社は販売を伸ばす側の支援に特化しており、MCFの設定や注文処理、物流の代行は行っていません。
- 週次の販売見込みと補充の考え方
- Amazonの商品ページと広告の改善
- チャネル別の売上と利益の振り返り
無料相談にて、MCFの導入後を見すえた在庫の持ち方と、Amazonの販売計画の考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
FBAマルチチャネルサービスでよくある質問
- FBAマルチチャネルサービスとMCFは同じものですか?
同じサービスです。MCFはMulti-Channel Fulfillmentの略です。公式ページでも「マルチチャネルサービス」と「MCF」の両方が使われています。
別の呼び方で紹介されていることもあります。申込みや料金の確認は、公式ページとセラーセントラルの表記に合わせると迷いません。
- 楽天市場やYahoo!ショッピングの注文にも使えますか?
MCFはAmazon以外の販売経路の注文を対象にしたサービスで、仕組みの上では使えます。ただし各モールの規約やガイドラインで、梱包や発送元の表示に定めがある場合があります。
利用前に、出店先の最新のガイドラインを確認してください。解釈に迷う場合は、各モールの窓口に問い合わせるのが確実です。
- Amazonのロゴ入りの箱で届くことはありますか?
ロゴなしの無地ダンボールで出荷される仕組みです。ただしAmazonの公式ページどうしで書き方が違います。ヘルプの比較表は「すべて無地」、MCFの紹介ページは「無地対応の倉庫を拡大している」です。
ブランドの印象に関わる場合は、テスト出荷で実際の箱を確かめましょう。
- お急ぎ便や日時指定は使えますか?
使えます。公式ページでは、通常配送のほかに「お急ぎ便」と「お届け日時指定便」を提供できると案内されています。
ただし配送オプションによって配送代行手数料が変わります。また大型サイズの一部と特大型は、お届け日時指定便の対象外です。他チャネルでどの配送を案内するかは、1件あたりの費用とあわせて決めてください。
- 代金引換は使えますか?
使えません。MCFの代金引換は、2024年9月20日から利用できなくなっています(セラーセントラル ヘルプの記載)。
自社ショップで代金引換を受け付けている場合は、その注文を自社出荷に回すなど、MCFで出す注文と分けておきましょう。
- MCFで出荷した荷物の配送状況は追跡できますか?
追跡できます。発送されると、お問い合わせ伝票番号と、Swishipの追跡ページへのリンクが表示されます。
購入者から配送状況を聞かれたときに答えるのは、販売したショップです。伝票番号を他チャネルの注文管理画面に反映できるかを、テスト出荷で確かめましょう。
- 返品はどう処理されますか?
購入者はまず販売したショップに連絡し、返送先は出品者の指定場所かAmazonの倉庫から選べます。ヘルプの比較表では、Amazonの倉庫への返品はベータ版の扱いです。
受付の担当者と、再販できるかを確認する担当者を先に決めておきましょう。
- MCFを使うとAmazonの検索順位に影響はありますか?
注意したいのは、在庫を共有することによる影響です。
他チャネルの注文で在庫が減り、Amazonで在庫切れを起こすと、その間は販売が止まります。支援現場の実感として、直近の販売個数は順位に強く効くため、順位が下がりやすくなります。見込みをチャネル別に立て、合算で補充して防いでください。
- MCFの設定や出荷、在庫管理もLINK株式会社に任せられますか?
LINK株式会社は販売を伸ばす側の支援に特化しており、MCFの設定や注文処理、在庫や物流の代行は請けていません。支援できるのは、チャネル別の販売見込みを踏まえた在庫計画の考え方と、Amazonの商品ページや広告など販売側の運用です。
複数モールの運用支援は、対応できる1社にまとめるほうが効率的な場合が多いです。ただしまとめた場合も、モールごとの伸び方を個別に確認し、伸び悩むモールがないかを見ていくことが大切です。
FBAマルチチャネルサービスは「1件あたりコスト」と「在庫の見込み」で判断する(まとめ)
MCFは、Amazon以外で売れた注文をFBA倉庫から出荷するサービスです。使うかどうかは、人件費まで含めた自社出荷の1件あたりコストと、MCFの手数料を並べて決めましょう。
導入するなら、在庫はAmazonと共有する前提で組み直しましょう。見込みはチャネル別に立て、補充は合算の販売ペースで回し、少量のテスト出荷から始めてください。
他チャネルを伸ばしながら、Amazonの順位も守りたい方へ
MCFで出荷を任せても、在庫と販売の計画は自社に残ります。LINK株式会社は、元Amazon Japan出身の代表のもと、Amazonを中心に販売を伸ばす側を支援しています。
- チャネル別の販売見込みと在庫計画の整理
- 商品ページと広告の改善
- 原価と手数料を含めた利益構造の確認
売上向上実績100社以上、サービス満足度97%以上、売上平均上昇率420%以上(※お客様実績に基づく参考値です)。無料相談にて、MCFを含めたチャネル別の在庫の持ち方と、Amazonの販売計画の考え方から一緒に整理します。
LINK株式会社は、元Amazon出身者が在籍するAmazon専門チームとして、100社以上の運用改善に伴走してきました。まずは無料相談で、貴社の状況と目指すゴールを伺ったうえで、運用代行によるご支援内容をご提案します。
- 参照した一次情報・公式情報
- 記事監修
- 公開日: 2026年10月1日 / 最終更新日: 2026年10月1日
- 監修:南雲 宏樹(LINK株式会社 代表取締役 / 元Amazon Japan)
- LINK株式会社はAmazon公認パートナー(Adsパートナー認定)で、元楽天ECCも在籍しています。
- 本記事はAmazon公式ページおよびセラーセントラル ヘルプの公開情報、ならびにLINK株式会社の支援実績データを基に作成しました。
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